本当に厄介な隣人だちだ。今度は日本だ。中国だけでも大変なのに、また一つ加わった。なぜこのように挟まれた位置を選んだのか、先祖のせいにすることもできない。引っ越しができるわけでもなく、とにかく隣人として生きていくしかない。偏屈な日本、今すぐ悪口を言うのは簡単なことだ。しかし現実は容易でない。日本は韓国の弱みを突いて経済戦を仕掛けてきた。孫子兵法三十六計の「釜底抽薪(釜底の薪を抜く)」戦略だ。どう対応すればよいのか。選択は大きく3つある。
1つ目、戦いを決めれば「知彼知己」、相手の実力を知らなければいけない。日本は緻密だ。8カ月間も準備した。韓国を叩いても日本の被害が少ない手法を選んだ。その最初が今回のテレビ・スマートフォン・半導体用素材の事実上の輸出禁止だ。政府の「箝口令」で企業が口をかたく閉じているため正確な規模を算出するのは難しいが、概略、日本より30倍以上も韓国の被害が大きいというのが定説だ。こういうものが100個ほど準備されているという。
さらに良くないのは日本には勝利の記憶があることだ。遠くは庚戌国恥、近くは1997年の通貨危機だ。22年前、日本は米国のドル空襲に乗って韓国の不渡りを煽った。真っ先に資金を回収し、債券の満期延長を拒否した。どうすれば韓国を追い込むことができるのかを日本は知っている。日本円は基軸通貨であり、精密化学・素材技術は100年の歴史を誇る。あらゆる特許で重武装し、代替が難しい。企業と政府は協調し、同盟や国際世論戦にも強い。
一方、韓国政府は「まさか」と思いながらやられた。対応は世界貿易機関(WTO)提訴と輸入多角化が全部だ。それも容易ではない。運よく勝ったとしても2、3年後だ。すでに韓国を代表する商品の価値が落ちた後だ。あれこれ考えると全面戦争はできない。壮烈な戦死を覚悟した場合に限って使える選択肢だ。
2つ目、最上は「不戦而勝(戦わずして勝つ)」、和解だ。国益のためならできないことはない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が安倍首相を訪ねて数日間「一人飯」をすることもできる。すでに経験もある。中国では小中華を自負して腰を低くし、米国の「股をくぐり」(金慶洙慶南知事)、北朝鮮の暴言に耐えた。しかし可能性はゼロだ。文大統領は「日本の指導者が(徴用問題を)政治争点化するのは賢明な姿勢でない」と指摘し、「韓日間に問題がなかったことがあったのか」と問い返した。福島水産物紛争で勝利すると、政府対応チームを青瓦台(チョンワデ、大統領府)に呼んで称えた。立場を変えてみれば、火がついた家を煽る姿だ。これだから度量の狭い日本が「無視された」と感じる。寛大に和解の手を文大統領が先に出すべきというのは不可能な注文なのか。ひょっとすると韓国の大統領も国益より票計算が先なのか。
3つ目、本当に難しければ手を引くのがよい。「走為上(逃げるが勝ち)」だ。遠くを眺めれば第三の選択肢もある。韓日自由貿易協定(FTA)だ。韓日FTAは1998年に日本を訪問した金大中(キム・デジュン)元大統領が最初に言及した。当時経済首席秘書官を務めた故康奉均(カン・ボンギュン)長官は「金大中大統領は『21世紀の新韓日パートナーシップ計画』の冒頭で韓日FTAに言及した」とし「盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領も積極的に推進した」と述べた。康元長官は生前、口癖のように「韓日関係が難しい時ほど経済に答えを見いださなければいけない」と話していた。「親日派論争から自由」であるため「左派政権が有利」とも言った。経済が強く結ばれていれば政治・外交・安保・歴史の台風にも耐えることができる。中国と連結すれば金大中元大統領の念願の「韓日中FTA北東アジア平和繁栄論」を完成することができる。
2国間交渉が負担になるのなら代案もある。ちょうど環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)が昨年発効した。韓国がCPTPPに加入すれば日本とFTAを結ぶ効果を得ることができる。長く見ると韓日は共に進まなければいけない。覇権国家に成長した中国を単独で相手にすることはできない。この機会に北東アジアの未来の大きい絵を描くべきだろう。それが「転禍為福(災い転じて福となす)」の道だ。
イ・ジョンジェ/中央日報コラムニスト
1つ目、戦いを決めれば「知彼知己」、相手の実力を知らなければいけない。日本は緻密だ。8カ月間も準備した。韓国を叩いても日本の被害が少ない手法を選んだ。その最初が今回のテレビ・スマートフォン・半導体用素材の事実上の輸出禁止だ。政府の「箝口令」で企業が口をかたく閉じているため正確な規模を算出するのは難しいが、概略、日本より30倍以上も韓国の被害が大きいというのが定説だ。こういうものが100個ほど準備されているという。
さらに良くないのは日本には勝利の記憶があることだ。遠くは庚戌国恥、近くは1997年の通貨危機だ。22年前、日本は米国のドル空襲に乗って韓国の不渡りを煽った。真っ先に資金を回収し、債券の満期延長を拒否した。どうすれば韓国を追い込むことができるのかを日本は知っている。日本円は基軸通貨であり、精密化学・素材技術は100年の歴史を誇る。あらゆる特許で重武装し、代替が難しい。企業と政府は協調し、同盟や国際世論戦にも強い。
一方、韓国政府は「まさか」と思いながらやられた。対応は世界貿易機関(WTO)提訴と輸入多角化が全部だ。それも容易ではない。運よく勝ったとしても2、3年後だ。すでに韓国を代表する商品の価値が落ちた後だ。あれこれ考えると全面戦争はできない。壮烈な戦死を覚悟した場合に限って使える選択肢だ。
2つ目、最上は「不戦而勝(戦わずして勝つ)」、和解だ。国益のためならできないことはない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が安倍首相を訪ねて数日間「一人飯」をすることもできる。すでに経験もある。中国では小中華を自負して腰を低くし、米国の「股をくぐり」(金慶洙慶南知事)、北朝鮮の暴言に耐えた。しかし可能性はゼロだ。文大統領は「日本の指導者が(徴用問題を)政治争点化するのは賢明な姿勢でない」と指摘し、「韓日間に問題がなかったことがあったのか」と問い返した。福島水産物紛争で勝利すると、政府対応チームを青瓦台(チョンワデ、大統領府)に呼んで称えた。立場を変えてみれば、火がついた家を煽る姿だ。これだから度量の狭い日本が「無視された」と感じる。寛大に和解の手を文大統領が先に出すべきというのは不可能な注文なのか。ひょっとすると韓国の大統領も国益より票計算が先なのか。
3つ目、本当に難しければ手を引くのがよい。「走為上(逃げるが勝ち)」だ。遠くを眺めれば第三の選択肢もある。韓日自由貿易協定(FTA)だ。韓日FTAは1998年に日本を訪問した金大中(キム・デジュン)元大統領が最初に言及した。当時経済首席秘書官を務めた故康奉均(カン・ボンギュン)長官は「金大中大統領は『21世紀の新韓日パートナーシップ計画』の冒頭で韓日FTAに言及した」とし「盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領も積極的に推進した」と述べた。康元長官は生前、口癖のように「韓日関係が難しい時ほど経済に答えを見いださなければいけない」と話していた。「親日派論争から自由」であるため「左派政権が有利」とも言った。経済が強く結ばれていれば政治・外交・安保・歴史の台風にも耐えることができる。中国と連結すれば金大中元大統領の念願の「韓日中FTA北東アジア平和繁栄論」を完成することができる。
2国間交渉が負担になるのなら代案もある。ちょうど環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)が昨年発効した。韓国がCPTPPに加入すれば日本とFTAを結ぶ効果を得ることができる。長く見ると韓日は共に進まなければいけない。覇権国家に成長した中国を単独で相手にすることはできない。この機会に北東アジアの未来の大きい絵を描くべきだろう。それが「転禍為福(災い転じて福となす)」の道だ。
イ・ジョンジェ/中央日報コラムニスト
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