「韓日間の政治・外交的対立が経済分野まで広がる最悪の状況を防がなければなりません。そのためには両国の政界だけでなく政府関係者と財界リーダーがどのような形ででも交流を強化しなければなりません」。
専門家らは悪化の一途をたどる韓日関係回復のためには政府と民間がともに参加する「1.5トラック」を構築するのが至急だと口をそろえる。
外交界では政府間交流を1.0トラック、民間交流を2.0トラックとし、官民がともに参加するものを1.5トラックと呼ぶ。政界から始まった対立がこれ以上悪化しないよう企業、学界、元官僚らがともに乗り出すべきとの指摘だ。日本が主導した環太平洋経済連携協定(TPP)に韓国が参加するのも関係改善に向けた代案として言及される。
◇「国交正常化後で関係最悪」
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日本大使は現在の韓日関係について、「国交樹立以降で最悪のようだ」とした。申元大使は、「韓日関係は北朝鮮の核問題など北東アジア安定や2国間経済協力などさまざまな分野で協力を必要とする場合が多いが状況は正反対に進んでいる」と懸念する。
大法院(最高裁)は昨年10月に日本製鉄(旧新日鉄住金)を相手に強制徴用被害者に賠償を命じる判決を下し、大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支院は1月に強制徴用被害者弁護団が申し立てた日本製鉄の韓国内資産差し押さえ申請を承認した。日本政府は韓日請求権協定上の紛争解決手続きである「外交的協議」を韓国政府に要請したが外交部は「日本の要請に応じるか検討中」という立場を出しただけだ。申元大使は「強制徴用問題に対する立場が政府内部で簡単に出ないようだ。韓国政府がまず立場を出す前には両国関係に進展はないだろう」と話した。
国民大学日本学科のパク・チャンゴン教授は「官民がともに参加する1.5トラック協議体などを定例化しネットワークを強化しなければならない。両国閣僚会談、国会議員交流なども活発になされなければならない」と強調した。
◇TPPがテコになるか
仁荷(インハ)大学国際通商学科のチョン・インギョ教授は「韓日関係が政治的なものを超え経済分野にも悪影響を及ぼす可能性がある。国益の観点から韓日問題をどのように解決していくべきかに対する韓国内部の真剣な悩みがなければならない」と話した。チョン教授は「韓国が国際通商分野の世界での位置づけが過去より弱まったのは事実。言い換えれば味方が特にいない」とした。その上で「韓国は政治と経済を分離すべきと話すが、日本では(韓国に打撃を与えるために)経済も一気に行かなければならないという声がある」と強調した。これまで両国間で不文律のように守られた「政経分離」の基調が揺らがないようにしなければならないと指摘される。
延世(ヨンセ)大学経済学部のソン・テユン教授は「中国経済が悪化しており韓中関係も良くない状況で日本との関係まで歪めば韓国の外交的立地はさらに狭まる。経済に困難が近づいた時に通貨スワップなどを通じて支援を受けられるのも日本」と説明した。
一部では経済分野で日本との関係改善に向けTPP加入を「テコ」として活用すべきという話が出ている。TPPは日本、カナダ、オーストラリア、ベトナム、メキシコなど11カ国が参加した多国間自由貿易協定(FTA)だ。韓国は加盟国のうち日本とメキシコを除く9カ国とFTAを締結した。
このため韓国のTPP加入を事実上の韓日FTA締結とする見方が多い。通商当局はTPP加入の意志を公式に明らかにしたことはないが肯定的に検討すべきという気流が強いという。
ただしTPP加入を急げば韓国に不利な条件を受け入れるほかないという指摘もある。梨花(イファ)女子大学国際大学院のチェ・ビョンイル教授は「韓日関係が良くない状況で韓国が加入するといえば日本が無理な加入条件を出すこともできる。『両国がこうした形を続けることはできない』という共感が形成された後にTPP加入を推進するのもひとつの方法」と述べた。
専門家らは悪化の一途をたどる韓日関係回復のためには政府と民間がともに参加する「1.5トラック」を構築するのが至急だと口をそろえる。
外交界では政府間交流を1.0トラック、民間交流を2.0トラックとし、官民がともに参加するものを1.5トラックと呼ぶ。政界から始まった対立がこれ以上悪化しないよう企業、学界、元官僚らがともに乗り出すべきとの指摘だ。日本が主導した環太平洋経済連携協定(TPP)に韓国が参加するのも関係改善に向けた代案として言及される。
◇「国交正常化後で関係最悪」
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日本大使は現在の韓日関係について、「国交樹立以降で最悪のようだ」とした。申元大使は、「韓日関係は北朝鮮の核問題など北東アジア安定や2国間経済協力などさまざまな分野で協力を必要とする場合が多いが状況は正反対に進んでいる」と懸念する。
大法院(最高裁)は昨年10月に日本製鉄(旧新日鉄住金)を相手に強制徴用被害者に賠償を命じる判決を下し、大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支院は1月に強制徴用被害者弁護団が申し立てた日本製鉄の韓国内資産差し押さえ申請を承認した。日本政府は韓日請求権協定上の紛争解決手続きである「外交的協議」を韓国政府に要請したが外交部は「日本の要請に応じるか検討中」という立場を出しただけだ。申元大使は「強制徴用問題に対する立場が政府内部で簡単に出ないようだ。韓国政府がまず立場を出す前には両国関係に進展はないだろう」と話した。
国民大学日本学科のパク・チャンゴン教授は「官民がともに参加する1.5トラック協議体などを定例化しネットワークを強化しなければならない。両国閣僚会談、国会議員交流なども活発になされなければならない」と強調した。
◇TPPがテコになるか
仁荷(インハ)大学国際通商学科のチョン・インギョ教授は「韓日関係が政治的なものを超え経済分野にも悪影響を及ぼす可能性がある。国益の観点から韓日問題をどのように解決していくべきかに対する韓国内部の真剣な悩みがなければならない」と話した。チョン教授は「韓国が国際通商分野の世界での位置づけが過去より弱まったのは事実。言い換えれば味方が特にいない」とした。その上で「韓国は政治と経済を分離すべきと話すが、日本では(韓国に打撃を与えるために)経済も一気に行かなければならないという声がある」と強調した。これまで両国間で不文律のように守られた「政経分離」の基調が揺らがないようにしなければならないと指摘される。
延世(ヨンセ)大学経済学部のソン・テユン教授は「中国経済が悪化しており韓中関係も良くない状況で日本との関係まで歪めば韓国の外交的立地はさらに狭まる。経済に困難が近づいた時に通貨スワップなどを通じて支援を受けられるのも日本」と説明した。
一部では経済分野で日本との関係改善に向けTPP加入を「テコ」として活用すべきという話が出ている。TPPは日本、カナダ、オーストラリア、ベトナム、メキシコなど11カ国が参加した多国間自由貿易協定(FTA)だ。韓国は加盟国のうち日本とメキシコを除く9カ国とFTAを締結した。
このため韓国のTPP加入を事実上の韓日FTA締結とする見方が多い。通商当局はTPP加入の意志を公式に明らかにしたことはないが肯定的に検討すべきという気流が強いという。
ただしTPP加入を急げば韓国に不利な条件を受け入れるほかないという指摘もある。梨花(イファ)女子大学国際大学院のチェ・ビョンイル教授は「韓日関係が良くない状況で韓国が加入するといえば日本が無理な加入条件を出すこともできる。『両国がこうした形を続けることはできない』という共感が形成された後にTPP加入を推進するのもひとつの方法」と述べた。
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