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【取材日記】韓国自動車産業、豪州没落の轍を踏まないためには

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
スウェーデンの巨大なクレーンは没落した製造業を象徴していた。競争で敗れたスウェーデン造船企業コックムスがマルメの129メートルの巨大クレーンを2002年に現代重工業に売却したからだ。

しかしイェーテボリの巨大クレーンが投がかける意味は違う。高さ84メートルの巨大クレーンは次世代製造業を象徴する。造船業が没落した後もスウェーデンの人々はこのオレンジ色の巨大クレーンを解体せず、見上げながら切歯腐心した。造船業の衰退に絶望するのではなく、果敢な投資と規制廃止を通じて未来自動車産業を育成した。

スウェーデンの造船業がそうであったように韓国自動車産業にも危機の兆候が表れている。2011年をピークに韓国の自動車生産台数は減少している。自動車企業-部品会社とつながる自動車生態系にも亀裂が生じ始めた。5月に韓国GMが群山(クンサン)工場を閉鎖した事件は、韓国国内自動車産業の現実を象徴的に表している。自動車だけでなく製造業全般の状況が悪化している。特に中国と競争する産業では諦めムードも見える。「世界の工場」中国と競争して勝てるはずがないということだ。


中央日報特別取材チームがこの3カ月間、7カ国の自動車産業関連10都市を調べた結果、自動車強国はすべて荒波を乗り越えてきた。韓国製造業が中国に劣勢になるように、スペインも東欧の安い人件費のため苦戦した。しかし「欧州の病人」と呼ばれたスペインは労働改革に成功した後、新興自動車強国に浮上した。

世界自動車市場を両分する日本とドイツも同じだ。大規模リコール事態に直面したトヨタは伝統的な生産方式(TPS)の長所を生かして短所は補完し、世界1位になった。ドイツもディーゼルゲートなどで苦労したが、第4次産業革命技術を果敢に導入し、世界市場シェアをむしろ拡大している。

産業発展の主人公は企業だが、危機突破の土台を築いたのは政府だった。自動車強国の政府は▼生態系づくり▼技術の先占▼制度の整備▼規制改革を進め、復興のきっかけを用意した。一方、労・使・政がそれぞれの立場ばかり強調した豪州では160年の歴史を誇る自動車産業が没落した。

群山工場の閉鎖から4カ月が経過した。まだ明確な解決策もない。しかしこうした悪材料を産業競争力強化のきっかけにすれば、ドイツや日本を越えられない理由はない。果たして韓国自動車産業は豪州の前轍を踏むのか、「イェーテボリの巨大クレーン」に象徴されるスウェーデンが歩んだ道を進むのか。これからどうするかにかかっている。

ムン・ヒチョル/産業チーム記者



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