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【コラム】哨戒機問題、国内の世論がすべてではない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
戦闘で勝利したからといって戦争で必ず勝利するのではない。戦闘で勝っても戦争では負けることが少なくない。現在、韓日間で生じている、いわゆる哨戒機問題がそうだ。

当初、国防部の対応は「ローキー」だった。水面下で日本に誠実に説明すればよいと考えた。ところが日本側は断固攻勢に出た。「レーダーを照射した」(日本)→「哨戒機が威嚇飛行した」(韓国)、「レーダー探知音を公開する」(日本)→「日時、防衛、周波数の特性すべて公開すべき」(韓国)、いわゆるレーダー探知音を公開(日本)→「正体不明の機械音」(韓国)と応戦が続いた。

軍の立場では日本の主張に反論するのが世論戦だった。そのままにすれば声の大きい人が勝つため断ち切る必要があったのだ。世論戦は政務的には非常に重要だ。韓日関係を消極的に扱って世論の袋叩きにあうことが多かったからだ。世論管理の失敗による政治的な負担はそのまま青瓦台(チョンワデ、大統領府)に向かう。ところがこうした国内世論戦は実際、それほど難しくはない。軍の発表が何であれ、国民感情はこれを信じて日本を非難する姿勢になっている。


しかし国内で世論の支持を受けて国内の戦闘で勝つとしても問題は解決しない。日本は韓国の世論を相手にするのではないからだ。日本が攻撃的、公開的、執拗に出たのは国際社会と米国に向けてだ。

まず、日本が韓国軍との葛藤をめぐり国際社会に審判してほしいとイシュー化する時、その前提は同等な軍対軍の関係で判断してほしいということになる。ところが日本は太平洋戦争を起こし、米軍戦争捕虜を斬首し、女性を軍人の性的奴隷とした戦犯国家だった。このため正式な軍隊を持つことができず、今でも「自衛隊」だ。このような状況で韓日間の軍事的葛藤を浮き彫りにするほど、自衛隊という言葉に少しでも残っていた過去の跡を消す効果を得る。

2つ目、折しも日本が問題にする韓国海軍の駆逐艦は北朝鮮船舶と一緒だった。日本の主張なら、北朝鮮の船には好意的だった韓国の軍艦が日本の軍用機には武器を向けたことになる。これは国際社会で「南北対日本」のフレームとして映る。7日の自民党の内部会議では「韓国軍が国連制裁決議を破って北朝鮮と接触し、日本哨戒機に摘発されたのでは」という主張まで出てきたという。米国が主導する北東アジアの韓米日安保連携から韓国は離脱しているため、日米の連携に進むべきという話と変わらない。

3つ目、安倍政権は在韓米軍の縮小や撤収まで念頭に置いた中長期戦略を立てている可能性がある。トランプ政権は非核化交渉を進める見返りに韓米連合訓練を中断した。北朝鮮が「北朝鮮非核化」の見返りとして要求する「韓半島(朝鮮半島)非核化」には、外交的・軍事的・経済的体制保障がすべて含まれている。外交的体制保障が米朝国交正常化なら、経済的体制保障は対北朝鮮制裁解除だ。軍事的体制保障は在韓米軍の役割の中断だ。

ところが米国の立場では在韓米軍に代わる保険はすでに準備している。玄海灘の向こうに在日米軍がある。安倍政権が韓国軍との葛藤を執拗に提起できた自信は、在韓米軍はなく在日米軍はある未来を眺めたからではないだろうか。

国内の世論を動かして日本を叩けば痛快だ。しかしこれがすべてではない。日本は韓国の世論に臆するような国でないうえ、日本の世論も韓国叩きで結集した。何よりも本当の戦いは韓国の外側で起きている。北東アジアの安保で日本の地位が高まっていて、この過程で日本が韓国を相手に「真実ゲーム」に出たと見なければいけない。

日本との口論に没頭すれば「井の中の蛙」式の認識だ。もっと重要なことは、急変する北東アジア安保で韓国の地位を守ることだ。米国であれ日本であれ北東アジアで韓国は欠かせないと思わせることが、こうした真実ゲーム攻勢を防ぐ根本的な解決法となる。

チェ・ビョンゴン/国際外交安保チーム長



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