先月16日、慶尚南道昌原のある養蜂場でソ・サンドルさんが外来種のツマアカスズメバチを見ている。
2003年に釜山(プサン)港で初めて見つかったツマアカスズメバチは初期対応に失敗して全国に拡散した。15年過ぎた最近では江原道(カンウォンド)の華川(ファチョン)と楊口(ヤング)など非武装地帯(DMZ)近くでも見つかった。東南アジア原産のツマアカスズメバチはえさの70%がミツバチのため「ミツバチキラー」と呼ばれる。ソさんの養蜂収益はツマアカスズメバチのためにこの数年で半分以上減った。ソさんは「10年ほど前には1~2匹ずつが時々見られたが昨年夏からは1日に1500匹捕まえる時もある。政府やだれかが立ち上がって解決しなければ来年には養蜂農作業を辞めなければならなくなる」とため息をついた。
外来種侵入被害が深刻化している。外来種は生態系の食物連鎖を乱し土着生物の生存を脅かし、各種病原菌を持ち込んだりもする。特に韓国のように貿易が活発な国であるほど外来種流入に弱くなるほかない。韓国に流入した外来生物は2009年の894種から2013年には2167種と毎年急増している。9月にはアカヒアリより毒性が12倍強いというクロゴケグモが流入した事実が初めて確認された。大邱(テグ)のある軍部隊で軍需物資の荷下し過程で発見された。先月にも京畿道安山(キョンギド・アンサン)の半月(パンウォル)工業団地のコンテナからアカヒアリが5900匹見つかった。いずれもコンテナを通じて韓国に流入したという点で外来生物検疫体系が不十分であることが明らかになったとの指摘が出ている。
外来種の侵入にともなう被害が大きくなると環境部は2014年6月に「第1次外来生物管理計画」を出した。生態系を乱す生物を2014年の18種から今年末までに28種に拡大指定するなど外来種管理を強化することにした。生態系を乱す生物に指定されると輸入などをする場合に環境部長官の許可を受けなければならない。だが環境部が5年間に生態系を乱す生物に指定したのはアカヒアリなど3種にすぎない。ツマアカスズメバチも生態系を乱す生物への指定を検討することにした。典型的な手遅れになってから騒ぐ行政だ。
侵入外来種による経済的被害は予想よりはるかに大きい。米国では侵入外来種による被害額と管理費用が年間1380億ドル(約15兆5466億円)と推定される。韓国でもさらに大きな被害を防ぐために外来生物侵入を阻止できる汎政府的なコントロールタワーと対策作りが必要だ。
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