9月の消費者物価上昇率がマイナス(-0.4%)となり、国会では「デフレーション(Deflation)論争」があった。8日の国会企画財政委員会での韓国銀行(韓銀)国政監査でだ。デフレとは血圧に例えると「低血圧」であり、長期にわたり景気低迷と物価下落が同時に進行する現象をいう。洪日杓(ホン・イルピョ)自由韓国党議員は「専門家は今がデフレの初期という」と指摘した。兪承希(ユ・スンヒ)共に民主党議員も「韓銀が物価管理を気にしてデフレの兆候が強まるという懸念がある」と話した。
「デフレ懸念」が浮上するたびに政府は同じ答弁を繰り返す。需要減少による構造的な物価下落でなく、農・畜・水産物の価格下落による一時的な現象ということだ。野菜の価格が上がる冬になれば自然に物価がまた上がるという見方を示している。
物価指標を読む政府の目は重要だ。物価安が需要・投資・景気不振など構造的危機から始まると見ると、直ちに対策を見いだすべきだという結論につながる。しかし時間が解決してくれる一時的な現象と見ると、政府の対応も消極的になる。問題は、最近の物価安は構造的な景気不振から始まったという証拠が多いにもかかわらずこれを否定するような政府の態度だ。
◆GDPギャップ率 8年連続マイナス
国際通貨基金(IMF)によると、今年の韓国の「国内総生産(GDP)ギャップ率」は-0.88%(暫定値)で、2012年(-0.81%)以降8年連続でマイナスとなっている。デフレ圧力が長期間続いているということだ。日本もGDPギャップ率が長期間マイナスだったが、その後は上がり続けて2017年から韓国を上回っている。IMFとは異なる経済モデルを使う韓銀も先月、報告書「わが国の潜在成長率推定」で、今年の韓国のGDPギャップ率はマイナスに転じたと明らかにした。韓銀は来年もこうした傾向が続くと予想した。
「GDPギャップ率」は総需要の冷え込みによる「デフレ圧力」を表す核心指標の一つ。実際のGDPから潜在GDP(韓国経済がインフレを誘発せず達成できる最大限のGDP)を引いた「GDPギャップ」を潜在GDPで割れば「GDPギャップ率」を求めることができる。実際のGDPが潜在GDPを上回ってこの値がプラスになれば景気過熱でインフレ圧力が高まるという意味であり、逆にマイナスになれば不況でデフレ圧力が強まると解釈できる。
たとえば、毎年100万台のスマートフォンを生産できる会社があると仮定すると、景気が良くなって120万台のスマートフォン需要が生じれば会社は雇用を増やし、コスト上昇要因を反映して製品価格を上げることになる。総需要が「生産能力」を上回り「GDPギャップ率」がプラスになる場合だ。逆に不況でスマートフォン需要が80万台にとどまれば、会社は雇用を減らしてスマートフォン価格も下落することになる。総需要が「生産能力」を下回り「GDPギャップ率」がマイナスになる状況だ。
国内主力産業の製造業の景気が不振から抜け出せず、経済の軸となる40代の雇用が冷え込む背景も「GDPギャップ率」が長期的なマイナス状況である点と深い関係がある。海外観光客の流入によるアルバイト増加と短期の高齢者雇用事業などで青年・高齢層雇用率が高まったと政府が「自画自賛」している場合ではないということだ。GDPギャップ率をプラスに戻すことができなければ、韓国経済は持続可能な成長を担保できない。
過去の政府も実際のGDPを潜在GDPより高めて、マイナスGDPギャップの沼から抜け出そうという政策を展開した。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)元経済副首相兼企画財政部長官は2015年2日、消費者物価上昇率(0.6%)が1%以下に落ちると「デフレ状況」と述べた。政府は同年3月から2016年6月までの1年3カ月間に政策金利を3回も引き下げた。2015年から17年まで毎年11億ウォン以上の補正予算を編成し、財政拡張もした。2017年に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権も歴代級「スーパー予算」を編成したが、マイナスのGDPギャップ率を転換させることはできなかった。
「デフレ懸念」が浮上するたびに政府は同じ答弁を繰り返す。需要減少による構造的な物価下落でなく、農・畜・水産物の価格下落による一時的な現象ということだ。野菜の価格が上がる冬になれば自然に物価がまた上がるという見方を示している。
物価指標を読む政府の目は重要だ。物価安が需要・投資・景気不振など構造的危機から始まると見ると、直ちに対策を見いだすべきだという結論につながる。しかし時間が解決してくれる一時的な現象と見ると、政府の対応も消極的になる。問題は、最近の物価安は構造的な景気不振から始まったという証拠が多いにもかかわらずこれを否定するような政府の態度だ。
◆GDPギャップ率 8年連続マイナス
国際通貨基金(IMF)によると、今年の韓国の「国内総生産(GDP)ギャップ率」は-0.88%(暫定値)で、2012年(-0.81%)以降8年連続でマイナスとなっている。デフレ圧力が長期間続いているということだ。日本もGDPギャップ率が長期間マイナスだったが、その後は上がり続けて2017年から韓国を上回っている。IMFとは異なる経済モデルを使う韓銀も先月、報告書「わが国の潜在成長率推定」で、今年の韓国のGDPギャップ率はマイナスに転じたと明らかにした。韓銀は来年もこうした傾向が続くと予想した。
「GDPギャップ率」は総需要の冷え込みによる「デフレ圧力」を表す核心指標の一つ。実際のGDPから潜在GDP(韓国経済がインフレを誘発せず達成できる最大限のGDP)を引いた「GDPギャップ」を潜在GDPで割れば「GDPギャップ率」を求めることができる。実際のGDPが潜在GDPを上回ってこの値がプラスになれば景気過熱でインフレ圧力が高まるという意味であり、逆にマイナスになれば不況でデフレ圧力が強まると解釈できる。
たとえば、毎年100万台のスマートフォンを生産できる会社があると仮定すると、景気が良くなって120万台のスマートフォン需要が生じれば会社は雇用を増やし、コスト上昇要因を反映して製品価格を上げることになる。総需要が「生産能力」を上回り「GDPギャップ率」がプラスになる場合だ。逆に不況でスマートフォン需要が80万台にとどまれば、会社は雇用を減らしてスマートフォン価格も下落することになる。総需要が「生産能力」を下回り「GDPギャップ率」がマイナスになる状況だ。
国内主力産業の製造業の景気が不振から抜け出せず、経済の軸となる40代の雇用が冷え込む背景も「GDPギャップ率」が長期的なマイナス状況である点と深い関係がある。海外観光客の流入によるアルバイト増加と短期の高齢者雇用事業などで青年・高齢層雇用率が高まったと政府が「自画自賛」している場合ではないということだ。GDPギャップ率をプラスに戻すことができなければ、韓国経済は持続可能な成長を担保できない。
過去の政府も実際のGDPを潜在GDPより高めて、マイナスGDPギャップの沼から抜け出そうという政策を展開した。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)元経済副首相兼企画財政部長官は2015年2日、消費者物価上昇率(0.6%)が1%以下に落ちると「デフレ状況」と述べた。政府は同年3月から2016年6月までの1年3カ月間に政策金利を3回も引き下げた。2015年から17年まで毎年11億ウォン以上の補正予算を編成し、財政拡張もした。2017年に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権も歴代級「スーパー予算」を編成したが、マイナスのGDPギャップ率を転換させることはできなかった。
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