中国為替市場に暴風が接近している。人民元が1ドル=7元に迫り、「破七(1ドル=7元以上の人民元安)」の不安感が強まっているからだ。
中国人民銀行は31日、1ドルあたりの人民元の価値を前日より0.01%低い6.9469元と告示した。この日、域内市場で人民元は一時1ドル=6.9751元まで値下がりした。香港など域外市場では取引中に1ドル=6.9795元まで落ちた。域内外を問わず2日連続で2008年5月以来10年ぶりの下落幅となった。
「1ドル=7元」は中国が守ってきた為替レートのマジノ線だ。中国当局がジレンマに陥る地点でもある。米国との貿易摩擦の衝撃を緩和するには人民元安を容認するしかない。
しかしこのラインを越えると外国人資本の流出を刺激するおそれがある。人民元の流れに注目しながら「破七」に近づく速度と容認する時点を見計らっている理由だ。
人民元の推移を注視しているのは中国当局だけでない。韓国証券市場も人民元の行方に視線を向けている。人民元安が韓国ウォン安につながり、外国人投資家の売りの「トリガー(引き金)」となる可能性があるからだ。
理由は強まる韓国ウォンと中国人民元の同調現象だ。ブルームバーグによると、今年1-10月に人民元は6.68%、韓国ウォンは6.07%値下がりした。両通貨の同調化の程度は0.9を超えるという市場の分析もある。
中国への経済依存度と関連性が高いうえ、韓国ウォンが人民元の「プロキシー(代理)通貨」と考えられているからだ。域外市場参加者は流動性が低く相対的に取引が難しい人民元の代わりに、似た動きをする韓国ウォンに投資してリスクを分散している。
これはすなわち人民元安がウォン安につながる可能性があるということだ。ウォン安は外国人投資家が韓国株式市場から出ていく主要要因の一つとなる。為替差損が懸念されるからだ。ウォン安が続けば、外国人投資家は株式売却代金をドルに両替する際、ドル金額が減る為替差損が生じる。為替差損を懸念する外国人が韓国株を売って株価が下がり、さらに韓国ウォンを売ってウォン安となる悪循環が形成される可能性がある。
韓国株式市場は10月の外国人の大規模な売り越し(4兆6000億ウォン台)ですでにノックダウン状態だ。「破七」が外国人の不安感を刺激すればまた打撃を受ける。韓国投資証券のパク・ソヨン投資戦略チーム長は「2008年の株価下落は景気低迷と金融リスクが同時に影響を与えたが、現在は景気低迷だけが反映されたと見るべき」とし「もし中国企業の負債など金融リスク移転の兆候があれば人民元が急落し、株価下落のもう一つのトリガーになるおそれがある」と述べた。
中国内の状況と市場の雰囲気は人民元安を表している。中国は米国との貿易摩擦による衝撃を相殺するために人民元安を容認する可能性がある。
さらに景気失速を防ぐため人民銀行が資金を供給して人民元安がさらに進む可能性が高い。人民銀行は先月15日から大手商業銀行と外資銀行の支払準備率を14.5%に1ポイント低めた。政策金利引き下げカードにも触れている。
悪化する中国の景気指標も人民元安の前兆だ。中国の7-9月期の経済成長率は前年同期比6.5%と、2009年以来の最低水準となった。31日に発表された10月の製造業購買担当者景気指数(PMI、50.2)も2016年7月以来最も低かった。
中国当局は7日、香港で100億元(1兆6324億ウォン)規模の中央銀行証券を発行するなど、人民元安防御の意志を見せている。しかし市場は「破七」を時間の問題と判断している。
ロイター通信によると、人民元先物に投資している機関投資家のうち6%がショート(売り)ポジションをとっている。12月満期オプション取引では1ドル=7.4元の価格行使取引まで出てきた。
KB証券のキム・ドゥオン研究員は「中国当局は人民元を統制できるという期待感があったが、最近は人民銀行のスタンスが変わっているようだ」とし「1ドル=7元のラインを越えれば、韓国株式市場などで外国人の離脱が加速するだろう」という見方を示した。
中国人民銀行は31日、1ドルあたりの人民元の価値を前日より0.01%低い6.9469元と告示した。この日、域内市場で人民元は一時1ドル=6.9751元まで値下がりした。香港など域外市場では取引中に1ドル=6.9795元まで落ちた。域内外を問わず2日連続で2008年5月以来10年ぶりの下落幅となった。
「1ドル=7元」は中国が守ってきた為替レートのマジノ線だ。中国当局がジレンマに陥る地点でもある。米国との貿易摩擦の衝撃を緩和するには人民元安を容認するしかない。
しかしこのラインを越えると外国人資本の流出を刺激するおそれがある。人民元の流れに注目しながら「破七」に近づく速度と容認する時点を見計らっている理由だ。
人民元の推移を注視しているのは中国当局だけでない。韓国証券市場も人民元の行方に視線を向けている。人民元安が韓国ウォン安につながり、外国人投資家の売りの「トリガー(引き金)」となる可能性があるからだ。
理由は強まる韓国ウォンと中国人民元の同調現象だ。ブルームバーグによると、今年1-10月に人民元は6.68%、韓国ウォンは6.07%値下がりした。両通貨の同調化の程度は0.9を超えるという市場の分析もある。
中国への経済依存度と関連性が高いうえ、韓国ウォンが人民元の「プロキシー(代理)通貨」と考えられているからだ。域外市場参加者は流動性が低く相対的に取引が難しい人民元の代わりに、似た動きをする韓国ウォンに投資してリスクを分散している。
これはすなわち人民元安がウォン安につながる可能性があるということだ。ウォン安は外国人投資家が韓国株式市場から出ていく主要要因の一つとなる。為替差損が懸念されるからだ。ウォン安が続けば、外国人投資家は株式売却代金をドルに両替する際、ドル金額が減る為替差損が生じる。為替差損を懸念する外国人が韓国株を売って株価が下がり、さらに韓国ウォンを売ってウォン安となる悪循環が形成される可能性がある。
韓国株式市場は10月の外国人の大規模な売り越し(4兆6000億ウォン台)ですでにノックダウン状態だ。「破七」が外国人の不安感を刺激すればまた打撃を受ける。韓国投資証券のパク・ソヨン投資戦略チーム長は「2008年の株価下落は景気低迷と金融リスクが同時に影響を与えたが、現在は景気低迷だけが反映されたと見るべき」とし「もし中国企業の負債など金融リスク移転の兆候があれば人民元が急落し、株価下落のもう一つのトリガーになるおそれがある」と述べた。
中国内の状況と市場の雰囲気は人民元安を表している。中国は米国との貿易摩擦による衝撃を相殺するために人民元安を容認する可能性がある。
さらに景気失速を防ぐため人民銀行が資金を供給して人民元安がさらに進む可能性が高い。人民銀行は先月15日から大手商業銀行と外資銀行の支払準備率を14.5%に1ポイント低めた。政策金利引き下げカードにも触れている。
悪化する中国の景気指標も人民元安の前兆だ。中国の7-9月期の経済成長率は前年同期比6.5%と、2009年以来の最低水準となった。31日に発表された10月の製造業購買担当者景気指数(PMI、50.2)も2016年7月以来最も低かった。
中国当局は7日、香港で100億元(1兆6324億ウォン)規模の中央銀行証券を発行するなど、人民元安防御の意志を見せている。しかし市場は「破七」を時間の問題と判断している。
ロイター通信によると、人民元先物に投資している機関投資家のうち6%がショート(売り)ポジションをとっている。12月満期オプション取引では1ドル=7.4元の価格行使取引まで出てきた。
KB証券のキム・ドゥオン研究員は「中国当局は人民元を統制できるという期待感があったが、最近は人民銀行のスタンスが変わっているようだ」とし「1ドル=7元のラインを越えれば、韓国株式市場などで外国人の離脱が加速するだろう」という見方を示した。
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