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韓国の港に着いた北朝鮮漁民、住民に「携帯電話を貸してほしい」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
15日に江原道江陵(カンヌン)三陟(サムチョク)沖で発見されたと伝えられていた北朝鮮の漁船1隻は、実際には三陟港の防波堤近隣の埠頭で三陟港の住民によって発見されたことが明らかになった。この漁船には軍服姿の北朝鮮住民もいたという。

関係当局によると、15日午前6時50分ごろ発見された北朝鮮漁船は、操業中の漁民の通報という政府当局の発表とは違い、三陟港の住民の通報で最初に確認された。当時、北朝鮮の漁船はいかなる制止も受けず港に入り、埠頭防波堤に停泊したという。

これを初めて発見したのも軍や海洋警察でなく民間人だった。韓国側の漁民がこの船に向かって「どこから来たのか」と尋ねると、北朝鮮住民は「北朝鮮から来た」と答えたという。これを受け、一部の住民は「北の言葉を使う不審な人がいる」と通報した。別の住民はこの漁船から出てきた船員の一部が陸地に降りて、北朝鮮の言葉で「北から来たので携帯電話を貸してほしい」と話した当時の状況を説明した。


住民の通報は直ちに江原(カンウォン)警察庁112状況室に入り、状況要員が三陟警察署状況室と管轄地区隊に知らせた。同時に東海海洋警察三陟派出所に通知され、出動要員が三陟港の防波堤で北朝鮮漁船に船員4人が乗っているのを確認した。

海洋警察は通報を受けてから約40分後の午前7時30分ごろ、三陟港近隣で警備活動中だった50トン級艦艇で北朝鮮漁船を三陟港より保安維持が容易な東海(トンヘ)港に曳航したという。

三陟港埠頭近隣まで北朝鮮漁船が入ってからも軍が認知できなかったことが把握され、軍・警の海岸監視システムに穴が開いたという懸念が強まっている。住民の証言が事実なら、北朝鮮漁船が東海の北方限界線(NLL)を越えて130キロ南側の三陟港埠頭まで入ってくる間、海軍と海洋警察はこれを全く知らなかったということだ。

これに関し韓国合同参謀本部は「当時、海岸監視レーダーで漁船と推定される物体がかすかに探知されたが、監視要員は波が起こした反射波と認識して措置を取らなかった」と説明した。軍当局は海岸監視レーダーの性能改良事業を継続し、海岸監視レーダー監視要員の拡充など対策を用意すると明らかにした。

一方、北朝鮮漁船に乗っていた4人のうち2人は18日、板門店(パンムンジョム)を通じて北側に戻った。残りの2人は亡命の意思を表明し、韓国に残った。船舶は船長の同意を得て廃棄された。



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