日本が韓国を輸出手続き簡素化対象のホワイト国から除外し、米国が中国を為替操作国に指定するなど、韓国経済をめぐる対外環境が悪化している。1997年の通貨危機や2008年の金融危機のようにさまざまな悪材料が一気に爆発する超大型危機の「パーフェクトストーム」が発生するのではないかとの懸念も出ている。
韓国政府と青瓦台(チョンワデ、大統領府)は、「韓国経済のファンダメンタルズ(基礎体力)は大丈夫だ」と説明した。洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は7日、「韓国経済の対外健全性は過去より画期的に改善された」とし、金尚祖(キム・サンジョ)青瓦台政策室長も前日に「金融または経済のファンダメンタルズ状況は(過去の危機当時とは)かなり違う」と話した。
外貨準備高、短期対外債務比率など金融指標は比較的良好だとの評価が高い。だが経済成長率、輸出、投資などマクロ指標は直近で経済危機が発生した2008年に比べむしろ良くない。専門家らは「輸出などの下落速度が速い状況で強力な外部衝撃が発生すれば大きな混乱に陥るかもしれない」と指摘した。
◇外貨準備高は金融危機当時の2倍
金融市場の健全性を示す指標として多く使われるのが外貨準備高、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、短期対外債務比率だ。外貨準備高は先月基準4031億ドル(約43兆8000億円)だ。金融危機の導火線になったリーマンショックは2008年9月に発生した。同年末に韓国の外貨準備高は2012億ドルだった。現在は当時より2倍以上を保有している。
CDSプレミアムも6日基準32.7bp(1bp=0.01ポイント)で2008年12月末の318.7bpと比べ大きく低い水準だ。CDSプレミアムが低いということは世界の金融市場が韓国国債の不渡りの可能性をそれだけ低く評価しているという意味だ。
全対外債務で短期債務が占める割合も3月末基準28.2%で2008年の47.1%に比べて低い方だ。短期対外債務は世界の金融市場が不安定な場合に満期延長が難しいため過度に多いと通貨危機を誘発したりもする。
金融指標のうち為替相場と外国人資金は最近の不安を拡大する要素だ。7日の為替相場は1ドル=1214.90ウォンで引け今年に入り8.5%のウォン安となった。外国人投資家は今月に入りこの日までに有価証券市場で1兆4212億ウォン相当を売り越した。
◇輸出・投資ともに不振
金融指標と違いマクロ指標は良いとはいえないというのが専門家らの指摘だ。最大の問題は成長停滞がこの数年間著しくなっている点だ。韓国経済の規模が大きくなったせいにだけすることはできない。潜在成長率にも満たない状況が続いているためだ。成長率と潜在成長率の差を示すGDPギャップは2012年からマイナスを記録し続けている。韓国が出せる適正水準の成長率に毎年達していないという話だ。金融危機が起きた2008年にはGDPギャップはプラスだった。翌年には危機の余波でマイナスに転じたが1年で回復した。
2008年の経済成長率は3.0%だった。昨年の成長率は2.7%でこれより低い。韓国銀行は今年の成長率を2.2%と予想している。潜在成長率も下がり続けている。韓国開発研究院(KDI)が2017年に予想した2010年代の潜在成長率は3.0%だったが、今年5月にはこれを2.6~2.7%に修正した。
韓国経済を支える輸出は今年上半期に前年同期比8.5%減少した。金融危機当時の2008年にも輸出は13.6%増加した。月別輸出もやはり昨年12月から今年7月まで8カ月連続でマイナスだ。
上半期の設備投資は前年同期比8.8%減で2008年の2.2%減より減少幅が大きかった。上半期の全産業生産は前年同期比0.3%増加にとどまった。2008年には前年比2.2%増加していた。
ソウル大学経済学部のキム・ソヨン教授は、「消費と投資が悪化しており潜在成長率も落ちている。ファンダメンタルズが虚弱なだけに金融市場が揺らげば打撃は大きい」と話した。また「外貨準備高も安心はできない水準。韓国経済に対するグローバル投資家の認識が悪化すれば資金が急速に流出する可能性があるだけにあらかじめ備えなければならない」と強調した。
韓国政府と青瓦台(チョンワデ、大統領府)は、「韓国経済のファンダメンタルズ(基礎体力)は大丈夫だ」と説明した。洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は7日、「韓国経済の対外健全性は過去より画期的に改善された」とし、金尚祖(キム・サンジョ)青瓦台政策室長も前日に「金融または経済のファンダメンタルズ状況は(過去の危機当時とは)かなり違う」と話した。
外貨準備高、短期対外債務比率など金融指標は比較的良好だとの評価が高い。だが経済成長率、輸出、投資などマクロ指標は直近で経済危機が発生した2008年に比べむしろ良くない。専門家らは「輸出などの下落速度が速い状況で強力な外部衝撃が発生すれば大きな混乱に陥るかもしれない」と指摘した。
◇外貨準備高は金融危機当時の2倍
金融市場の健全性を示す指標として多く使われるのが外貨準備高、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、短期対外債務比率だ。外貨準備高は先月基準4031億ドル(約43兆8000億円)だ。金融危機の導火線になったリーマンショックは2008年9月に発生した。同年末に韓国の外貨準備高は2012億ドルだった。現在は当時より2倍以上を保有している。
CDSプレミアムも6日基準32.7bp(1bp=0.01ポイント)で2008年12月末の318.7bpと比べ大きく低い水準だ。CDSプレミアムが低いということは世界の金融市場が韓国国債の不渡りの可能性をそれだけ低く評価しているという意味だ。
全対外債務で短期債務が占める割合も3月末基準28.2%で2008年の47.1%に比べて低い方だ。短期対外債務は世界の金融市場が不安定な場合に満期延長が難しいため過度に多いと通貨危機を誘発したりもする。
金融指標のうち為替相場と外国人資金は最近の不安を拡大する要素だ。7日の為替相場は1ドル=1214.90ウォンで引け今年に入り8.5%のウォン安となった。外国人投資家は今月に入りこの日までに有価証券市場で1兆4212億ウォン相当を売り越した。
◇輸出・投資ともに不振
金融指標と違いマクロ指標は良いとはいえないというのが専門家らの指摘だ。最大の問題は成長停滞がこの数年間著しくなっている点だ。韓国経済の規模が大きくなったせいにだけすることはできない。潜在成長率にも満たない状況が続いているためだ。成長率と潜在成長率の差を示すGDPギャップは2012年からマイナスを記録し続けている。韓国が出せる適正水準の成長率に毎年達していないという話だ。金融危機が起きた2008年にはGDPギャップはプラスだった。翌年には危機の余波でマイナスに転じたが1年で回復した。
2008年の経済成長率は3.0%だった。昨年の成長率は2.7%でこれより低い。韓国銀行は今年の成長率を2.2%と予想している。潜在成長率も下がり続けている。韓国開発研究院(KDI)が2017年に予想した2010年代の潜在成長率は3.0%だったが、今年5月にはこれを2.6~2.7%に修正した。
韓国経済を支える輸出は今年上半期に前年同期比8.5%減少した。金融危機当時の2008年にも輸出は13.6%増加した。月別輸出もやはり昨年12月から今年7月まで8カ月連続でマイナスだ。
上半期の設備投資は前年同期比8.8%減で2008年の2.2%減より減少幅が大きかった。上半期の全産業生産は前年同期比0.3%増加にとどまった。2008年には前年比2.2%増加していた。
ソウル大学経済学部のキム・ソヨン教授は、「消費と投資が悪化しており潜在成長率も落ちている。ファンダメンタルズが虚弱なだけに金融市場が揺らげば打撃は大きい」と話した。また「外貨準備高も安心はできない水準。韓国経済に対するグローバル投資家の認識が悪化すれば資金が急速に流出する可能性があるだけにあらかじめ備えなければならない」と強調した。
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