韓国の自動車産業が危機から抜け出せずにいる。内外での販売不振に中国の追撃、為替相場下落、環境規制強化、米中貿易戦争など悪材が絶えることなく続いているためだ。それこそ「四面楚歌」の状況だ。専門家らは韓国の自動車産業が危機に置かれることになった根本的原因として、硬直した労働市場と高い人件費、低い生産性などを挙げる。これを克服するには内外の経済環境変化に基づいて自動車のクラス別・車種別需要変動に素早く対応できる労働柔軟性の確保が必要という診断だ。
◇9000万ウォン上回る平均賃金
韓国の自動車メーカーの労働者の賃金は他のグローバル自動車メーカーと比較して高い方であることがわかった。韓国経済新聞と韓国自動車産業協会が16日に現代(ヒョンデ)自動車、起亜(キア)自動車、韓国GM、ルノーサムスン、双竜(サンヨン)自動車の自動車5社の昨年の平均賃金を分析した結果だ。
これら企業の1人当たり年間平均賃金は9072万ウォン(約901万円)と調査された。代表的競合企業の日本のトヨタの8391万ウォンやドイツのフォルクスワーゲンの8303万ウォンよりはるかに多い。自動車産業協会関係者は「韓国の自動車5社の昨年の平均賃金は2016年の9213万ウォンに比べると小幅に下落したが、2005年の5009万ウォンと比較すると12年間に81.1%高騰した。海外の競合企業の賃金水準をいち早く追い越した」と説明した。
人件費は高騰するのに生産性はグローバル平均を下回ると分析された。韓国の自動車5社基準で自動車1台を生産するのにかかる時間(HPV)は2015年基準で26.8時間だった。トヨタの24.1時間、米ゼネラルモーターズ(GM)の23.4時間よりそれぞれ11.2%と14.5%長い。
売り上げ比の人件費比率も高かった。韓国の自動車メーカーの売り上げ比の賃金の比率は昨年基準で12.3%に達するが、トヨタとフォルクスワーゲンはそれぞれ5.8%と9.9%に過ぎなかった。業界では売り上げ比の人件費比率が2桁に達すると積極的な研究開発投資をするのは難しい状態とみる。未来成長に向けた潜在力が落ち込むほかないという話だ。
現代・起亜自動車の昨年の研究開発投資額は4兆1000億ウォンで、フォルクスワーゲンの25%、トヨタの40%水準にとどまった。現代・起亜自動車の売り上げ比の研究開発比率は昨年基準で2.8%で、やはりトヨタの3.6%、フォルクスワーゲンの5.7%、GMの5.0%などと比較して低かった。部品メーカーも同様だ。現代モービスの売り上げ比の研究開発比率は2.2%で、ドイツのボッシュの9.3%や日本のデンソーの8.8%の4分の1水準だ。
◇ストのたびに協力会社や地域経済に影響
専門家らはこうした競争力格差は労使関係の違いから始まったと分析する。トヨタの労使関係は安定的だ。2000年代初めに困難を経験したトヨタ労組は2003年から4年間自発的に賃金据え置きを宣言した。2008年の金融危機当時は労働者の配置転換も受け入れた。会社のブランドを守るため1962年にストなし宣言をした後、いまもストをしていない。今年で56年目だ。
韓国は違う状況だ。現代自動車労組は12日と13日の2日にわたり部分ストを強行した。7年連続のストだ。現代自動車が世界市場で販売不振に苦しめられ、米国発の関税爆弾の懸念まで拡大する状況で労組が賃金引き上げに固執して過度な闘争に出ているのではないかとの批判もものともしなかった。
現代自動車労組は1987年の労組設立後、1994年、2009~2011年の4年を除き32年間毎年ストを行ってきた。ストの回数だけで430回を超える。累積生産支障規模だけ150万台余りに達する。累積売り上げ損失は約20兆ウォンと推定される。起亜自動車労組も同様だ。1991年から昨年までの27年間に2年を除き25年間毎年ストを行った。今年もストを行う可能性は低くない。
現代・起亜自動車労組が日常的にストを繰り返すたびに協力会社は経営難に追いやられている。両社の協力会社は2次・3次協力会社を合わせて5000社を超える。産業研究院のイ・ハング研究委員は「韓国自動車産業の『高費用低効率』構造を打破できなければ自動車だけでなく部品産業基盤まで根元からぐらつく恐れがある。安定的労使関係を基に労働市場の柔軟性を高めなければグローバル市場で生き残れない」と指摘した。
◇9000万ウォン上回る平均賃金
韓国の自動車メーカーの労働者の賃金は他のグローバル自動車メーカーと比較して高い方であることがわかった。韓国経済新聞と韓国自動車産業協会が16日に現代(ヒョンデ)自動車、起亜(キア)自動車、韓国GM、ルノーサムスン、双竜(サンヨン)自動車の自動車5社の昨年の平均賃金を分析した結果だ。
これら企業の1人当たり年間平均賃金は9072万ウォン(約901万円)と調査された。代表的競合企業の日本のトヨタの8391万ウォンやドイツのフォルクスワーゲンの8303万ウォンよりはるかに多い。自動車産業協会関係者は「韓国の自動車5社の昨年の平均賃金は2016年の9213万ウォンに比べると小幅に下落したが、2005年の5009万ウォンと比較すると12年間に81.1%高騰した。海外の競合企業の賃金水準をいち早く追い越した」と説明した。
人件費は高騰するのに生産性はグローバル平均を下回ると分析された。韓国の自動車5社基準で自動車1台を生産するのにかかる時間(HPV)は2015年基準で26.8時間だった。トヨタの24.1時間、米ゼネラルモーターズ(GM)の23.4時間よりそれぞれ11.2%と14.5%長い。
売り上げ比の人件費比率も高かった。韓国の自動車メーカーの売り上げ比の賃金の比率は昨年基準で12.3%に達するが、トヨタとフォルクスワーゲンはそれぞれ5.8%と9.9%に過ぎなかった。業界では売り上げ比の人件費比率が2桁に達すると積極的な研究開発投資をするのは難しい状態とみる。未来成長に向けた潜在力が落ち込むほかないという話だ。
現代・起亜自動車の昨年の研究開発投資額は4兆1000億ウォンで、フォルクスワーゲンの25%、トヨタの40%水準にとどまった。現代・起亜自動車の売り上げ比の研究開発比率は昨年基準で2.8%で、やはりトヨタの3.6%、フォルクスワーゲンの5.7%、GMの5.0%などと比較して低かった。部品メーカーも同様だ。現代モービスの売り上げ比の研究開発比率は2.2%で、ドイツのボッシュの9.3%や日本のデンソーの8.8%の4分の1水準だ。
◇ストのたびに協力会社や地域経済に影響
専門家らはこうした競争力格差は労使関係の違いから始まったと分析する。トヨタの労使関係は安定的だ。2000年代初めに困難を経験したトヨタ労組は2003年から4年間自発的に賃金据え置きを宣言した。2008年の金融危機当時は労働者の配置転換も受け入れた。会社のブランドを守るため1962年にストなし宣言をした後、いまもストをしていない。今年で56年目だ。
韓国は違う状況だ。現代自動車労組は12日と13日の2日にわたり部分ストを強行した。7年連続のストだ。現代自動車が世界市場で販売不振に苦しめられ、米国発の関税爆弾の懸念まで拡大する状況で労組が賃金引き上げに固執して過度な闘争に出ているのではないかとの批判もものともしなかった。
現代自動車労組は1987年の労組設立後、1994年、2009~2011年の4年を除き32年間毎年ストを行ってきた。ストの回数だけで430回を超える。累積生産支障規模だけ150万台余りに達する。累積売り上げ損失は約20兆ウォンと推定される。起亜自動車労組も同様だ。1991年から昨年までの27年間に2年を除き25年間毎年ストを行った。今年もストを行う可能性は低くない。
現代・起亜自動車労組が日常的にストを繰り返すたびに協力会社は経営難に追いやられている。両社の協力会社は2次・3次協力会社を合わせて5000社を超える。産業研究院のイ・ハング研究委員は「韓国自動車産業の『高費用低効率』構造を打破できなければ自動車だけでなく部品産業基盤まで根元からぐらつく恐れがある。安定的労使関係を基に労働市場の柔軟性を高めなければグローバル市場で生き残れない」と指摘した。
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