【時論】サムスンのスマートフォンが直面する3度目の危機
電子製品の事情も同様だ。世界のスマートフォン市場でサムスンは依然として1位を維持しているが、プレミアム市場が減りアップルとの競争は加熱している。中低価格市場はコストパフォーマンスの高い中国企業の躍進が続いている。サムスンの昨年10-12月期の中国市場でのシェアは0.8%という衝撃的な水準に落ち込んだ。中国企業であるファーウェイとシャオミの成長は急だ。市場調査機関IDCによるとファーウェイは4-6月期にアップルを抜いて世界2位に上がった。中国だけでなくアジア・欧州市場で善戦した結果だ。
サムスンのスマートフォン事業にはこれまで3度の危機があった。最初の危機はアップルの「iPhone」が2009年11月に韓国市場で発売されてだった。サムスンはiPhoneの対抗馬という「オムニア2」を出したが、結果は惨憺たるものだった。それでもサムスンは当時の危機をうまく克服した。基本ソフト(OS)とソフトウェア能力はグーグルという良い協力者と出会い弱点を補完した。強みであるハードウェアに総力を挙げた。この戦略は3番目の製品である「ギャラクシーS3」までは非常に成功的だった。しかしグーグルが提供するOSとソフトウェアはサムスンだけでなく他の企業も使う。また、ハードウェアもほとんど同じ部品を使うので多社も簡単についてきた。
2度目の危機は「ギャラクシーS4」から始まった。サムスンはハードウェアの中心軸をソフトウェアとサービスにシフトする努力をした。その結果が「ギャラクシーS7」だ。「実用的な革新」を成功裏に成し遂げた。顧客が不便に感じる機能を積極的に改善した。不必要なアプリは果敢に減らし、絶対に必要な機能は再び入れた。前作である「ギャラクシーS6」のシリーズから消えた防水機能と追加メモリー差し込み口を再び搭載した。このほかにも「ギア360」との連動を通じたバーチャルリアリティ(VR)サービスを作り出した。
3度目の危機は現在進行形だ。「ギャラクシーS9」は「ギャラクシーS8」に比べ特別な革新性が見られないというのが市場の評価だ。どの方向で何をすれば韓国を代表するサムスンのスマートフォン事業が直面した危機が突破できるだろうか。
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