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【コラム】米国はない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

【コラム】米国はない

米国はもちろんある。我々が知っていると思っているその米国はもうないということだ。挑発的直説で有名な地政学戦略家ピーター・ゼイハン氏と先月会って確信した。訪韓が初めてだというゼイハン氏に、ソウルの興味深い場面を尋ねると太極旗集会を挙げた彼が私に聞いた。「太極旗集会で星条旗がなぜ登場するのか」。韓米同盟を重視するためだと答えると、ゼイハン氏はこのように言った。「なんということだ。韓国のための米国はもうないのに」。徳寿宮(トクスグン)大漢門前の「韓国人はトランプと米国人を愛する」「韓米同盟は永遠だ」と書かれたプラカードは面目を失った。

要旨はこうだ。米国が世界の警察役を果たしながらお金と時間を際限なく投じたのは中東の石油が必要だったためだが、今はもうシェールガスでエネルギー自給の夢をかなえたので潮目が変わったということだ。世界の1等国家の自尊心は守るだろうが、米国は世界秩序の維持には関心がなく、韓国はこれからはサイの角のように一人で生きる道を探っていかなくてはならないということだ。このように抗弁してみた。最新性能フェラーリをガレージだけに置いておくことと何が違うのかと。ゼイハン氏は「フェラーリを走らせることになれば金しか使わないが、誇示さえすれば実益を取ることができる」と答えた。事業家気質のドナルド・トランプ大統領の時代が終われば我々が知っている米国が戻ってくるのではないか。また、直球が戻ってきた。「トランプはただの信号弾にすぎない」。

もちろん、ゼイハン氏の個人的な意見だ。しかし、最近の米国外交の新孤立主義路線の推移を見ると、今が始まりだというのが米国専門家の大半の意見だ。韓国のいわゆる進歩、別名保守勢力の胸中に固定されていた米国のイメージと別れを告げるときがやってきたということだ。白昼堂々と米国大使官邸にはしごを使って侵入しようとした彼らの胸中にある「悪徳米国」も、血によって韓国をいつまでも守ってくれる「善良な米国」ももうない。米国は進化した。理念スペクトラムを離れ、2019年大韓民国のための真の実用外交が何か額を突き合わせなければならない。その場の感情に任せる「気分外交」も、考えていることが透けて見える「ガラス玉外交」も亡国の道だ。目の前の票集めには瞬間的に効果を出すことができるかもしれないが。差し当たっては10日後に迫った韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の決定から賢明なところを見せなければならない。


2015年に書いた企画記事の題名は「外交はジャズだ…。強弱テンポのある柔軟な戦略を使う時」だった。米国の正統外交官リチャード・ホルブルック氏が残した「一つのテーマを異なる手法で変奏するのが外交」という言葉から取ってきた。それから4年が過ぎ、政権も変わったが、依然として有効な話ということで悲しい。頑固にその場に居続け、声だけ大きいロックンロール外交だけするならば、19世紀の旧韓末から我々は何が良くなったのだろうか。我々が知っている米国はない。それに気づかなければ、すなわち韓国外交も、韓国もない。

チョン・スジン/国際外交安保チーム次長待遇



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