韓国で梨水(イス)駅暴行事件が社会的イシューになった背景には、「化粧をせずに髪の毛が短いという理由だけで暴行を受けた」という14日の青瓦台(チョンワデ、大統領府)国民請願への投稿が決めてになった。「女性2人を無差別暴行した加害男性の身元を明らかにして処罰せよ」という同意が瞬く間に集まり、典型的な「ミソジニー(女性嫌悪)」事件とみなされるようになった。
だが、18日現在の警察の中間捜査結果は「双方暴行」だ。当初、被害者だとされていた女性の暴言映像が出回り、今度は「ミサンドリー(男性嫌悪)」事件という反論も激しくなった。当初は小さな争いで終わるはずだったハプニングが「青瓦台国民請願」というフィルタリングを経て、男女の対決および国民的公憤事件にエスカレートした格好だ。
これに伴い、未確認の一方的な主張だけを乗せっぱなしにして社会的葛藤をあおるような場に転落してしまった青瓦台国民請願に対し、これを機に手を入れるべきだという世論も湧き上がっている。
青瓦台国民請願掲示板は、昨年、文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任100日を迎えてスタートした。「国民と直接疎通する」というのが趣旨だった。「国民が質問すれば政府が答える」をモットーに、2011年米国のオバマ政府が始めた「We the people」を参考にした。昨年8月から今まで34万件余り(一日700件余り)の請願が投稿され、、このうち20万人以上の同意を受けた55件の請願は政府からの回答を引き出した。「直接民主主義の手本」という肯定的な評価とともに、文在寅政府の最高のヒット商品として位置を確立したという分析だ。特に、1963年に制定されて事実上死文化していた「請願法」を復活させたという評価もある。
だが、逆に機能することに対する懸念も大きい。無分別な暴露にさらされているためだ。今年6月に投稿された「大邱(テグ)50代夫婦暴行事件」も、最初は「ある20代の若者が私の50代の両親をいきなり暴行した」という投稿文が「非人間的行為」という非難と共に1日で3万人余りの同意を集めた。だが、警察による調査の結果、50代夫婦が先に若い男性の頬を叩いたことが明らかになり、裁判所も双方暴行だという結論を下した。
信頼性に対する疑問が相次ぐと、直ちに国民請願掲示板にも「分裂を引き起こす請願制度を廃止してほしい」という要請が投稿された。政界も加勢してイ・ジュンソク正しい未来党最高委員は「1年間運営されてきた請願制度が社会の葛藤解消にたった一つでも役立ったのか分からない」とし「評価・改善するべきで、廃止も考慮しなければならない」と主張した。
国会立法調査処も16日、青瓦台国民請願の問題点を指摘する報告書を出した。報告書は現行の青瓦台国民請願が行政府の権限外にある立法権・司法権行使を要求する声が大きく、誤解を招きかねないと指摘した。
代表的なのが「李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長に控訴審で執行猶予を宣告した判事を特別監査しろ」(25万件)は今年2月の請願だ。当時、青瓦台は「請願の内容を大法院に通知した」と答えて三権分立き損問題を自ら招いた。
何よりも青瓦台国民請願にとって重要なのは「集団知性ではなく、嫌悪の空間に転落した」という指摘だ。それだけ特定集団や人物に対する過度な非難が続いているということだ。青瓦台の回答を引き出した掲示文55件のうち23件は「資格剥奪または処罰強化」を要請した。「キム・ボルム-キム・ジウ選手の国家代表資格を剥奪せよ」(61万件)、「羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)議員を平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)委員職から罷免せよ」(36万件)などが代表的だ。キム・ボルム-キム・ジウ選手の資格剥奪請願が投稿された2月には、コ・ミンジョン青瓦台副報道官でさえ「請願掲示板が怒りの排出窓口、人民裁判所になるのではないかという懸念の声もある」と述べた。
自然と嫌悪感情に支えられた請願は青瓦台からの回答必要条件である20万人の同意を軽く超えた。「難民法を廃止せよ」(71万件)、「公共場所で同性愛集会を開催することに反対する」(21万件)等だ。これに対して、檀国(タングク)大学心理学科のイム・ミョンホ教授は「不満を表出することによって政府が仲裁・調停してくれるだろうと期待しているため」と分析した。
このような副作用を防ぐために最初の入口を高めるべきだという指摘がある。外部のSNSアカウントさえあればすぐにログインして請願を投稿できる韓国とは違い、米国の「We the people」は13歳以上に限って電子メールと名前を入力して会員登録手順を踏まなければならない。掲示文を書いたからといってすぐに公開されるわけでもない。電子メールを通じて150人以上の同意を得てこそ請願内容が大衆に向けて公開される。反面、回答の基準はむしろあまり厳しくなく、20万人以上が同意しなければならない青瓦台とは違って「We the people」は10万人以上になれば回答を発表する。
根本的には、青瓦台に集中した権力を弱めてこそ、現在の玉石混淆(ぎょくせきこんこう)状態から脱することができるという診断だ。明智(ミョンジ)大学政治外交学科のキム・ヒョンジュン教授は「青瓦台政府という言葉が公然としたもののように青瓦台が国政運営全般にわたっていちいち介入してきたことが、逆に現在のような過剰請願を招いた」とし「権力分散が『青瓦台国民請願2.0』の出発点になるだろう」と説明した。
だが、18日現在の警察の中間捜査結果は「双方暴行」だ。当初、被害者だとされていた女性の暴言映像が出回り、今度は「ミサンドリー(男性嫌悪)」事件という反論も激しくなった。当初は小さな争いで終わるはずだったハプニングが「青瓦台国民請願」というフィルタリングを経て、男女の対決および国民的公憤事件にエスカレートした格好だ。
これに伴い、未確認の一方的な主張だけを乗せっぱなしにして社会的葛藤をあおるような場に転落してしまった青瓦台国民請願に対し、これを機に手を入れるべきだという世論も湧き上がっている。
青瓦台国民請願掲示板は、昨年、文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任100日を迎えてスタートした。「国民と直接疎通する」というのが趣旨だった。「国民が質問すれば政府が答える」をモットーに、2011年米国のオバマ政府が始めた「We the people」を参考にした。昨年8月から今まで34万件余り(一日700件余り)の請願が投稿され、、このうち20万人以上の同意を受けた55件の請願は政府からの回答を引き出した。「直接民主主義の手本」という肯定的な評価とともに、文在寅政府の最高のヒット商品として位置を確立したという分析だ。特に、1963年に制定されて事実上死文化していた「請願法」を復活させたという評価もある。
だが、逆に機能することに対する懸念も大きい。無分別な暴露にさらされているためだ。今年6月に投稿された「大邱(テグ)50代夫婦暴行事件」も、最初は「ある20代の若者が私の50代の両親をいきなり暴行した」という投稿文が「非人間的行為」という非難と共に1日で3万人余りの同意を集めた。だが、警察による調査の結果、50代夫婦が先に若い男性の頬を叩いたことが明らかになり、裁判所も双方暴行だという結論を下した。
信頼性に対する疑問が相次ぐと、直ちに国民請願掲示板にも「分裂を引き起こす請願制度を廃止してほしい」という要請が投稿された。政界も加勢してイ・ジュンソク正しい未来党最高委員は「1年間運営されてきた請願制度が社会の葛藤解消にたった一つでも役立ったのか分からない」とし「評価・改善するべきで、廃止も考慮しなければならない」と主張した。
国会立法調査処も16日、青瓦台国民請願の問題点を指摘する報告書を出した。報告書は現行の青瓦台国民請願が行政府の権限外にある立法権・司法権行使を要求する声が大きく、誤解を招きかねないと指摘した。
代表的なのが「李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長に控訴審で執行猶予を宣告した判事を特別監査しろ」(25万件)は今年2月の請願だ。当時、青瓦台は「請願の内容を大法院に通知した」と答えて三権分立き損問題を自ら招いた。
何よりも青瓦台国民請願にとって重要なのは「集団知性ではなく、嫌悪の空間に転落した」という指摘だ。それだけ特定集団や人物に対する過度な非難が続いているということだ。青瓦台の回答を引き出した掲示文55件のうち23件は「資格剥奪または処罰強化」を要請した。「キム・ボルム-キム・ジウ選手の国家代表資格を剥奪せよ」(61万件)、「羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)議員を平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)委員職から罷免せよ」(36万件)などが代表的だ。キム・ボルム-キム・ジウ選手の資格剥奪請願が投稿された2月には、コ・ミンジョン青瓦台副報道官でさえ「請願掲示板が怒りの排出窓口、人民裁判所になるのではないかという懸念の声もある」と述べた。
自然と嫌悪感情に支えられた請願は青瓦台からの回答必要条件である20万人の同意を軽く超えた。「難民法を廃止せよ」(71万件)、「公共場所で同性愛集会を開催することに反対する」(21万件)等だ。これに対して、檀国(タングク)大学心理学科のイム・ミョンホ教授は「不満を表出することによって政府が仲裁・調停してくれるだろうと期待しているため」と分析した。
このような副作用を防ぐために最初の入口を高めるべきだという指摘がある。外部のSNSアカウントさえあればすぐにログインして請願を投稿できる韓国とは違い、米国の「We the people」は13歳以上に限って電子メールと名前を入力して会員登録手順を踏まなければならない。掲示文を書いたからといってすぐに公開されるわけでもない。電子メールを通じて150人以上の同意を得てこそ請願内容が大衆に向けて公開される。反面、回答の基準はむしろあまり厳しくなく、20万人以上が同意しなければならない青瓦台とは違って「We the people」は10万人以上になれば回答を発表する。
根本的には、青瓦台に集中した権力を弱めてこそ、現在の玉石混淆(ぎょくせきこんこう)状態から脱することができるという診断だ。明智(ミョンジ)大学政治外交学科のキム・ヒョンジュン教授は「青瓦台政府という言葉が公然としたもののように青瓦台が国政運営全般にわたっていちいち介入してきたことが、逆に現在のような過剰請願を招いた」とし「権力分散が『青瓦台国民請願2.0』の出発点になるだろう」と説明した。
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