先月のコラムで、ウラジミール・プーチン露大統領が「凍結した戦争(frozen war)」という概念を作ったように北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は「凍結した交渉(frozen negotiation)」という概念を作ったという点を指摘した。1カ月が過ぎた今、凍結はさらに深刻になった。10月7日以降、北朝鮮と米国の間に意味のある対話はない。11月に予定されていた会談は関心を集めたが延期され、12月にはスケジュールも決まらなかった。
南北間にはいくつか注目を引くことがあった。非武装地帯(DMZ)内の哨所の破壊、2032年オリンピック(五輪)共同招致の推進などだ。しかし青瓦台(チョンワデ、大統領府)が明らかにしたように金委員長の年内ソウル答礼訪問は実現しないようだ。さらに北朝鮮はまた韓国の軍備増加と軍事訓練を非難し始めた。北朝鮮は普通、交渉プロセスを中断したい時や交渉相手を敵対視しても失うものが少ない時にこうした非難を始める。
なぜこういうことになったのか。今後どうなるのか。私は先月、北朝鮮が事実上、米国から望むものを既に得たと主張した。軍事的脅威を効果的になくし、中国とロシアが緩和して制裁が大きく弱まり、米国大統領との歴史的な最初の首脳会談も無難に終えた。いま北朝鮮は2つのトロフィーを追加で得ることを望んでいる表情だ。一つは平和宣言であり、さらに重要なのは公式的な制裁解除だ。
1カ月前まで北朝鮮は金委員長の威信を守って対外貿易を容易にするため制裁緩和を望むようだった。南北交渉プロセスは制裁とは関係なく盛り上がっていた。しかしこの数週間に行われた韓米高官級協議の結果、対北朝鮮制裁が公式的に解除されなければ、韓国は北朝鮮が強く望む野心的な経済プロジェクトを推進できなくなった。これは重大な変化だ。
北朝鮮はその間、米高官級レベルから制裁緩和の約束を引き出すために力を注いだ。しかし失敗に終わった。さらに金委員長の最側近の崔竜海(チェ・ヨンヘ)までが制裁の対象となり、平壌(ピョンヤン)は怒りを抱いたとみられる。もう北朝鮮は制裁緩和を引き出す唯一の方法がトランプ米大統領を通してという判断をしたのかもしれない。金委員長と私的な関係を維持している人物はトランプ大統領だけであるからだ。
北朝鮮は2回目の首脳会談なくトランプ大統領との直接取引を望むだろう。2回目の会談をすれば、抽象的なシンガポール宣言よりはるかに具体的で北朝鮮を拘束する合意をしなければいけない。平壌の立場では、米大統領の歴史的な最初の北朝鮮訪問でなければ2回目の会談は避けたいところだろう。もちろん2回目の会談の見返りに米国が制裁を緩和するといえば、外国で開催しようという提案を受け入れるかもしれない。
南北関係に冷気が漂う理由も制裁のためだ。北朝鮮がソウル答礼訪問を先延ばしして韓国非難を始めたのをみると計算はすでに終えたようだ。少なくとも当分は制裁のためにソウルは平壌に経済的支援ができないということだ。北朝鮮は制裁の封印が解けて韓国の経済的支援を受けることができると判断できなければ、ソウル答礼訪問に特に魅力を感じないだろう。依然として青瓦台はソウル会談に関心が多いが、平壌にはそれほど熱意はないように見える。
【中央時評】2019年は青瓦台に試練の年か(2)
南北間にはいくつか注目を引くことがあった。非武装地帯(DMZ)内の哨所の破壊、2032年オリンピック(五輪)共同招致の推進などだ。しかし青瓦台(チョンワデ、大統領府)が明らかにしたように金委員長の年内ソウル答礼訪問は実現しないようだ。さらに北朝鮮はまた韓国の軍備増加と軍事訓練を非難し始めた。北朝鮮は普通、交渉プロセスを中断したい時や交渉相手を敵対視しても失うものが少ない時にこうした非難を始める。
なぜこういうことになったのか。今後どうなるのか。私は先月、北朝鮮が事実上、米国から望むものを既に得たと主張した。軍事的脅威を効果的になくし、中国とロシアが緩和して制裁が大きく弱まり、米国大統領との歴史的な最初の首脳会談も無難に終えた。いま北朝鮮は2つのトロフィーを追加で得ることを望んでいる表情だ。一つは平和宣言であり、さらに重要なのは公式的な制裁解除だ。
1カ月前まで北朝鮮は金委員長の威信を守って対外貿易を容易にするため制裁緩和を望むようだった。南北交渉プロセスは制裁とは関係なく盛り上がっていた。しかしこの数週間に行われた韓米高官級協議の結果、対北朝鮮制裁が公式的に解除されなければ、韓国は北朝鮮が強く望む野心的な経済プロジェクトを推進できなくなった。これは重大な変化だ。
北朝鮮はその間、米高官級レベルから制裁緩和の約束を引き出すために力を注いだ。しかし失敗に終わった。さらに金委員長の最側近の崔竜海(チェ・ヨンヘ)までが制裁の対象となり、平壌(ピョンヤン)は怒りを抱いたとみられる。もう北朝鮮は制裁緩和を引き出す唯一の方法がトランプ米大統領を通してという判断をしたのかもしれない。金委員長と私的な関係を維持している人物はトランプ大統領だけであるからだ。
北朝鮮は2回目の首脳会談なくトランプ大統領との直接取引を望むだろう。2回目の会談をすれば、抽象的なシンガポール宣言よりはるかに具体的で北朝鮮を拘束する合意をしなければいけない。平壌の立場では、米大統領の歴史的な最初の北朝鮮訪問でなければ2回目の会談は避けたいところだろう。もちろん2回目の会談の見返りに米国が制裁を緩和するといえば、外国で開催しようという提案を受け入れるかもしれない。
南北関係に冷気が漂う理由も制裁のためだ。北朝鮮がソウル答礼訪問を先延ばしして韓国非難を始めたのをみると計算はすでに終えたようだ。少なくとも当分は制裁のためにソウルは平壌に経済的支援ができないということだ。北朝鮮は制裁の封印が解けて韓国の経済的支援を受けることができると判断できなければ、ソウル答礼訪問に特に魅力を感じないだろう。依然として青瓦台はソウル会談に関心が多いが、平壌にはそれほど熱意はないように見える。
【中央時評】2019年は青瓦台に試練の年か(2)
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