武器を導入する過程で最初の段階が所要提起だ。「○○○な理由のため○○○な戦力が必要だ」という形式だ。ところが今年所要を提起しなければならない理由として「北朝鮮の脅威」にもうひとつ加わった。「周辺国への備え」だ。国防部が先月29日に発表した2020年度国防予算案には北朝鮮と別に周辺国に対抗する戦力を確保する項目が別に用意された。韓国政府内で非公式的に「北東アジア予算」または「周辺国予算」と呼ばれるものだ。
自主国防の概念が変わっている。これまで自ら国を守ろうとする対象は北朝鮮だけだった。しかし中国、日本のような周辺国にその対象が広がった。韓国政府関係者は「中国や日本が敵国という意味ではない」としながらも、「ただ今後両国との紛争が起きかねないためあらかじめ準備しようということ」と話した。日本は独島(ドクト、日本名・竹島)、中国は離於島(イオド)でそれぞれ韓国の領有権を認めていない。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の自主国防観は『2018国防白書』で表れた。国防部は8年ぶりに白書から「北朝鮮は敵」という表現を抜いた。代わりに「敵」を「大韓民国の主権、国土、国民、財産を脅かし侵害する勢力」と定義した。同当局者は「北朝鮮に限定せず、状況により周辺国も敵になることがあるという拡張概念」と説明した。
政府消息筋は「現政権は基本的に北朝鮮は在来式戦力で韓国に勝てないと判断している。問題は北朝鮮の核・ミサイルなど大量破壊兵器(WMD)だが、これは米国の拡張抑制(核の傘)で防げるとみている」と話した。彼は「韓国の国力と経済力が大きくなったため、いまは北朝鮮一辺倒から脱却し周辺国にも対応できる能力を備えた」と話した。
◇「中国・日本との武力衝突時に米国が介入するか疑い」
韓国政府が周辺国を潜在的脅威と認識した背景には、北東アジアの安保情勢変化がある。中国は北東アジアを自身の勢力圏に入れようとし、日本は中国に対抗するとして軍事力を育てている。それでも米国は消極的だ。日本が韓国をホワイト国から排除したのに米国は見守っているばかりだ。別の政府消息筋は「韓米同盟は北朝鮮の挑発を抑制するには効率的だが、周辺国との紛争ではどうするのか疑問を持つほかない」と話した。
軍関係者はこのように予想する。
「北朝鮮が韓国を侵攻すれば米国はすぐに介入するだろう」
「韓国と日本が軍事的に衝突すれば米国は中立を守るだろう」
「中国が韓国に武力紛争を仕掛けるならば計算法がやや複雑になる。全面戦争なら米国は介入する。しかし局地戦や制限戦の場合米国は躊躇するだろう。核を保有する中国と全面戦争に戦争が拡大しかねないためだ」。
◇「周辺国がうかつに行動できないよう『牽制』する戦力必要」
韓国政府は中国と日本を牽制する戦力が必要だと判断した。まず局地戦や制限戦、具体的には独島近隣や離於島周辺の上空や領海で中国と日本の海空軍に最小限押されない水準の戦力がなくてはならないとみた。もう少し欲を出し東南アジアのマラッカ海峡まで戦力を送り海上交通路(SLOC)を保護しようともする。
こうした脈絡から出てきたのが「大型輸送艦-II」だ。垂直離着陸機能を備えたステルス戦闘機であるF-35Bを16機ほど搭載した3万~4万トン級軽空母を建造する事業だ。政府消息筋は「文在寅大統領が軽空母事業を早急に進めるよう何度も強調した」と話した。そのため長期戦力所要決定(7月12日)→2019~2023年国防中期計画に含める(先月14日)→2020年度国防予算案に核心技術開発予算配分(先月29日)など軽空母事業は「快速航海中」だ。海軍関係者は「空母1隻は中国(1隻保有、1隻就役予定)と日本(2隻改造中)に比較すると少ないが、両国にうかつな誤算をできなくさせることはできる」と話した。
今回の国防中期計画には初めて南部探索救助部隊創設計画が反映された。2021~25年に2951億ウォンを投じ韓半島(朝鮮半島)南部地域に輸送機やヘリコプター各3~4機を持つ探索救助任務専従部隊を配備するという計画だ。「韓半島南部地域」は済州島(チェジュド)だ。済州島では空軍基地を建設するためのトリックとみる世論が多い。しかし空軍関係者は「戦闘機を展開する計画は当分ない。周辺国との武力衝突で発生する被害を減らすには絶対に南部探索救助部隊が必要だ」と話した。
自主国防の概念が変わっている。これまで自ら国を守ろうとする対象は北朝鮮だけだった。しかし中国、日本のような周辺国にその対象が広がった。韓国政府関係者は「中国や日本が敵国という意味ではない」としながらも、「ただ今後両国との紛争が起きかねないためあらかじめ準備しようということ」と話した。日本は独島(ドクト、日本名・竹島)、中国は離於島(イオド)でそれぞれ韓国の領有権を認めていない。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の自主国防観は『2018国防白書』で表れた。国防部は8年ぶりに白書から「北朝鮮は敵」という表現を抜いた。代わりに「敵」を「大韓民国の主権、国土、国民、財産を脅かし侵害する勢力」と定義した。同当局者は「北朝鮮に限定せず、状況により周辺国も敵になることがあるという拡張概念」と説明した。
政府消息筋は「現政権は基本的に北朝鮮は在来式戦力で韓国に勝てないと判断している。問題は北朝鮮の核・ミサイルなど大量破壊兵器(WMD)だが、これは米国の拡張抑制(核の傘)で防げるとみている」と話した。彼は「韓国の国力と経済力が大きくなったため、いまは北朝鮮一辺倒から脱却し周辺国にも対応できる能力を備えた」と話した。
◇「中国・日本との武力衝突時に米国が介入するか疑い」
韓国政府が周辺国を潜在的脅威と認識した背景には、北東アジアの安保情勢変化がある。中国は北東アジアを自身の勢力圏に入れようとし、日本は中国に対抗するとして軍事力を育てている。それでも米国は消極的だ。日本が韓国をホワイト国から排除したのに米国は見守っているばかりだ。別の政府消息筋は「韓米同盟は北朝鮮の挑発を抑制するには効率的だが、周辺国との紛争ではどうするのか疑問を持つほかない」と話した。
軍関係者はこのように予想する。
「北朝鮮が韓国を侵攻すれば米国はすぐに介入するだろう」
「韓国と日本が軍事的に衝突すれば米国は中立を守るだろう」
「中国が韓国に武力紛争を仕掛けるならば計算法がやや複雑になる。全面戦争なら米国は介入する。しかし局地戦や制限戦の場合米国は躊躇するだろう。核を保有する中国と全面戦争に戦争が拡大しかねないためだ」。
◇「周辺国がうかつに行動できないよう『牽制』する戦力必要」
韓国政府は中国と日本を牽制する戦力が必要だと判断した。まず局地戦や制限戦、具体的には独島近隣や離於島周辺の上空や領海で中国と日本の海空軍に最小限押されない水準の戦力がなくてはならないとみた。もう少し欲を出し東南アジアのマラッカ海峡まで戦力を送り海上交通路(SLOC)を保護しようともする。
こうした脈絡から出てきたのが「大型輸送艦-II」だ。垂直離着陸機能を備えたステルス戦闘機であるF-35Bを16機ほど搭載した3万~4万トン級軽空母を建造する事業だ。政府消息筋は「文在寅大統領が軽空母事業を早急に進めるよう何度も強調した」と話した。そのため長期戦力所要決定(7月12日)→2019~2023年国防中期計画に含める(先月14日)→2020年度国防予算案に核心技術開発予算配分(先月29日)など軽空母事業は「快速航海中」だ。海軍関係者は「空母1隻は中国(1隻保有、1隻就役予定)と日本(2隻改造中)に比較すると少ないが、両国にうかつな誤算をできなくさせることはできる」と話した。
今回の国防中期計画には初めて南部探索救助部隊創設計画が反映された。2021~25年に2951億ウォンを投じ韓半島(朝鮮半島)南部地域に輸送機やヘリコプター各3~4機を持つ探索救助任務専従部隊を配備するという計画だ。「韓半島南部地域」は済州島(チェジュド)だ。済州島では空軍基地を建設するためのトリックとみる世論が多い。しかし空軍関係者は「戦闘機を展開する計画は当分ない。周辺国との武力衝突で発生する被害を減らすには絶対に南部探索救助部隊が必要だ」と話した。
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