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秋に桜が花開く…最近の日本で起きた驚くべきこと

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

九州・嬉野に咲いた10月の桜。最近、九州一帯を旅した時に撮影したものだ。(写真提供=ソン・テウォン)

このように植物が特定の季節に花を咲かせるのは気温と光周期(昼夜の長さの変化)を感知する独自のメカニズムのためだ。(写真提供=ソン・テウォン)

最近、隣国の日本各地で時ならぬ桜が咲いて騒動ではない騒動が起きた。桜は周知のように3~4月にかけて日本や韓国などで咲く代表的な春の花だ。春の花としてレンギョウやツツジも挙げられるが、桜にははるか及ばない。桜は開花一週間後には白または薄紅色の花を大きく咲かせて、人々を春の情緒にたっぷりと浸らせてくれる。

ところが異変が起きた。10月中旬以降、日本各地で満開の桜が目撃されている。日本や世界の複数のメディアが日本の南・九州から北の北海道に至る各地で「秋の桜」が咲いているという事実を相次いで報じた。日本気象庁や日本有数の気象会社ウェザーニュースなどに数百件の開花情報が寄せられたという報道もあった。

最近、九州一帯を旅した私も、今月22日、「嬉野」というところで桜が咲いたところを目撃した。雲が少し出ていたが、朝12度、昼22度ほどで秋としては穏やかな天候だった。朝食を取って嬉野市内を散歩している間、不意にある家の庭に桜が見事に咲いているのを目撃した。携帯電話で写真を撮りながらも自分の目を疑った。生涯、春の桜だけを見てきた私としてはそうするほかなかった。


ちょうどこのあたりの住民とみられる通行人が通りがかったので聞いてみた。「これは桜ですよね。秋に咲いたところを見たことはありますか」。返事はこうだった。「もちろん桜です。桜の地である日本には、往々にして秋に桜が目撃されることがあります。でも、今年は特別です。全国にかけて秋に桜が大規模に咲いたのは初めてだと思います。嬉野でもこうしたことはなかったと思います」。

我が韓国の済州道(チェジュド)と緯度がほぼ同じの嬉野では、毎年3月下旬~4月上旬に満開となる桜を見に、観光客が各地から集まるという。ところが半年ほど先取りして、極めて一部の桜の木で花が満開になった。秋と冬、2つの季節を追い抜いて咲いたので、ただ驚き、不思議に思うばかりだ。このため解釈も入り乱れている。桜の生体時計が故障したとか、季節を忘れたとか、異常気象で狂ってしまったとか、10月に分別なく咲いてしまったとか…。

外信が伝えた今回の日本の秋の桜の開花の主な原因は、相次ぐ台風と相対的に高かった秋の気温だ。気象専門家はまず8、9月に日本列島を襲った台風21号と24号を挙げている。

普通、木の葉は春が来るまで開花を防ぐホルモンを分泌する。だが、上に挙げた台風がもたらした強い風が木の葉をすべてふるい落としたことでホルモン分泌に異常が生じ、その結果つぼみができたという。一言で、台風が桜の生体時計に錯覚を起こさせたということだ。塩気をたっぷり含んだ風が木の葉の開花抑制ホルモン分泌機能を狂わせた可能性も提起された。

台風が通過した後に起きた高温現象が桜の開花時期に錯覚を起こさせたという分析もある。実際、台風25号が過ぎた後の今月6日、日本東海岸の一部地域の日中気温が36度を越えるなど異常高温現象が発生した。半年ほど早く花を咲かせた桜は、実際に来年の春の桜シーズンには花をつけない可能性が高い。だが、来春の日本全国の桜祭りに影響を及ぼすほどではないという。今回の10月に開花した桜の数は、全体に比べるとごく一部に限られているためだ。

「桜が生きるために秋に花を咲かせた」という解釈もある。秋に花を咲かせる桜が時折あるが、その場合、他の木に比べて葉が少ないという。台風などで葉が落ちてしまうためだ。桜はこれ以上葉を失わないために生長を抑制しているが、温かくなってつぼみを開かせるという。桜に花がつけば新しい葉が生えるようになる。葉があってこそ光合成を行い、寒い冬を耐えるだけの養分を蓄積できるようになる。桜が時ならぬ秋に花を咲かせたのは生きていくための自救現象ではないかということだ。

植物が特定の季節に花を咲かせるのは気温と光周期(昼夜の長さの変化)を感知する独自のメカニズムの賜物だ。植物も24時間周期の生体時計を持っている。この生体時計を通じて気温と光周期を判断しながら季節の変化を識別している。ところが、台風や気温など天気要素が植物固有の生体時計に錯覚を起こさせる場合、今回のような時ならぬ秋の桜騒動も起きることになる。

そういえば、今秋、韓国でもごく一部だが時ならぬ桜が目撃された。約1カ月前の9月19日、済州西帰浦市安徳面上倉里(ソギポシ・アンドクミョン・サンチャンニ)の上倉保健診療所の裏路地の桜が桃色のつぼみをほころばせた。花が木の半分にかけて咲き、周辺の他の桜の木でも花が開いていたという。歴代1位の猛暑が終わり、涼しい秋風が吹き始めた時期に時ならぬ桜が開いた。今月16日、鎮海明洞(チンヘ・ミョンドン)でも2本の桜で花をつけた様子が観察された。

桜は突然変異がよく起き、改良種が多いという。その結果、自生種と改良種を含めて600種余りがあることが知られている。気候変動が日増しに激しくなる中で、日本の今回のような「秋の桜騒動」が今後また起きるのか、注目される。



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