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【コラム】韓国が櫓を漕ぐべき水は韓流だ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
今年の10大ニュースに必ず挙げたい2つのことがある。防弾少年団(BTS)が5月「2018 BillBoard Music Awards(ビルボード・ミュージック・アワード)」で2年連続「トップ・ソーシャル・アーティスト(Top Social Artist)」のトロフィーを受けたことが一つ、朴恒緒(パク・ハンソ)監督が率いるベトナムサッカー代表チームが、今月15日、東南アジア諸国連合(ASEAN)サッカー連盟(AFF)スズキカップで優勝したことが一つだ。BTSはK-POPの新たな領土を征服(米国音楽雑誌『ローリングストーン』の評価)し、朴恒緒監督はベトナム国民1億人にコリアを深く刻印させた。

このような2つのニュースを新たに取り出しながら、手足が多少むず痒い感じはする。ところで考えてみよう。コリアが檀君以来これまで、このように広く知られたことがあっただろうか。それも韓国戦争(朝鮮戦争)や北核ではなく、文化の力で。「文化の力は我々自らを幸せにし、ひいては他人に幸福を与えるためだ」という白凡(ペクボム)金九(キム・グ)先生の言葉がまさにぴったり合う年が2018年だ。

自身に対する過大評価は家系断絶や恥辱のような問題を引き起こしもするが、自身に対する過小評価と無知も病気ではないかと思う。先日、韓国の高校に通う米国ハワイ出身のソモルス・イラナ君(17)に会って彼の韓国生活を取材しながらこのような経験をしたことがある。イラナ君は「BTSの国」に行きたいと思い、K-POPから韓国語を学び、両親の許可を得て韓国に来ることになったと語った。イラナ君が韓国に来る過程で橋の役割を果たした交換学生プログラム運営団体YFUコリアも訪ねた。イン・ソンヨン副会長が「韓国に来たいと思っている海外の生徒はとても多いが、このような生徒たちを受け入れようという韓国の家庭がない」という話を聞いて「本当に?」と問い直した。その時、私が知っているコリアとイラナ君が経験したコリアが同じ国なのかという思いが突然した。あわせて、韓国に来た外国10代についての記事の下に「ヘル(hell)朝鮮になぜ来たの」という書き込みをした人と私は実は五十歩百歩なのではないかと思い、自分を顧みることになった。


K-POPから始まったKカルチャーがYouTubeやSNSという名の馬に乗って新たな土地を征服している。モンゴル帝国が小型の馬で世界を料理したように、韓流は新たな土地を探してなだれ込むように入っていく。韓国に来た外国ティーンエージャーは「You TubeでK-POPに接する」→「字幕で韓国ドラマを見る」→「韓国語学習に挑戦する」→「韓国に来る」という経路を踏んでいる。中央アジアのジョージアに住む10代の女子学生が韓国語能力試験(TOPIK)5級(最高等級は6級)を取って韓国に留学に来ることもある。BTSファンクラブ「ARMY」とツイッターのK-POP翻訳アカウントがK-POPスターの韓国語歌詞を各国言語に翻訳して広めてくれたおかげで、韓国語に好奇心を持つようになった外国10代が独学を経てこの土に訪ねてくる。

このように10代のころに結んだコリアとの縁、コリアのイメージは相当期間続いていくだろう。現在、漢陽(ハンヤン)大学に留学中のフィンランド出身のユリアさん(25)も高校の時に韓国に来て、昨年は友人2人を連れて韓国の大学に留学した。少子化で学生数が減少している韓国の大学にはこれ以上なく大切な存在だ。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月、製造業の実績改善事例を取り出して「水が入ってくるときに櫓を漕げ(機会があるときに躊躇(ちゅうちょ)せずに進めよう)」と言って野党などから批判を受けた。暗鬱な経済事情で今年の年末はひときわ暗いのに、今が水が入ってくるときなのかという非難だった。

それならこのように言い替えたい。櫓を漕ぐべき水は韓流で、水はどんどん流れ込んできているということだ。京畿(キョンギ)大学韓流文化大学院のチョン・ジングク教授は「韓流はますます進化して我々が今まで経験しなかったような領域に入った」と評価した。このように熱い「K熱風」が、ある瞬間冷たくなってしまわないように民間と政府が力を集めなければならない。片方には外交部と文化部、全世界の韓国文化院と教育院を乗せて、もう片方にはKカルチャーを導く産業界グループ、大学、文化系専門家などを乗せて協力して櫓を漕げるようにしよう。このような天佑神助の機会を見逃してはならない。

カン・ホンジュン/中央SUNDAY社会エディター



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