ソウルに住むパクさん(59)は1990年代、刺身料理屋でコック長だった。その時には1カ月に250万~300万ウォンの収入があった。仕事を終えて酒をたくさん飲む習慣が続きながらいつのまにかほぼアルコール中毒になった。コック長の仕事を続けることはできなかった。その後にも酒に陥り、まともな職場に就くことができなかった。20年間工事現場を転々とした。日給10万ウォンで、1カ月に200万ウォンも稼ぐことができなかった。昨年4月、体の調子が悪くてこれさえできなくなった。その後、ソウル市自活勤労事業をして月65万~70万ウォンの収入を得たが、昨年末やめた。失業給与を申請し、ホームレス憩いの場で寝泊まりしている。
パクさんは「一時中産層だったが、今は下層中下層」と話す。彼は強制でも国民年金保険料を出す機会がなかった。ちゃんとした会社に勤めていれば加入が義務付けられたはずだ。そうすると最大5年を繰り上げて受ける早期老齢年金でも申請することができたはずだが、それもできなくなった。取材陣が基礎年金を説明すると、「65歳になれば受けることができるようだ」と反問した。彼は「国民年金に加入できない時、説明をしてくれれば良かったものを」と残念な心境を吐露した。
彼は独りぼっちだ。結婚ができず、アルコール中毒がひどくなり両親・兄弟とも連絡が切れた。国民年金や退職年金のような基本的な社会安全網の保護を受けることができないのみならず「家族安全網」もない。建設装備事業家出身のチョン・テスクさん(65)も事業失敗後、タクシー運転手、日雇い労働者として働いたが、国民年金にまともに加入できず「年金の死角地帯」に置かれている。
中央日報が会った「墜落した5060中産層」の24人は下に落ちる前に社会安全網が支えた場合がほとんどなかった。5人だけが国民年金の受給者だが、年金が最低月20万ウォン(約2万円)、最高100万ウォンだった。460万人の国民年金受給者の平均年金額は約40万ウォンだ。
夫婦の老後に必要な最低生活費176万ウォン(1人108万ウォン、国民年金研究院資料)にはるかに及ばなかった。80万ウォンの年金を受けるチェさん(63)は「年金で足りなくて夫婦が働かなければならない」と話した。年金年齢(満62歳)になっていない人も条件を満たした場合が多くない。ソウル九老区(クログ)に住むイさん(60)は年金受領最小加入期間(10年)を満たすことができなかった。ある人は年金の代わりに一時金で受けて全部使ってしまった。
健康保険も機能していない。疾患の中で椎間板ヘルニアが問題だ。元塾長のイさん(56)は塾をやめた後、借金を返すために日雇い労働をしていたところ椎間板ヘルニアが悪化した。ソウル九老区のイさんは10年前に腰の痛みが始まった。病院費の負担で開業医から注射を打って持ちこたえた。夜間にタクシー運転を6年間したところ、さらに悪くなった。治療時期を逃がして足のマヒ症状が発生してから手術した。
失業給与は評価が分かれている。ファンさん(56)は「頼もしい」と話した。チェさん(58)は「少ないが、再就職の踏み台になる」と言った。だが、ユさん(57)は「焼け石に水」と話した。金額が少なく期間が短いという意味だ。
「墜落中産層」は雇用のあっ旋に不満が多い。キム・スンチョルさん(61)は「雇用センター・区庁で働き口をあっ旋するが、実効性に欠ける。条件に見合った職場ではない」と話す。チョン・テスクさんは「お金(失業給与)で受けるのは限界がある。ちゃんとした職場あっ旋や教育が必要だ」と話した。「墜落中産層」は宝くじに当たらない限り、中産層への回復が不可能だと思っている。クさん(74)は「私よりも子供・孫の世代が心配だ。私はせめて中産層を経験したが、彼らはできないと思う」と話した。
パクさんは「一時中産層だったが、今は下層中下層」と話す。彼は強制でも国民年金保険料を出す機会がなかった。ちゃんとした会社に勤めていれば加入が義務付けられたはずだ。そうすると最大5年を繰り上げて受ける早期老齢年金でも申請することができたはずだが、それもできなくなった。取材陣が基礎年金を説明すると、「65歳になれば受けることができるようだ」と反問した。彼は「国民年金に加入できない時、説明をしてくれれば良かったものを」と残念な心境を吐露した。
彼は独りぼっちだ。結婚ができず、アルコール中毒がひどくなり両親・兄弟とも連絡が切れた。国民年金や退職年金のような基本的な社会安全網の保護を受けることができないのみならず「家族安全網」もない。建設装備事業家出身のチョン・テスクさん(65)も事業失敗後、タクシー運転手、日雇い労働者として働いたが、国民年金にまともに加入できず「年金の死角地帯」に置かれている。
中央日報が会った「墜落した5060中産層」の24人は下に落ちる前に社会安全網が支えた場合がほとんどなかった。5人だけが国民年金の受給者だが、年金が最低月20万ウォン(約2万円)、最高100万ウォンだった。460万人の国民年金受給者の平均年金額は約40万ウォンだ。
夫婦の老後に必要な最低生活費176万ウォン(1人108万ウォン、国民年金研究院資料)にはるかに及ばなかった。80万ウォンの年金を受けるチェさん(63)は「年金で足りなくて夫婦が働かなければならない」と話した。年金年齢(満62歳)になっていない人も条件を満たした場合が多くない。ソウル九老区(クログ)に住むイさん(60)は年金受領最小加入期間(10年)を満たすことができなかった。ある人は年金の代わりに一時金で受けて全部使ってしまった。
健康保険も機能していない。疾患の中で椎間板ヘルニアが問題だ。元塾長のイさん(56)は塾をやめた後、借金を返すために日雇い労働をしていたところ椎間板ヘルニアが悪化した。ソウル九老区のイさんは10年前に腰の痛みが始まった。病院費の負担で開業医から注射を打って持ちこたえた。夜間にタクシー運転を6年間したところ、さらに悪くなった。治療時期を逃がして足のマヒ症状が発生してから手術した。
失業給与は評価が分かれている。ファンさん(56)は「頼もしい」と話した。チェさん(58)は「少ないが、再就職の踏み台になる」と言った。だが、ユさん(57)は「焼け石に水」と話した。金額が少なく期間が短いという意味だ。
「墜落中産層」は雇用のあっ旋に不満が多い。キム・スンチョルさん(61)は「雇用センター・区庁で働き口をあっ旋するが、実効性に欠ける。条件に見合った職場ではない」と話す。チョン・テスクさんは「お金(失業給与)で受けるのは限界がある。ちゃんとした職場あっ旋や教育が必要だ」と話した。「墜落中産層」は宝くじに当たらない限り、中産層への回復が不可能だと思っている。クさん(74)は「私よりも子供・孫の世代が心配だ。私はせめて中産層を経験したが、彼らはできないと思う」と話した。
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