(4)「戒厳令文書、セウォル号査察捜査を」
今年の文大統領の言葉のうち最も大きな空振り事件だ。7月10日、青瓦台はインドを訪問中の大統領の指示だとして「ろうそく集会当時に国軍機務司令部が作成した戒厳令検討文書を国防長官の指揮を受けない軍独立捜査団が捜査しなさい。2014年に機務司令部がセウォル号遺族を査察した事件も捜査する必要がある」と発表した。任鍾ソク(イム・ジョンソク)青瓦台秘書室長が大統領の留守中に懸案点検会議を開き、何か大変な危険でも発生したかのように海外にいる文大統領に報告して裁可を受けた。後に明らかになったように、十分な事実把握、法律検討もなかった。極めて軽率だった。主務責任者はチョ・グク民情首席秘書官、発表は金宜謙(キム・ウィギョム)報道官が引き受けた。まず「国防長官の指揮を受けない軍独立捜査団の構成」は憲法(74条、大統領は憲法と法律が定めるところにより国軍を統帥する)と法律(軍事裁判所法38条、国防長官は一般的に検察官を指揮・監督する)違反の疑いがある。任鍾ソク秘書室長の青瓦台秘書会議が大統領に違憲・違法行為をさせたという批判を避けるのは容易でない。
11月7日、戒厳令文書合同捜査団は趙顕千(チョ・ヒョンチョン)元機務司令官を起訴中止するラインで捜査を終えた。4カ月間にわたり総力をあげて捜査したが、容疑を確認することに失敗した。セウォル号査察疑惑はソウル中央地検公安2部が担当したが、李載寿(イ・ジェス)元機務司令官の逮捕状が棄却されたことで事実でない可能性が高まった。むしろ李元司令官の悲痛な死で公安2部が別件・標的捜査をしたという疑いを受けた。これで文在寅政権のトーレードマークである積弊清算捜査の動力は弱まった。
(5)「信じてほしい。正しい国を作る」
12月1日、海外訪問中の文大統領は、特別監察班員の全員交代など相次ぐ青瓦台国基紊乱事件に関してフェイスブックにコメントを載せた。「国内で多くのことが私を待っている。信じてほしい。正しい国を必ず作る」。このコメントを見て人々は大統領が帰国すればチョ・グク民情首席秘書官の更迭を含む厳正な措置を取ると考えた。結果は正反対だった。チョ首席秘書官に大きな力を与えた。「これほど自分勝手な解釈はない」「文大統領の正義と普通の人の正義はこれほど違うのか」という声が相次いだ。更迭されたキム・テウ前特別監察班員が「青瓦台不法民間人査察疑惑」などを相次いで提起すると、任鍾ソク秘書室長、チョ・グク民情首席秘書官、尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官、金宜謙報道官に最高検察庁までが総動員され、彼に「いじめ」をする姿になった。国会国政調査にまでつながる状況だ。
(6)「金正恩委員長、年内答礼訪問の可能性ある」
文大統領は12月1日、アルゼンチンからニュージーランドに向かう機内懇談会で「北の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の年内答礼訪問の可能性が開かれている」と述べた。「9・19平壌(ピョンヤン)共同宣言」6条は金正恩委員長が「近いうちにソウルを訪問することにした」となっている。「近いうちに」が大統領の肉声のために「年内」に特定され、世間はこれを既成事実とするしかなかった。結果的に金正恩委員長は訪問せず、文大統領は嘘のカードを出した格好となった。大韓民国は軽い国ではないため、大統領の言葉も軽薄になってはならない。一度発言したことは守らなければならず、大統領の予測は特別なことがない限り実現されなければいけない。
文大統領の予測が外れたことに関連し、北朝鮮に関する情報提供の義務がある徐薫(ソ・フン)国家情報院長、鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台安保室長、趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官が責任を取らなければいけない。金正恩委員長に3回会い、トランプ大統領と何度も対話をした文大統領が自ら誤認したということでもある。「金正恩委員長は約束を守る指導者」という強く信じる文大統領が「年内訪問」の言葉を聞いてだまされたのかもしれない。
(7)「法王、公式招請状がくれば訪朝」
10月18日、バチカンでローマ法王との会談を終えて出てきた文大統領は「北朝鮮が公式招請状を送れば無条件に応答し、私は行くことができる」というフランシスコ法王の発言を伝えた。当時、大統領に随行した青瓦台参謀は「文大統領が金正恩委員長に法王の訪朝を受け入れるよう説得し、この内容を伝えたが、事実上、法王の受諾があった」と興奮した。2カ月後の12月19日、米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ(VOA)は法王庁の関係者の言葉を引用し、「2019年に法王の北朝鮮訪問はないだろう。海外訪問日程は埋まっている」と報じた。北朝鮮は法王に公式招請状も送らなかった。海外メディアから「金正恩委員長の報道官か」という皮肉まで言われた文大統領の「真面目」な外交がまた滑稽になった。
来年、文在寅政権は任期5年のうち3年目を迎える。誰にも言い訳はできない時期だ。もう疑わしい統治言語はなくならなければいけない。青瓦台、政府部処がより一層の努力をし、「大統領はオオカミ少年」という声が出てこないようにすべきだ。大統領の言葉の価値が守られなければいけない。統治言語は鋭くならなければいけない。
【コラム】金委員長の年内答訪問がはじけ飛ぶ…指導者の言葉が信頼を失うと困る=韓国(1)
今年の文大統領の言葉のうち最も大きな空振り事件だ。7月10日、青瓦台はインドを訪問中の大統領の指示だとして「ろうそく集会当時に国軍機務司令部が作成した戒厳令検討文書を国防長官の指揮を受けない軍独立捜査団が捜査しなさい。2014年に機務司令部がセウォル号遺族を査察した事件も捜査する必要がある」と発表した。任鍾ソク(イム・ジョンソク)青瓦台秘書室長が大統領の留守中に懸案点検会議を開き、何か大変な危険でも発生したかのように海外にいる文大統領に報告して裁可を受けた。後に明らかになったように、十分な事実把握、法律検討もなかった。極めて軽率だった。主務責任者はチョ・グク民情首席秘書官、発表は金宜謙(キム・ウィギョム)報道官が引き受けた。まず「国防長官の指揮を受けない軍独立捜査団の構成」は憲法(74条、大統領は憲法と法律が定めるところにより国軍を統帥する)と法律(軍事裁判所法38条、国防長官は一般的に検察官を指揮・監督する)違反の疑いがある。任鍾ソク秘書室長の青瓦台秘書会議が大統領に違憲・違法行為をさせたという批判を避けるのは容易でない。
11月7日、戒厳令文書合同捜査団は趙顕千(チョ・ヒョンチョン)元機務司令官を起訴中止するラインで捜査を終えた。4カ月間にわたり総力をあげて捜査したが、容疑を確認することに失敗した。セウォル号査察疑惑はソウル中央地検公安2部が担当したが、李載寿(イ・ジェス)元機務司令官の逮捕状が棄却されたことで事実でない可能性が高まった。むしろ李元司令官の悲痛な死で公安2部が別件・標的捜査をしたという疑いを受けた。これで文在寅政権のトーレードマークである積弊清算捜査の動力は弱まった。
(5)「信じてほしい。正しい国を作る」
12月1日、海外訪問中の文大統領は、特別監察班員の全員交代など相次ぐ青瓦台国基紊乱事件に関してフェイスブックにコメントを載せた。「国内で多くのことが私を待っている。信じてほしい。正しい国を必ず作る」。このコメントを見て人々は大統領が帰国すればチョ・グク民情首席秘書官の更迭を含む厳正な措置を取ると考えた。結果は正反対だった。チョ首席秘書官に大きな力を与えた。「これほど自分勝手な解釈はない」「文大統領の正義と普通の人の正義はこれほど違うのか」という声が相次いだ。更迭されたキム・テウ前特別監察班員が「青瓦台不法民間人査察疑惑」などを相次いで提起すると、任鍾ソク秘書室長、チョ・グク民情首席秘書官、尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官、金宜謙報道官に最高検察庁までが総動員され、彼に「いじめ」をする姿になった。国会国政調査にまでつながる状況だ。
(6)「金正恩委員長、年内答礼訪問の可能性ある」
文大統領は12月1日、アルゼンチンからニュージーランドに向かう機内懇談会で「北の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の年内答礼訪問の可能性が開かれている」と述べた。「9・19平壌(ピョンヤン)共同宣言」6条は金正恩委員長が「近いうちにソウルを訪問することにした」となっている。「近いうちに」が大統領の肉声のために「年内」に特定され、世間はこれを既成事実とするしかなかった。結果的に金正恩委員長は訪問せず、文大統領は嘘のカードを出した格好となった。大韓民国は軽い国ではないため、大統領の言葉も軽薄になってはならない。一度発言したことは守らなければならず、大統領の予測は特別なことがない限り実現されなければいけない。
文大統領の予測が外れたことに関連し、北朝鮮に関する情報提供の義務がある徐薫(ソ・フン)国家情報院長、鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台安保室長、趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官が責任を取らなければいけない。金正恩委員長に3回会い、トランプ大統領と何度も対話をした文大統領が自ら誤認したということでもある。「金正恩委員長は約束を守る指導者」という強く信じる文大統領が「年内訪問」の言葉を聞いてだまされたのかもしれない。
(7)「法王、公式招請状がくれば訪朝」
10月18日、バチカンでローマ法王との会談を終えて出てきた文大統領は「北朝鮮が公式招請状を送れば無条件に応答し、私は行くことができる」というフランシスコ法王の発言を伝えた。当時、大統領に随行した青瓦台参謀は「文大統領が金正恩委員長に法王の訪朝を受け入れるよう説得し、この内容を伝えたが、事実上、法王の受諾があった」と興奮した。2カ月後の12月19日、米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ(VOA)は法王庁の関係者の言葉を引用し、「2019年に法王の北朝鮮訪問はないだろう。海外訪問日程は埋まっている」と報じた。北朝鮮は法王に公式招請状も送らなかった。海外メディアから「金正恩委員長の報道官か」という皮肉まで言われた文大統領の「真面目」な外交がまた滑稽になった。
来年、文在寅政権は任期5年のうち3年目を迎える。誰にも言い訳はできない時期だ。もう疑わしい統治言語はなくならなければいけない。青瓦台、政府部処がより一層の努力をし、「大統領はオオカミ少年」という声が出てこないようにすべきだ。大統領の言葉の価値が守られなければいけない。統治言語は鋭くならなければいけない。
【コラム】金委員長の年内答訪問がはじけ飛ぶ…指導者の言葉が信頼を失うと困る=韓国(1)
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