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【グローバルアイ】主語がない慰霊碑、そして靖国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
史上最悪の猛暑が続いた先月末、原子爆弾が投下された都市・広島を訪れた。原爆で被害を受けた地域は平和記念公園に変わり、2行の言葉が刻まれた慰霊碑が位置していた。

「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」

原爆で犠牲になった魂を慰め、戦争の惨禍を繰り返さないという子孫の確約だ。ところが文面をじっくりと静かに見ている記者に誰かが「主語がない」と指摘してくれる。誰の過ちのことを言っているのか、曖昧だということだ。戦争を起こした過ちなのか、原爆を使った過ちなのか、文章を受け取る人によって解釈が異なる場合がある。英語では「We shall not…」となっているので、「私たち」が誰を示すことなのか曖昧だ。


この慰霊碑は1947年8月6日に公開された。14万人の犠牲者を出した原爆が広島を襲ってから2年後に開かれた初めての慰霊祭だった。当時の浜井信三・広島市長は「碑文が公開されれば全世界の人々が反核・平和を誓うことになるだろう」と述べたが、現実はそうではなかった。

主語のない慰霊碑の文面はすぐに論争に巻き込まれた。慰霊碑が立てられた年は米軍政統治時代だった。米国の顔色を伺うために、主語を曖昧にしたのではないかという声もあった。戦争に対する反省は無視して、世界初の原爆被害者であることを前面に出す者の論理だった。慰霊碑は平和公園の中央に設置されているが、論争は全く平和ではなかった。

このことを再び思い出したのは、今月15日に靖国神社で会った参拝客のためだった。A級戦犯14人が合祀されている靖国神社は朝から混雑していた。驚いたのは、ものすごい数の一般人参拝客だった。

平日にもかかわらず、炎天下で1時間以上にわたって列に並んで待った。

参拝客は「平和のために戦争をしたご先祖のため」と気兼ねなく話した。「戦争を起こしたことについてはどう思うか」という質問には「アジア諸国が欧州の植民地になるのを防ぐために下した決断」と称賛した。

「献身的に戦った先祖に合わせる顔がなく、反省するために来た」という詭弁には閉口した。靖国神社の外で軍服を着て帝国主義コスプレをしている者と違いはなかった。かえって「戦争の狂気」よりも平気さと堂々さが感じられてもっと怖かった。

来年4月に退位を控え、最後に戦没者追悼式で記念演説をした昭仁天皇は、4年連続で「深い反省」に言及した。平成30年間、彼が念願したのは「平和」だった。広島公園で、靖国神社で見た平和は、主語も本質も違うように見えた。

ユン・ソルヨン/東京特派員



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