日本の鳩山由紀夫元首相と韓国の洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)韓半島平和作り財団理事長が90分間にわたって対談して互いに知恵を絞った。強制徴用賠償問題をめぐってこれまでになく冷え込んでいる韓日関係の脱出口を探るためだ。対談は、最近『脱大日本主義』の韓国語版出版を契機に訪韓した鳩山氏が13日、洪氏の執務室を訪問したことで実現した。
▼洪錫ヒョン韓半島平和作り財団理事長(以下、洪)=韓日関係が極度の硬直状態に陥っている。28~29日の大阪主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が目の前だ。
▼鳩山由紀夫元首相(以下、鳩山)=文在寅(ムン・ジェイン)大統領がせっかく日本に来られるのだから安倍晋三首相とぜひ会談を実現させていきたい。
▼洪=折しも日本は令和時代が開かれた。日本が最も近い国・韓国との友好的姿を示すことも重要なことではないかと思う。
▼鳩山=おっしゃる通り令和時代が開かれ、日本は新たな気持ちで新たな時代を迎えている。冷え込んだ韓日関係も指導者が頻繁に会って対話することが重要だ。
▼洪=懸案は強制徴用賠償問題だと考える。韓国では大法院の賠償判決が下されたが、三権分立があり大統領もこれを否定することは難しい。事実、強制徴用については、1965年韓日協定以降、韓国政府から若干の補償はあったが充分ではなかった。2005年盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代にも韓国政府次元で賠償措置があった。今の結果をおいて見ると、過去の行政府の措置と今の司法府判定が相反する点がある。どうにかして解決方法を探る努力をしなければならない。G20でなんとかして一歩前に進むことが両国友好を増進する道だ。
▼鳩山=過去の経緯から思い返す必要がある。1991年、柳井俊二当時外務省条約局長が日韓請求権協定を通じてすべての問題が解決されたわけではないと発言した。特に、個人レベルの請求権は残っていると話した。このため、韓国側が解決済みのことを蒸しかえしたことをけしからんという日本側の考え方は柳井局長の発言とは異なる。それなら冷静に落としどころを探らなければならない。韓国国会議員の中には大法院の賠償判決に関連して、日本企業が自発的に一部賠償するものの(日韓協定の恩恵を受けた)韓国企業が賠償に参加しようという提案をする人もいる。一つの現実的な案だ。
▼洪=両国政府が解決する意志さえ持てば、専門家がさまざまな腹案を出すことができる。ただ、大法院の判決を無視して進めることはできないので、互いに少しずつ譲歩しなければならない。韓国側では日本政府に問題を前向きに解決していくという意思を示してそこに呼応する返事をし、日本政府もG20会談にうまくつなげていくことができれば、この問題を賢明に解いていけると考える。日本はかなり激昂していると聞いた。
▼鳩山=それは政府レベルの問題だが、日本人が依然として憧れる韓流を戦略的に活用するのはどうか。民間レベルでの好感度が高まれば政治的問題は解決しないわけにはいかないというムードが高まると思う。
▼洪=文化を通した交流拡大も必要だ。アジアスーパーグリッド構築も然り、韓日中大学キャンパスの共同構築も然り、ドイツ・フランスのように若者たちの交流を広めていく努力が重要だ。
▼鳩山=その通りだ。若者たちが国境を越えて自由に学習する環境を提供することは、将来に良い影響を与えることができると考える。アジアスーパーグリッドにモンゴル・ロシアまで参加すれば、北東アジアの平和構築にも資する。
▼洪=鳩山氏はそのような構想を「東アジア不戦共同体」に入れてきた。長期的に北朝鮮を参加させるべきではないか。
▼鳩山=当初は難しいだろうと思った。ところが南北に続いて米朝首脳会談が開かれたことで北朝鮮が今では韓半島(朝鮮半島)の非核化に前向きに対応するようになったと考える。文在寅・トランプ大統領のおかげだ。平昌(ピョンチャン)に続き、来年の東京オリンピック(五輪)のようなスポーツ祭典を通じて、北朝鮮と信頼関係を強化していくプロセスを経ながら、北朝鮮を次第に不戦共同体に引き込んでいく努力が必要だ。
▼洪=不戦共同体の第一歩は、経済共同体として出発するべきだと考える。そうした点で、(鳩山元首相が12日の)延世(ヨンセ)大学での講演でも紹介されたように、中国も東アジア共同体に関心を寄せいていると考える。中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設した時、米国もこの機構に参加して支配構造を西欧体制に合わせるのが有利だという議論があったと聞いている。だが、米中貿易戦争の激化で東アジア経済共同体構想の先行きが暗くなった。
文-安倍、G20サミットで件なく会って虚心坦懐に意見交換を(2)
▼洪錫ヒョン韓半島平和作り財団理事長(以下、洪)=韓日関係が極度の硬直状態に陥っている。28~29日の大阪主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が目の前だ。
▼鳩山由紀夫元首相(以下、鳩山)=文在寅(ムン・ジェイン)大統領がせっかく日本に来られるのだから安倍晋三首相とぜひ会談を実現させていきたい。
▼洪=折しも日本は令和時代が開かれた。日本が最も近い国・韓国との友好的姿を示すことも重要なことではないかと思う。
▼鳩山=おっしゃる通り令和時代が開かれ、日本は新たな気持ちで新たな時代を迎えている。冷え込んだ韓日関係も指導者が頻繁に会って対話することが重要だ。
▼洪=懸案は強制徴用賠償問題だと考える。韓国では大法院の賠償判決が下されたが、三権分立があり大統領もこれを否定することは難しい。事実、強制徴用については、1965年韓日協定以降、韓国政府から若干の補償はあったが充分ではなかった。2005年盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代にも韓国政府次元で賠償措置があった。今の結果をおいて見ると、過去の行政府の措置と今の司法府判定が相反する点がある。どうにかして解決方法を探る努力をしなければならない。G20でなんとかして一歩前に進むことが両国友好を増進する道だ。
▼鳩山=過去の経緯から思い返す必要がある。1991年、柳井俊二当時外務省条約局長が日韓請求権協定を通じてすべての問題が解決されたわけではないと発言した。特に、個人レベルの請求権は残っていると話した。このため、韓国側が解決済みのことを蒸しかえしたことをけしからんという日本側の考え方は柳井局長の発言とは異なる。それなら冷静に落としどころを探らなければならない。韓国国会議員の中には大法院の賠償判決に関連して、日本企業が自発的に一部賠償するものの(日韓協定の恩恵を受けた)韓国企業が賠償に参加しようという提案をする人もいる。一つの現実的な案だ。
▼洪=両国政府が解決する意志さえ持てば、専門家がさまざまな腹案を出すことができる。ただ、大法院の判決を無視して進めることはできないので、互いに少しずつ譲歩しなければならない。韓国側では日本政府に問題を前向きに解決していくという意思を示してそこに呼応する返事をし、日本政府もG20会談にうまくつなげていくことができれば、この問題を賢明に解いていけると考える。日本はかなり激昂していると聞いた。
▼鳩山=それは政府レベルの問題だが、日本人が依然として憧れる韓流を戦略的に活用するのはどうか。民間レベルでの好感度が高まれば政治的問題は解決しないわけにはいかないというムードが高まると思う。
▼洪=文化を通した交流拡大も必要だ。アジアスーパーグリッド構築も然り、韓日中大学キャンパスの共同構築も然り、ドイツ・フランスのように若者たちの交流を広めていく努力が重要だ。
▼鳩山=その通りだ。若者たちが国境を越えて自由に学習する環境を提供することは、将来に良い影響を与えることができると考える。アジアスーパーグリッドにモンゴル・ロシアまで参加すれば、北東アジアの平和構築にも資する。
▼洪=鳩山氏はそのような構想を「東アジア不戦共同体」に入れてきた。長期的に北朝鮮を参加させるべきではないか。
▼鳩山=当初は難しいだろうと思った。ところが南北に続いて米朝首脳会談が開かれたことで北朝鮮が今では韓半島(朝鮮半島)の非核化に前向きに対応するようになったと考える。文在寅・トランプ大統領のおかげだ。平昌(ピョンチャン)に続き、来年の東京オリンピック(五輪)のようなスポーツ祭典を通じて、北朝鮮と信頼関係を強化していくプロセスを経ながら、北朝鮮を次第に不戦共同体に引き込んでいく努力が必要だ。
▼洪=不戦共同体の第一歩は、経済共同体として出発するべきだと考える。そうした点で、(鳩山元首相が12日の)延世(ヨンセ)大学での講演でも紹介されたように、中国も東アジア共同体に関心を寄せいていると考える。中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設した時、米国もこの機構に参加して支配構造を西欧体制に合わせるのが有利だという議論があったと聞いている。だが、米中貿易戦争の激化で東アジア経済共同体構想の先行きが暗くなった。
文-安倍、G20サミットで件なく会って虚心坦懐に意見交換を(2)
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