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【取材日記】日本版シンドラーが安倍首相に望むこと=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イラスト=キム・フェリョン記者

深刻な面持ちでテレビカメラの前に立った彼がこのように話した。「世界中で杉原さんの勇気ある人道的行動は高く評価されている。日本人として誇りに思う」。

欧州を訪問中の日本の安倍晋三首相が14日午前(以下、現地時間)、リトアニア・カウナスの杉原千畝(1900~1986年)記念館を訪れた。第2次世界大戦時、駐カウナス日本総領事代理だった杉原は「日本版シンドラー」と呼ばれている人物だ。ナチス・ドイツの迫害を受けてポーランドに逃れてきたユダヤ人に、日本行きのビザを発行したためだ。彼が1940年に発行したビザの数は記録に残っているものだけで2000枚を越える。ビザ1枚で一緒に脱出した家族まで勘案し、彼が救ったユダヤ人の数を6000人と推算することもある。

われわれには過去の過ちをしっかり反省していないというイメージが固まっているが、逆説的に安倍首相は歴代の日本の首相の中で、ホロコースト(ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺)関連施設を最も熱心に訪問してきた。偶然というにはあまりにも絶妙だが、その大部分は安倍首相が歴史問題に関連した周辺国との葛藤で追い詰められていた時期と重なる。


一例として、2013年12月に靖国神社参拝によって韓国と中国の反発を自らまねいた翌年3月には、ユダヤ人少女アンネ・フランクが隠れて過ごしたオランダ・アムステルダムの「アンネの家」を訪れた。ここで安倍首相は「歴史の事実に謙虚に向かい合う」と述べた。

安倍首相は、世界的に慰安婦問題への関心が高まった2015年4月の訪米時にも、ワシントンのホロコースト博物館を訪ねた。しかし彼は首脳会談記者会見で「(慰安婦被害女性たちが)人身売買の犠牲になって到底表せない経験をした方々を思うと、今でも胸が痛む」と述べ、判に押されたような回答だけを繰り返した。

安倍首相は今回も慰安婦合意をめぐって韓日間葛藤が深まる渦中に杉原博物館を訪ねた。日本政府の主張のように、国同士の約束は尊重して実行するのが国際的な常識だ。だが、杉原の人道的行動をそのように誇りに思っている安倍首相が、唯一、慰安婦問題だけに対しては「1ミリも動かない」と言うのは人道主義と正義に符合しない。ナチ被害者を哀悼する気持ちが真の心なら、その真の心の一部だけでも慰安婦被害者に見せてほしいと、杉原は自身の博物館を訪ねた安倍首相に語りかけていないだろうか。

ソ・スンウク/日本支社長



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