▼朴泰鎬=韓日関係が悪い状況で韓国がCPTPP加入を申請する場合、日本政府が反対するだろうという日本メディアの報道があった。だが、必ずしもそうではないと考える。(主要加入国の)カナダ・オーストラリア・ニュージーランドは世界9位の貿易国である韓国の加入を望んでいる。日本も政治的な理由で反対しないだろう。
▼洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)韓半島平和作り理事長=2011年東日本大震災が起きた時、多くの日本企業が慶尚南道昌原(キョンサンナムド・チャンウォン)の近くに工場を移転させたり、韓国の自動車部品を買っていこうとしたりする動きがあった。エンジニアリング技術に優れ、安く作れ、電気料金が安く、地震がないという点で韓国が代替地に浮上したのだ。そうした点を勘案すると、CPTPPの加入が自動車部品メーカーに機会になりえると考える。
▼崔炳鎰(チェ・ビョンイル)韓国国際経済学会会長=最近になって中国が日本に対してCPTPP加入の可能性を探っているという話が聞こえる。米中貿易戦争の渦中に戦略的にプラットホームを探していることだ。そのような議論が韓国ではないということが問題だ。
▼申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使=日本が強制徴用問題に関連して一種の報復措置、対抗措置を出したが、これに対して討論すればよい。対象品目は3つの物質だが、2つは半導体関連、もう1つは有機発光ダイオード(OLED)に関連したものだ。今まで韓国企業に輸出する時に包括的に承認をしていたものをこれからは個別手続きを踏むようにし、手続きは90日ほど要するという。操業にかなり支障が出るのではないかと懸念される状況だ。
▼徐錫崇(ソ・ソクスン)日本経済協会副会長=この措置は日本が突然出したものでなく、強制動員に関する大法院の判決が下された後の昨年11月から経済産業省が対応カードとして検討したもの等だ。韓国は『日本がまさかそこまでするだろうか』という希望的思考が支配した。これで終わりではなく、他の措置を連発するかもしれない状況なので、慎重に気を付ける必要がある。ヒラメなどの水産物検疫強化はすでに始まっている。精密化学分野などの製品生産は日本企業が保有した特許を避けていくのは難しいが、日本が技術障壁を高めれば厳しい状況になる。万一、日本の韓国投資企業が撤退し始めれば失業者の量産と関連企業の経営難につながりかねない。
▼パク・サンギュSKネットワークス社長=グループ内でも何度か議論があったが、まさか日本はそうしないだろうと予想した。日本も韓国産半導体依存度が高い状態で貿易報復措置をするのは納得しがたい。
▼朴泰鎬=日本側は与えていた恩恵をなくしたことは何の問題もないと主張するかもしれないが、必ずしもそうではない。制度に誤りがなくても特定国家だけが被害を受ける状況なら「非違反申立(non violation complaint)」が可能だ。韓国が正面対抗措置をする前に、今回の措置が国際規範に外れるということを日本側に周知させなければならない。
▼徐錫崇=国際規範違反になりえるという議論はできるが、その間にも企業には実質的な被害が発生し続ける。現在では代案がないためだ。
▼姜昌一(カン・チャンイル)議員(共に民主党)=韓国政府も日本の対抗措置を考えながら5~6カ月準備してきた。韓国が成長し、かつてのように日本に従属した経済状況ではない。韓国だけが損をするのではなく、日本も損をすることになり、無茶はできないだろう。これからは最悪の状況を解決することが残っている。両国の経済界が立ち上がってこそ両国政府に圧迫になるだろう。
▼イ・ジェミン・ソウル大学法学専門大学院教授=日本は内容が精巧で事実上の輸出規制に次ぐ措置を出した。最近のさまざまな紛争の流れから見るとき、韓国が決心すればWTO紛争と攻防につながりかねない。日本もかなり負担を感じるだろう。
▼柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交長官=時点から見る時、今月の参議院選挙を意識して措置を出したようだ。今年5月1日から始まった強制徴用被害者側の日本企業の韓国内資産現金化措置が表面化し、今後問題になるだろうことを念頭に置いたものだ。日本が直ちに輸出を制約するというよりは、韓国政府が現金化に関連して何ら措置を取らないことに警告を発したものだといえる。韓国政府がいかなる代案も提示しない中で、実際に現金化が行われれば日本もアクションを起こすほかない。さらに手遅れになる前に具体的な代案を出して日本側と対話しなければならない。
▼李元徳(イ・ウォンドク)国民大学教授=時限爆弾は現金化だ。政府が被害者側と協議をして現金化を停止させなければ状況は手の施しようがなくなる。日本政府や自民党は、先月韓国政府が提案した韓日企業の自発的拠出を通した救済案に対しては『ジェスチャーにすぎない措置を出しただけで、誠意はない』と見ている。現金化を停止した状態で、基金化に関する推進主体を設けて被害者および該当企業と話し合いを急いで進展させなければならない。
▼申ガク秀=果たして被害者を説得して現金化を止めることができるかどうか疑問だ。韓日企業共同拠出案では難しい。韓国政府が抜けた案ではこの事案を引っ張っていくことはできない。両国政府が折衝して立場を作るべきだが、韓国政府が抜ければ日本政府を満足させるいかなる根拠もない。
▼梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会(ソンゴンフェ)大学教授=被害者の立場から見ると、判決は日本企業に賠償を命じるものなのに、どうして韓国政府や企業が入ってくるのかと考え、受け入れない可能性がある。結論は日本企業が入ってこなければならないということだ。(両国政府が)日本企業の自発的参加をどのように絶妙に持っていくかかがカギではないだろうかと思う。
◆韓日ビジョンフォーラム
韓日関係改善のための実質的かつ戦略的な解決方法を見いだすために元外交官および経済界・学界・言論界の専門家16人が結成したフォーラム。洪錫ヒョン韓半島平和構築理事が代表を、申ガク秀元駐日大使が運営委員長を務める。
<危機の韓日関係、連続診断6>「まさか報復?」…韓国の希望的思考の虚をついた日本の半導体規制(1)
▼洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)韓半島平和作り理事長=2011年東日本大震災が起きた時、多くの日本企業が慶尚南道昌原(キョンサンナムド・チャンウォン)の近くに工場を移転させたり、韓国の自動車部品を買っていこうとしたりする動きがあった。エンジニアリング技術に優れ、安く作れ、電気料金が安く、地震がないという点で韓国が代替地に浮上したのだ。そうした点を勘案すると、CPTPPの加入が自動車部品メーカーに機会になりえると考える。
▼崔炳鎰(チェ・ビョンイル)韓国国際経済学会会長=最近になって中国が日本に対してCPTPP加入の可能性を探っているという話が聞こえる。米中貿易戦争の渦中に戦略的にプラットホームを探していることだ。そのような議論が韓国ではないということが問題だ。
▼申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使=日本が強制徴用問題に関連して一種の報復措置、対抗措置を出したが、これに対して討論すればよい。対象品目は3つの物質だが、2つは半導体関連、もう1つは有機発光ダイオード(OLED)に関連したものだ。今まで韓国企業に輸出する時に包括的に承認をしていたものをこれからは個別手続きを踏むようにし、手続きは90日ほど要するという。操業にかなり支障が出るのではないかと懸念される状況だ。
▼徐錫崇(ソ・ソクスン)日本経済協会副会長=この措置は日本が突然出したものでなく、強制動員に関する大法院の判決が下された後の昨年11月から経済産業省が対応カードとして検討したもの等だ。韓国は『日本がまさかそこまでするだろうか』という希望的思考が支配した。これで終わりではなく、他の措置を連発するかもしれない状況なので、慎重に気を付ける必要がある。ヒラメなどの水産物検疫強化はすでに始まっている。精密化学分野などの製品生産は日本企業が保有した特許を避けていくのは難しいが、日本が技術障壁を高めれば厳しい状況になる。万一、日本の韓国投資企業が撤退し始めれば失業者の量産と関連企業の経営難につながりかねない。
▼パク・サンギュSKネットワークス社長=グループ内でも何度か議論があったが、まさか日本はそうしないだろうと予想した。日本も韓国産半導体依存度が高い状態で貿易報復措置をするのは納得しがたい。
▼朴泰鎬=日本側は与えていた恩恵をなくしたことは何の問題もないと主張するかもしれないが、必ずしもそうではない。制度に誤りがなくても特定国家だけが被害を受ける状況なら「非違反申立(non violation complaint)」が可能だ。韓国が正面対抗措置をする前に、今回の措置が国際規範に外れるということを日本側に周知させなければならない。
▼徐錫崇=国際規範違反になりえるという議論はできるが、その間にも企業には実質的な被害が発生し続ける。現在では代案がないためだ。
▼姜昌一(カン・チャンイル)議員(共に民主党)=韓国政府も日本の対抗措置を考えながら5~6カ月準備してきた。韓国が成長し、かつてのように日本に従属した経済状況ではない。韓国だけが損をするのではなく、日本も損をすることになり、無茶はできないだろう。これからは最悪の状況を解決することが残っている。両国の経済界が立ち上がってこそ両国政府に圧迫になるだろう。
▼イ・ジェミン・ソウル大学法学専門大学院教授=日本は内容が精巧で事実上の輸出規制に次ぐ措置を出した。最近のさまざまな紛争の流れから見るとき、韓国が決心すればWTO紛争と攻防につながりかねない。日本もかなり負担を感じるだろう。
▼柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交長官=時点から見る時、今月の参議院選挙を意識して措置を出したようだ。今年5月1日から始まった強制徴用被害者側の日本企業の韓国内資産現金化措置が表面化し、今後問題になるだろうことを念頭に置いたものだ。日本が直ちに輸出を制約するというよりは、韓国政府が現金化に関連して何ら措置を取らないことに警告を発したものだといえる。韓国政府がいかなる代案も提示しない中で、実際に現金化が行われれば日本もアクションを起こすほかない。さらに手遅れになる前に具体的な代案を出して日本側と対話しなければならない。
▼李元徳(イ・ウォンドク)国民大学教授=時限爆弾は現金化だ。政府が被害者側と協議をして現金化を停止させなければ状況は手の施しようがなくなる。日本政府や自民党は、先月韓国政府が提案した韓日企業の自発的拠出を通した救済案に対しては『ジェスチャーにすぎない措置を出しただけで、誠意はない』と見ている。現金化を停止した状態で、基金化に関する推進主体を設けて被害者および該当企業と話し合いを急いで進展させなければならない。
▼申ガク秀=果たして被害者を説得して現金化を止めることができるかどうか疑問だ。韓日企業共同拠出案では難しい。韓国政府が抜けた案ではこの事案を引っ張っていくことはできない。両国政府が折衝して立場を作るべきだが、韓国政府が抜ければ日本政府を満足させるいかなる根拠もない。
▼梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会(ソンゴンフェ)大学教授=被害者の立場から見ると、判決は日本企業に賠償を命じるものなのに、どうして韓国政府や企業が入ってくるのかと考え、受け入れない可能性がある。結論は日本企業が入ってこなければならないということだ。(両国政府が)日本企業の自発的参加をどのように絶妙に持っていくかかがカギではないだろうかと思う。
◆韓日ビジョンフォーラム
韓日関係改善のための実質的かつ戦略的な解決方法を見いだすために元外交官および経済界・学界・言論界の専門家16人が結成したフォーラム。洪錫ヒョン韓半島平和構築理事が代表を、申ガク秀元駐日大使が運営委員長を務める。
<危機の韓日関係、連続診断6>「まさか報復?」…韓国の希望的思考の虚をついた日本の半導体規制(1)
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