サムスン電子が世界で初めて256M DRAMの開発に成功したのを公表した日は1994年8月29日だった。庚戌国恥(韓日併合)84年目になる日だったが、技術力で日本を越えたという克日の意味を込めた。その後サムスン電子はこれを知らせる新聞広告を出した。広告上段には旧韓末時代の太極旗が大きく配置された。当時の金光浩(キム・グァンホ)サムスン電子社長は「少なくともDRAM技術では韓国と日本の関係が(両国が平等だった)旧韓末以前の状態に戻ったという事実を暗示するためのものだった」と話した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「これまで韓国は家電、電子、半導体、造船など多くの産業分野で日本の絶対優位をひとつずつ克服し追い越してきた。私たちはできる」としながら言及した事例もまさに克日の先鋒に立ったこうした企業が主人公だ。
主要経済指標で日本は韓国の先を行く。平均的な経済規模を示す指標である1人当たり国内総生産(GDP)もそうだ。国際通貨基金(IMF)によると日本が1万ドルを超えた1981年に韓国は1870ドルで日本の18%にすぎなかった。しかしその後韓国は着実に格差を狭めていき、2000年代に入るとこの割合は50%を超えた。昨年の韓国の1人当たりGDPは3万1346ドルで日本の3万9306ドルの79.7%まで追いついた。
このように日本を追撃する韓国の経済成長は企業の努力と熱意が土台となった。サムスン、LG、現代自動車、SK、ポスコ、現代重工業などは各分野で日本を追い越したり、日本が侮ることのできないグローバルメーカーになった。韓国が海外で「暮らしぶりの良い国」として待遇を受けるのも彼らが積極的に海外市場を開拓したおかげだ。
だがいま企業は活力を失いつつある。2年間で29.1%も上がった最低賃金、世界とは逆行する法人税率引き上げ、過激デモを日常的に行う強硬な労組、投資を固く締めつける各種規制、政界の企業パッシングなどが足を引っ張っている。これは文大統領が克服対象と指摘した日本が破格に規制を緩和し、法人税を引き下げているのと比べられる。奇しくもIMFは韓国の日本と比べた1人当たりGDP水準が2018年にピークに達した後、2024年には73.3%まで下がり続けると予想した。
日本に勝つには韓国企業の実力を育てる道しかない。反企業・反市場政策を固守してはならない。幸い韓国政府が最近企業の税制優遇を増やし、化学物質関連規制を緩和するなど、地味ながら方向を変えようとする兆しがみられる。もう少し果敢な規制改革と経営環境改善を通じて企業が力を出せる環境を作ることが真の「克日」につなげられるだろう。
ソン・ヘヨン/経済政策チーム長
主要経済指標で日本は韓国の先を行く。平均的な経済規模を示す指標である1人当たり国内総生産(GDP)もそうだ。国際通貨基金(IMF)によると日本が1万ドルを超えた1981年に韓国は1870ドルで日本の18%にすぎなかった。しかしその後韓国は着実に格差を狭めていき、2000年代に入るとこの割合は50%を超えた。昨年の韓国の1人当たりGDPは3万1346ドルで日本の3万9306ドルの79.7%まで追いついた。
このように日本を追撃する韓国の経済成長は企業の努力と熱意が土台となった。サムスン、LG、現代自動車、SK、ポスコ、現代重工業などは各分野で日本を追い越したり、日本が侮ることのできないグローバルメーカーになった。韓国が海外で「暮らしぶりの良い国」として待遇を受けるのも彼らが積極的に海外市場を開拓したおかげだ。
だがいま企業は活力を失いつつある。2年間で29.1%も上がった最低賃金、世界とは逆行する法人税率引き上げ、過激デモを日常的に行う強硬な労組、投資を固く締めつける各種規制、政界の企業パッシングなどが足を引っ張っている。これは文大統領が克服対象と指摘した日本が破格に規制を緩和し、法人税を引き下げているのと比べられる。奇しくもIMFは韓国の日本と比べた1人当たりGDP水準が2018年にピークに達した後、2024年には73.3%まで下がり続けると予想した。
日本に勝つには韓国企業の実力を育てる道しかない。反企業・反市場政策を固守してはならない。幸い韓国政府が最近企業の税制優遇を増やし、化学物質関連規制を緩和するなど、地味ながら方向を変えようとする兆しがみられる。もう少し果敢な規制改革と経営環境改善を通じて企業が力を出せる環境を作ることが真の「克日」につなげられるだろう。
ソン・ヘヨン/経済政策チーム長
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