【コラム】企業が走れるようにしてこそ景気低迷抜け出せる=韓国
韓国政府はこれまで企業と家計の民間部門不振を財政投入で防御してきた。その結果現政権(2018~2020年)の財政投入増加率はクレジットカード乱発問題(2003年)や金融危機(2009年)に匹敵するほどの過去最高値を記録した。しかし企業や家計は活力を生み出すことができず景気低迷はむしろ深まっている。こうした状況で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は国会施政演説を通じ「低成長と雇用、少子化、高齢化など構造的問題解決に向け財政が積極的役割をしなければならない」として改めて財政の重要性を強調した。
だが長期不況を体験した日本を見ても財政だけでは景気を回復させるのには明らかな限界がある。日本は20年間に2万社以上の企業が倒産し、10%台の最悪の失業率、20%を超える自殺率と犯罪率を記録する長期不況を体験した。日本政府はこの期間に莫大な財政を投じたが国内総生産(GDP)比の国の債務比率が200%を超えて増加しただけで景気を回復させるのには失敗した。日本の不況脱出は財政でなく安倍政権の法人税引き下げ、労働・環境規制緩和、円安を通じた輸出競争力向上の3大政策の効果というのが定説だ。
韓国がいま体験している景気低迷は2017年9月に遡る。統計庁が先月末に発表した景気循環周期によると韓国経済は2017年9月にピークに達してから24カ月連続で後退ばかり続く状況だ。ちょうど経済がピークに達し後退し始めた2017年9月は現政権の経済政策が本格化した時期と重なる。もちろん韓国経済の構造的な問題まで現政権のせいにするには無理があるだろうが、無理な最低賃金引き上げ、所得主導成長、52時間制と労働市場規制のような反企業政策と現在の景気低迷は無関係ではない。政府が経済をこの長い沈滞から抜け出させるには財政カードにばかり頼るのではなく、日本の例で見るように結局企業が再び走れるようにしなければならない。
チャン・ジョンフン/産業2チーム次長
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