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米中貿易戦争で片方に寄るのは致命的敗着(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

米中貿易戦争は実際、「予定された戦争」だった。

中国国務院は1日、『中米経済貿易交渉に対する中国の立場』という白書を発表した。協力に原則があり交渉にもマジノ線があるという点を強調しながら、「対話を望むなら扉を開いておくが、戦おうとするのなら最後まで対抗する」という覚悟を示した。米国も世界貿易機関(WTO)で中国の開発途上国の地位を剥奪し、中国の米国株式市場上場に対する制限を検討すると主張した。必要なら1882年に採択された「中国人排除法」(Chinese Exclusion Act)を連想させる人的交流カードも排除しないなど「力による交渉」戦略は終わらないようだ。

米中貿易戦争に対する中国の態度は数段階を踏んだ。昨年3月に米国が2000億ドルの中国商品に10%の追加関税をかけて貿易摩擦が始まった。中国はこれを「戦争」と見なして対応したが、数カ月後の9月18日に『米中貿易摩擦白書』を出し、速やかに交渉モードに転換した。米国が「描いた虎」でなく「本当の虎」ということを知り、覇権国の米国を相手にするには政策手段が脆弱だったからだ。

しかしトランプ大統領は中国の発展戦略と社会主義存在方式などを問題に取り上げるなど戦線を拡大した。中国もこれ以上退く政治的空間がなくなり「中国の道」を宣言した。4月に中国共産党中央委員会の機関紙「求是」は2013年1月に習近平総書記がした非公開演説「中国特色社会主義の堅持と発展に関する問題」を6年以上も経過した時期に電撃的に公開した。カール・マルクスの「共産党宣言」の写真を共に掲載しながら「中国社会主義の道は歴史の結論であり人民の選択」という政治メッセージを発信した。その後、人民日報と国営メディアは「バラだけ残してトゲだけ与える」米国に対して人民戦争で対応すべきだという論評を連日出した。


米中貿易戦争は実際、「予定された戦争」だった。2001年に米国は中国をWTOに加入させ、社会主義体制を軟性化しようとした。しかし米同時テロが発生すると、すべての力を中東戦線に投入して中国牽制の機会を失った。2007年ごろには「潜在的な敵」として登場した中国をまた抑え込もうと努力したが、米国発金融危機が発生してまたタイミングを逃した。最近、中国は消極的開放と景気浮揚を通じて高度成長を謳歌しながら米国の指導力の空白に付け込んだ。このように見ると、今回の戦争は米国が中国の浮上ペースを落として覇権を強化する時間を確保するためのものだったが、中国もここで引けば「中華民族の偉大な復興」の夢が水の泡になると判断して背水の陣を敷いたのだ。

したがって米中貿易戦争は今後、通貨、エネルギーと資源、標準と規範、体制と制度などあらゆる領域に拡大する可能性が高い。特に米国は同盟国にも中国の新たな脅威に共同対処することを要求する一方、戦線から離脱すれば友邦と見なさないという脅迫もしている。

まず、米国は未来の産業の中枢であり、第5世代通信設備部門で高い技術を保有するファーウェイ(華為技術)に照準を合わせた。ファーウェイのバリューチェーンを断つことができなければ、ビッグデータ・人工知能・ドローン・衛星利用測位システム(GPS)・量子コンピューターを結合した中国の技術崛起に対応するのが難しいという危機認識のためだ。

一方、中国は6月6日、ファーウェイに第5世代移動通信サービス営業許可証を発行し、5G時代を公式的に開いた。その後、中国は速やかな商用化を通じて最小限の経済的相互確証破壊(mutual assured destruction=MAD)の基盤を用意した状態で米国に対する強弱両面戦略を駆使するだろう。

しかし両国は相手を完全に屈服できず、相互依存が深まった状態で休戦を模索するはずだ。そのきっかけは6月末に大阪で開催されるG20(20カ国・地域)首脳会議になるかもしれず、次期米大統領選挙を控えた特定の時点になるかもしれない。このように見ると、現在の局面は休戦を控えて経済領土を拡大するための最後の戦闘と見ることもできる。

問題は休戦以降、米中は直ちに持久戦の準備に入るという点だ。米国はすでに広く形成された米国人の反中世論を背負って自由主義国際秩序への挑戦者である中国という禍根を根絶しようとするだろう。特にサイバーセキュリティーは同盟国の通信システムを保護する核心と見なし、反中戦線を拡大するはずだ。

中国もこの戦争を復碁して未来を準備するだろう。まず、技術の自主化を高度化し、バリューチェーン体系の国内化を模索する一方、レアアース(希土類)のような供給リスク指数が高い鉱物資源の戦略的価値を再点検する。2つ目、「供給側構造改革」を通じて製品と企業の競争力を改善し、内需中心の発展戦略を通じて経済体質を変える国家主導型の構造調整を本格化する。3つ目、創業と教育革新を通じて科学技術人材養成に総力を挙げ、世界が中国に知識財産権の使用料を支払うようにする。4つ目、中国系通信ネットワークに対する米国の報復措置に対して「国家技術安全保障リスト」を作成するなど正面対抗カードを準備する。最後に、ロシア・中央アジアに続いてアフリカ連合(AU)55カ国にもファーウェイ5G網を構築しながら戦略的友軍を確保する。

こうした米中貿易戦争の結果を速断するのは難しい。表面的には米国は基礎技術の優位、覇権活用能力、多様な報復手段を持つのに対し、中国はレアアース輸出制限、米国企業に対する選別的規制、米国債の売却などに政策手段が限られている。しかし中国外務省の報道官が「(米国は)中国の決意と意志を過小評価した」と述べたように、中国指導部の意志と大衆の愛国主義を屈服させるためには米国も莫大な費用と苦痛を伴い、指導力が損なわれるしかない。米国としても決定的な一発がない状態だ。



米中貿易戦争で片方に寄るのは致命的敗着(2)


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