「造船業エクソダス(大脱出)」の実状はソウル大学造船海洋工学科の変わった転科規定に如実に現れている。この学科は昨年10月から学科を変えるには最小1学期前に指導教授と相談し、学科事務室に転科の意志をあらかじめ通知するようにした。専攻授業履修の単位と成績基準など厳しい規定を設けて簡単に転科できないようにした。学科離脱者を減らすための苦肉の策だ。2015年から昨年まで3年間にこの大学の造船海洋工学科では1年の入学定員46人の4分の1水準である10人ほどが専攻を変えたという。
造船業の長期沈滞で学部生から修士・博士級研究開発者、管理・生産職労働者まで人材流出が激しくなり造船業の競争力がますます低下するという声が大きくなっている。「造船業沈滞→人材流出→競争力低下→受注不振」で続く構造的悪循環に陥っていると指摘される。
◇造船業に背を向ける若い人材
1946年のソウル大学設立とともに「航空造船学科」という名称でスタートしたソウル大学造船海洋工学科は70年間で2700人の造船専門人材を育てた「韓国造船業人材の産室」と呼ばれる。大宇造船海洋の鄭聖立(チョン・ソンリプ)社長と現代重工業の姜煥亀(カン・ファング)社長など韓国造船ビッグスリーのうち2社の最高経営責任者(CEO)がこの学科を出た。だが2015年から続く造船業沈滞の余波で就業の門が狭まった上に賃金下落と構造調整まで重なり忌避学科に転落した。
造船業忌避現象はソウル大学入学を夢見る受験生の選択でも確認できる。2018年度のソウル大学造船海洋工学科地域均衡選抜選考競争率は0.67対1で定員に達しなかった。同年随時募集一般選考競争率は4.12対1で、造船業が好況だった2008年の8.46対1と比較して大幅に低下した。定時募集競争率も毎年下がる傾向だ。
ソウル大学をはじめとする韓国の大学造船学科卒業生の就職難も激しくなっている。造船海洋プラント協会によると全国主要19大学の造船関連学科就職率は2011年の75%から2015年には59%に落ちた。2016年には45%にとどまり初めて就職率50%の壁が崩れた。ビッグスリーを含む中大型造船会社が今年上半期に採用した人数は経歴職含め110人にすぎなかった。3071人を採用した2015年上半期に比べて96.4%減少した。
◇造船業没落した日本の前轍踏むか
ソウル大学造船海洋工学科が東京大学船舶工学科の前轍を踏んでいるという懸念も出ている。1980年代まで世界の造船業人材養成を主導した東京大学船舶工学科は日本の造船業衰退の余波で1998年に学科名から「船舶」を取り環境海洋工学科に名前を変えた。韓国が1997年に年間造船受注実績で初めて日本を抜いてから1年ぶりだ。その後日本の造船業は一度も韓国を超えることができなかった。
日本に追いつき順調だった韓国の造船業も20年で危機を迎えた。価格競争力を掲げた中国などに押され生き残りを心配しなければならない境遇になった。世界1位の造船業者である現代重工業は昨年7月に受注不振にともなう仕事不足で群山(クンサン)造船所を閉鎖したのに続き先月から蔚山(ウルサン)海洋プラント工場の稼動も中断した。韓国造船ビッグスリーが昨年上げた営業利益は2234億ウォンで2010年の8兆5024億ウォンに比べ97.3%急減した。現代重工業とサムスン重工業は今年数千億ウォン台の赤字を出すものと業界は予想している。
高賃金のため船舶発注があっても中国と人件費が安い東南アジアの労働者を活用するシンガポールの造船会社に押されるのが常だ。造船業界関係者は「いまのような高費用・低効率構造では船舶発注が増えても韓国の造船業界が過去のような好況を享受することは容易ではないだろう」と指摘した。
人材離脱は造船産業の根本的な競争力低下につながるほかないというのが専門家らの警告だ。仁荷大学造船海洋工学科のイ・ギョンホ教授は「親環境船舶と自動運航船舶など次世代船舶産業が拡大しているが韓国では関連分野を専攻した修士・博士級人材を探すのが難しい」と話す。「高級設計能力を持つ専門人材を養成しておかなければ造船業景気が回復した時に機会をつかむことはできない」(慶南大学造船海洋IT学科キム・ヨンフン教授)という懸念が出る理由だ。
造船業の長期沈滞で学部生から修士・博士級研究開発者、管理・生産職労働者まで人材流出が激しくなり造船業の競争力がますます低下するという声が大きくなっている。「造船業沈滞→人材流出→競争力低下→受注不振」で続く構造的悪循環に陥っていると指摘される。
◇造船業に背を向ける若い人材
1946年のソウル大学設立とともに「航空造船学科」という名称でスタートしたソウル大学造船海洋工学科は70年間で2700人の造船専門人材を育てた「韓国造船業人材の産室」と呼ばれる。大宇造船海洋の鄭聖立(チョン・ソンリプ)社長と現代重工業の姜煥亀(カン・ファング)社長など韓国造船ビッグスリーのうち2社の最高経営責任者(CEO)がこの学科を出た。だが2015年から続く造船業沈滞の余波で就業の門が狭まった上に賃金下落と構造調整まで重なり忌避学科に転落した。
造船業忌避現象はソウル大学入学を夢見る受験生の選択でも確認できる。2018年度のソウル大学造船海洋工学科地域均衡選抜選考競争率は0.67対1で定員に達しなかった。同年随時募集一般選考競争率は4.12対1で、造船業が好況だった2008年の8.46対1と比較して大幅に低下した。定時募集競争率も毎年下がる傾向だ。
ソウル大学をはじめとする韓国の大学造船学科卒業生の就職難も激しくなっている。造船海洋プラント協会によると全国主要19大学の造船関連学科就職率は2011年の75%から2015年には59%に落ちた。2016年には45%にとどまり初めて就職率50%の壁が崩れた。ビッグスリーを含む中大型造船会社が今年上半期に採用した人数は経歴職含め110人にすぎなかった。3071人を採用した2015年上半期に比べて96.4%減少した。
◇造船業没落した日本の前轍踏むか
ソウル大学造船海洋工学科が東京大学船舶工学科の前轍を踏んでいるという懸念も出ている。1980年代まで世界の造船業人材養成を主導した東京大学船舶工学科は日本の造船業衰退の余波で1998年に学科名から「船舶」を取り環境海洋工学科に名前を変えた。韓国が1997年に年間造船受注実績で初めて日本を抜いてから1年ぶりだ。その後日本の造船業は一度も韓国を超えることができなかった。
日本に追いつき順調だった韓国の造船業も20年で危機を迎えた。価格競争力を掲げた中国などに押され生き残りを心配しなければならない境遇になった。世界1位の造船業者である現代重工業は昨年7月に受注不振にともなう仕事不足で群山(クンサン)造船所を閉鎖したのに続き先月から蔚山(ウルサン)海洋プラント工場の稼動も中断した。韓国造船ビッグスリーが昨年上げた営業利益は2234億ウォンで2010年の8兆5024億ウォンに比べ97.3%急減した。現代重工業とサムスン重工業は今年数千億ウォン台の赤字を出すものと業界は予想している。
高賃金のため船舶発注があっても中国と人件費が安い東南アジアの労働者を活用するシンガポールの造船会社に押されるのが常だ。造船業界関係者は「いまのような高費用・低効率構造では船舶発注が増えても韓国の造船業界が過去のような好況を享受することは容易ではないだろう」と指摘した。
人材離脱は造船産業の根本的な競争力低下につながるほかないというのが専門家らの警告だ。仁荷大学造船海洋工学科のイ・ギョンホ教授は「親環境船舶と自動運航船舶など次世代船舶産業が拡大しているが韓国では関連分野を専攻した修士・博士級人材を探すのが難しい」と話す。「高級設計能力を持つ専門人材を養成しておかなければ造船業景気が回復した時に機会をつかむことはできない」(慶南大学造船海洋IT学科キム・ヨンフン教授)という懸念が出る理由だ。
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