サムスングループがルノーサムスン自動車と結んだブランド利用契約を延長しないことにした。ルノーサムスンは社名からサムスンを外し、サムスンのロゴも使用できなくなる。2000年に仏ルノーグループが旧サムスン自動車を買収して始まったサムスンとルノーの関係が20年で清算される見通しだ。
業界によると、サムスングループは来年8月4日までとなっているルノーサムスンのサムスンブランド利用契約を延長しないことにした。ルノーサムスンの2番目の株主のサムスンカードもルノーサムスンの株式(19.9%)売却を検討中という。
サムスンは2000年、ルノーグループにサムスン車を売却し、10年周期でルノーがサムスンブランドを使用する契約を結んだ。サムスンブランド利用権を保有するサムスン電子やサムスン物産がルノーサムスンの国内売上高の0.8%を受けてきた。
ルノーサムスンはブランド使用契約の終了に備えて今年上半期に釜山(プサン)工場でSM5の生産を打ち切ったのに続き、9月にはSM3とSM7の生産も中断した。その代わりルノーグループの海外工場で生産されたクリオとマスターの販売を増やしている。7月には職員のメールアドレスもルノーサムスンドットコムからルノードットコムに変更された。
サムスングループがルノーサムスン自動車とブランド契約を延長しないのは、提携による実益が大きくないと判断したからだ。サムスンブランドの使用でルノーサムスンから受けるロイヤリティーよりも多くの有形無形の損失が生じていると判断した。サムスンが2000年に旧サムスン自動車を仏ルノーグループに売却した後にも絶えず提起されてきた自動車事業再進出説を払拭できるという点も、ルノーと決別しようとする要因の一つだ。ルノーサムスンに強い労働組合ができて「労働組合リスク」が浮上した点もサムスンに負担になったという分析が出ている。
◆電装事業の強化に障害
サムスンは1995年、サムスン自動車を設立した。当時、李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン会長は「サムスンが蓄積してきた電子分野の技術力と輸出ルート、関連分野で確保した内部人材を十分に活用すれば自動車事業をやっていけるという自信が生じた」と自動車事業進出の背景を説明した。
そのサムスン車が1998年、日産と提携して発売したSM5は人気を呼んだが、同年の通貨危機の衝撃を避けられなかった。貸出金利が上昇して資金繰り難となったサムスン車は1999年に法定管理(日本の会社更生法に相当)を申請した。この時期にルノーがサムスン車を買収し、サムスンとルノーの関係が始まった。
当時、サムスンはルノーと2つの条件に合意した。ルノーサムスンという社名を使用できるようにし、サムスンカードがルノーサムスンの2番目の株主として残るということだった。「韓国で自動車事業をするにはサムスンの技術力とサムスンというブランドが必要」というルノーの要求によるものだった。
初期はサムスンも少なからず利益を得た。サムスン電機をはじめとするサムスン系列会社がルノーサムスンに安定的に納品できた。ルノーグループから毎年、サムスンブランド利用料と数百億ウォンの配当金も受けた。
しかし最近は提携関係がむしろサムスンの足かせになっているという指摘が出ている。ルノーサムスンが20年目を迎え、サムスンが依然として自動車事業に関心があるのではという見方が絶えなかった。サムスンがバッテリーや自動車半導体など電装事業を強化したことで「サムスン自動車事業再進出説」はさらに強まった。サムスン電子は2016年、9兆2000億ウォンを投じて米電装会社ハーマンを買収したのに続き、昨年は電装用半導体を未来の成長事業に選定した。このため現代自動車をはじめとする一部の自動車企業はサムスンの部品をあまり使用しないというのがサムスンの判断だ。サムスンはルノーとの関係を清算すればこうした疑心を払拭できると判断している。
◆ルノーサムスンの労使問題も負担
サムスンはルノーサムスンの労使関係も不安要素と見ている。サムスンカードがルノーサムスンの2番目の株主であるだけで、サムスンはルノーサムスンの経営に全く関与していない。しかしルノーサムスンに労使問題が生じるたびにサムスンがうまくいっていないという印象を与えるというのが、サムスングループの判断だ。
かつてルノーサムスンは「労使関係模範生」と呼ばれたが、昨年から雰囲気が急変した。労働組合は基本給の大幅引き上げを要求し、会社側は新車配分を控えた状態であり賃金を据え置くべきだと対抗した。労働組合は昨年10月、4年ぶりにストライキをした。その2カ月後、パク・ジョンギュ新労働組合委員長が就任し、労働組合はさらに強硬になった。パク委員長は2011年に従来の労働組合(上級団体に所属しない企業労働組合)とは別に全国民主労働組合総連盟(民主労総)ルノーサムスン支会を設立した人物だ。
SUV「ローグ」生産を委託していた日産は労働組合のストを理由に委託物量を年10万台から6万台に減らした。史上初の全面ストまで強行した末、ルノーサムスン労使は今年6月、2018年度賃金および団体協約交渉(賃金団体交渉)を終えた。しかし2019年度の賃金団体交渉も難航が予想される。労働組合は今年も基本給引き上げを要求し、会社は拒否している。
来年以降は労使対立がさらに深刻になるという見方も出ている。生産台数が減り、構造調整が避けられないからだ。サムスン関係者は「ルノーサムスンの労使関係などのいくつかの事項を考慮してブランドに関する多様な案を議論中」と伝えた。
業界によると、サムスングループは来年8月4日までとなっているルノーサムスンのサムスンブランド利用契約を延長しないことにした。ルノーサムスンの2番目の株主のサムスンカードもルノーサムスンの株式(19.9%)売却を検討中という。
サムスンは2000年、ルノーグループにサムスン車を売却し、10年周期でルノーがサムスンブランドを使用する契約を結んだ。サムスンブランド利用権を保有するサムスン電子やサムスン物産がルノーサムスンの国内売上高の0.8%を受けてきた。
ルノーサムスンはブランド使用契約の終了に備えて今年上半期に釜山(プサン)工場でSM5の生産を打ち切ったのに続き、9月にはSM3とSM7の生産も中断した。その代わりルノーグループの海外工場で生産されたクリオとマスターの販売を増やしている。7月には職員のメールアドレスもルノーサムスンドットコムからルノードットコムに変更された。
サムスングループがルノーサムスン自動車とブランド契約を延長しないのは、提携による実益が大きくないと判断したからだ。サムスンブランドの使用でルノーサムスンから受けるロイヤリティーよりも多くの有形無形の損失が生じていると判断した。サムスンが2000年に旧サムスン自動車を仏ルノーグループに売却した後にも絶えず提起されてきた自動車事業再進出説を払拭できるという点も、ルノーと決別しようとする要因の一つだ。ルノーサムスンに強い労働組合ができて「労働組合リスク」が浮上した点もサムスンに負担になったという分析が出ている。
◆電装事業の強化に障害
サムスンは1995年、サムスン自動車を設立した。当時、李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン会長は「サムスンが蓄積してきた電子分野の技術力と輸出ルート、関連分野で確保した内部人材を十分に活用すれば自動車事業をやっていけるという自信が生じた」と自動車事業進出の背景を説明した。
そのサムスン車が1998年、日産と提携して発売したSM5は人気を呼んだが、同年の通貨危機の衝撃を避けられなかった。貸出金利が上昇して資金繰り難となったサムスン車は1999年に法定管理(日本の会社更生法に相当)を申請した。この時期にルノーがサムスン車を買収し、サムスンとルノーの関係が始まった。
当時、サムスンはルノーと2つの条件に合意した。ルノーサムスンという社名を使用できるようにし、サムスンカードがルノーサムスンの2番目の株主として残るということだった。「韓国で自動車事業をするにはサムスンの技術力とサムスンというブランドが必要」というルノーの要求によるものだった。
初期はサムスンも少なからず利益を得た。サムスン電機をはじめとするサムスン系列会社がルノーサムスンに安定的に納品できた。ルノーグループから毎年、サムスンブランド利用料と数百億ウォンの配当金も受けた。
しかし最近は提携関係がむしろサムスンの足かせになっているという指摘が出ている。ルノーサムスンが20年目を迎え、サムスンが依然として自動車事業に関心があるのではという見方が絶えなかった。サムスンがバッテリーや自動車半導体など電装事業を強化したことで「サムスン自動車事業再進出説」はさらに強まった。サムスン電子は2016年、9兆2000億ウォンを投じて米電装会社ハーマンを買収したのに続き、昨年は電装用半導体を未来の成長事業に選定した。このため現代自動車をはじめとする一部の自動車企業はサムスンの部品をあまり使用しないというのがサムスンの判断だ。サムスンはルノーとの関係を清算すればこうした疑心を払拭できると判断している。
◆ルノーサムスンの労使問題も負担
サムスンはルノーサムスンの労使関係も不安要素と見ている。サムスンカードがルノーサムスンの2番目の株主であるだけで、サムスンはルノーサムスンの経営に全く関与していない。しかしルノーサムスンに労使問題が生じるたびにサムスンがうまくいっていないという印象を与えるというのが、サムスングループの判断だ。
かつてルノーサムスンは「労使関係模範生」と呼ばれたが、昨年から雰囲気が急変した。労働組合は基本給の大幅引き上げを要求し、会社側は新車配分を控えた状態であり賃金を据え置くべきだと対抗した。労働組合は昨年10月、4年ぶりにストライキをした。その2カ月後、パク・ジョンギュ新労働組合委員長が就任し、労働組合はさらに強硬になった。パク委員長は2011年に従来の労働組合(上級団体に所属しない企業労働組合)とは別に全国民主労働組合総連盟(民主労総)ルノーサムスン支会を設立した人物だ。
SUV「ローグ」生産を委託していた日産は労働組合のストを理由に委託物量を年10万台から6万台に減らした。史上初の全面ストまで強行した末、ルノーサムスン労使は今年6月、2018年度賃金および団体協約交渉(賃金団体交渉)を終えた。しかし2019年度の賃金団体交渉も難航が予想される。労働組合は今年も基本給引き上げを要求し、会社は拒否している。
来年以降は労使対立がさらに深刻になるという見方も出ている。生産台数が減り、構造調整が避けられないからだ。サムスン関係者は「ルノーサムスンの労使関係などのいくつかの事項を考慮してブランドに関する多様な案を議論中」と伝えた。
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