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元駐日大使「韓日関係、最高指導者の決断で破局を防ぐべき」

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

崔相龍元駐日大使は中央SUNDAYのインタビューで「文化交流の活性化で韓日関係の突破口を開くべき」と強調した。

韓日関係が悪化の一途をたどり、両国の外交関係者の間では懸念の声が高まっている。出口が見えない「視界ゼロ」の状態から抜け出し、共生と共存の道に進む解決方法を急いで見いだすべきだという注文も相次いでいる。1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が署名した「金大中・小渕共同宣言」に注目する必要があるという主張もその一つだ。「現存する最高水準の韓日政府間合意」と呼ばれる共同宣言の精神を再確認し、未来に向けて突破口を開こうという趣旨だ。当時の共同宣言に深く関与した崔相龍(チェ・サンヨン)元駐日大使(高麗大名誉教授)に先月29日、韓日関係の望ましい解決方法について尋ねた。

--韓日関係が深刻な危機だ。

「国民感情と国家利益をどうすれば同時にうまく管理できるかが常に課題だ。普通、ツートラックというが、トラックとは線路をいう。2つの路線が並んでいけば衝突してはいけないが、現実はそうではない。外交問題に歴史が入れば善悪の二分法が作動する。歴史の被害者は最後まで道徳的優先権を主張することになり、このような国民感情を管理すれば国家利益を逃すケースが少なくない」


--とはいえ、歴史に背を向けることはできないのでは。

「そうだ。ところが歴史には事実と解釈という二次元の問題が存在する。確認された事実は当然尊重されなければならず、歪曲されてもならない。歴史学者のランケも、確認された史実は神と同じだと言った。それだけ論争の余地はないということだ。問題はその事実に対する解釈から始まる。実際、先進国であれ後進国であれ国史は例外なく『愛国史』だ。このため、お互い自らの解釈が正しいとして争うことになり、大使召還に国交断絶、激しければ戦争にまで進む」

--解決方法はないのか。

「歴史葛藤による外交的な破局を避けるには、確認された事実は共有するものの、解釈の問題ではもう少し寛容にお互いを認める必要がある。これは結局、最高指導者の役割だ。歴史問題と外交問題が絡んでいる場合は大きな枠での選択と決断が必須となる。これは専門官僚には決して任せることができない領域であり、両国の最高指導者だけが可能だ。外交に一方的な勝利はない。お互いを認めて尊重する時、ウィン・ウィンが可能であり、そうしてこそ国民感情と国家利益を同時に管理できる」

--両国の首脳もそうしているのでは。

「レトリックはもう十分だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領もツートラックを話したし、安倍晋三首相も未来志向的な韓日関係を強調している。すべて正しい言葉だ。しかしレトリックにとどまり、実践が伴っていないのが問題だ。そのような状況で最高裁の判決と慰安婦をめぐる論争が続き、状況はさらに悪化している。当分は冷却期が避けられないだろう。その間、両国指導部が現実を振り返りながら責任のある立場を出す必要がある」

崔元大使は「金大中・小渕共同宣言が評価される理由も最高指導者の決断があったため」と強調した。

「当時の共同宣言に基づき、アニメなど日本の大衆文化を開放することにしたが、世論調査では80%が反対という結果が出た。日本も村山談話とは違って加害者と被害者を明示したという点で、自民党と保守層の反発が強かった。しかし『20世紀末に21世紀の新しいパートナーシップを築こう』という両国首脳の意志が非常に強かった。この道だけが韓日関係が未来に進む出口、お互い認め合って平和を実践するのが本当の外交ということに両首脳の認識が一致した」

--日本は共同宣言をどう評価しているのか。

「10月に東京で開催された金大中・小渕共同宣言20周年記念シンポジウムに出席した。安倍首相が祝辞を述べたが、驚いた。安倍首相は『共同宣言の当時は(日本が)あまりにも譲歩するようで反対したが、いま考えてみるとそれが指導者の決断だった。今の難しい課題を乗り越えようとするこのような政治的リーダーシップによる大きな決断が必要だ』と述べた。驚くことに両国の最高指導者が共同宣言を強く支持していた。この接点をうまく生かさなければいけない」

--より実質的な打開策が必要な時期だ。

「状況が難しいほど、大きな葛藤なくできる分野から進めなければいけない。文化交流が代表的な分野だ。文化ほど脱理念化されていて偏見が少ない分野もない。不適切な妄言は過去にもあったし、今でもあり、未来にもあるはずだ。しかしそのような言動がいくら続いても文化交流の綱だけは放してはいけない。最近、防弾少年団(BTS)の公演をめぐる問題があるが、なおさら公演を持続させなければいけない。学界も文化はそれ自体が非軍事的領域であり平和志向的属性を持ち、文化交流を通じて平和を促進できるとみている。2005年の歴史教科書問題当時も700件以上の文化交流で両国関係の脈を維持した」

--望ましい韓日関係のモデルを見いだすには。

「フランスとドイツの関係を参考にできるだろう。両国は歴史的に不倶戴天の敵だったが、今では欧州連合(EU)の2本の軸になった。東アジアの28カ国のうち成熟した民主主義国家は事実上、韓国と日本だけだ。民主主義と市場経済を共有する両国が力を合わせる時、最大のシナジー効果を出すことができる。アジアの中心軸を中国が独占するよりも、韓国と日本がお互い連携する時、韓日中関係もはるかに健全になり、東アジアの競争力もさらに高まる可能性がある」



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