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【時視各角】最低賃金と脱原が招く雇用不安

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国経済を亡ぼす二大元凶がある。一つ目が国家指示型の所得主導成長論で、2つ目が脱原発偶像崇拝だ。元凶がやってしまった。統計庁が2018年7月の就業者数が2708万人で、前年同月に比べて5000人増えたと発表した。就業者増加率0.0%。雇用市場に出てくる青年層の求職需要に合わせるなら月平均雇用増加数が30万件はないとダメだ。この数値が今年2月に突然10万件へと大きく落ち込んで停滞したと思ったら、ついに7月5000人で完全に停止した。失業者は7カ月連続で100万人余り。苦痛とうめき、嘆きが広場と通りにあふれ出ている。

15カ月前、就任式を終えると同時に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が下した業務指示第1号が雇用問題。雇用を政権の存在理由に掲げたこの政権で、最悪の雇用惨劇が起きた。文在寅政権が旧時代の積弊として残忍に清算した朴槿恵(パク・クネ)前大統領の雇用点数はこれよりはるかに良かった。2014年7月就業者数は2597万人で、前年同月に比べて50万5000人増えた。就業者増加率は2.0%、失業者が91万2000人。

文在寅と朴槿恵の執権2年目の7月の雇用成績は、就業者増加数5000人対50万5000人で朴槿恵側が100倍高い。雇用創出環境も今は世界経済好調のため日米中が人手不足の中、韓国だけが思わぬ災難に陥っている反面、朴前大統領時代は世界経済全体が低迷していた時だ。文大統領が言い訳できるようなものはないということだ。雇用を増やすと言って注ぎ込んだ30兆ウォン(約3兆円)の予算は蜃気楼(しんきろう)のように消えた。だが、こうしておきながらも、誰一人謝ろうとも責任を取ろうともしない。これが国らしい国なのだろうか。


日曜日だった昨日、国会で党・政・青の非常会議というものが招集されたが、光化門(クァンファムン)のビアホールでの「傾聴と苦悩のショー」をもう一度見るような感じだった。自分たち同士で疎通して主張するドラマも一、二回のことで、今は感動も興味も失った。大統領を選んだのは国民だ。文大統領が責任を負わなければならない相手も国民に尽きる。ところが大統領は目の前に現れる参謀に対してあまりにも深く情をかけるあまり、厳しくジャッジができないようだ。一歩間違えれば国民に対する裏切りのようにも映りかねない。国民の人生を疲弊させ、さらなる苦難を負わせた参謀に冷酷に責任を問わなければならない。

国家指示型の所得主導成長論は、乱暴な最低賃金施行で破綻した。最低賃金を地域・業種・規模の区分なく無差別的に、最も速いスピードで最高額に引き上げたことは、言葉では「政策」でも国家暴力に等しい。この暴力が「月就業者増加ゼロ」事件の主犯だ。責任者は青瓦台(チョンワデ、大統領府)の張夏成(チャン・ハソン)政策室長と金栄珠(キム・ヨンジュ)雇用労働部長官。彼らにとって最低賃金制は国民経済のための政策手段というよりは誰も手をつけてはいけない「禁断のリンゴ」だ。

就業者増加ゼロ事件の主犯が最低賃金の聖域化だったとしたら、脱原発偶像崇拝はエネルギーの軽視、産業破壊、輸出の失敗、部品供給ネットワークの崩壊、電力費用の急増、関連学問瓦解を招いた共同正犯だ。脱原発が、エネルギー総合政策の一手段ではなく、神聖な存在に格上げされたのだ。脱原発に“仕える”環境原理主義者が権力の座につき、エネルギー政策をもてあそんでいるのが問題だ。青瓦台で金秀顯(キム・スヒョン)社会首席秘書官、文美玉(ムン・ミオク)科学技術補佐官が「脱原発迷信」の司祭で、白雲揆(ペク・ ウンギュ)産業通商部長官が執行者だ。

最低賃金と脱原発偶像化で雇用政権で雇用の種が絶えようとしている。政策のハンドルを切るべき時だ。人を大胆に入れ替えるしかない。手遅れでも失敗した参謀を追い出さなければならない。それが国民の命令で大統領が今するべきことだ。

チョン・ヨンギ/中央日報コラムニスト



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