ソウル外交部庁舎2階に展示された韓国戦争(朝鮮戦争)休戦協定書の写本。署名をしたマーク・クラーク国連軍司令官と金日成(キム・イルソン)北朝鮮軍最高司令官、彭徳懐中国人民志願軍司令官の名前が見える。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は29日、「北が抱いている体制保証の面での懸念を解消する案をいろいろと検討している」とし「例えばまた相互不可侵の約束をしたり、現在の停戦協定を平和協定に転換する交渉を開始する案を実務レベルで協議している」と明らかにした。
先月27日に南北首脳が合意した板門店(パンムンジョム)宣言は「年内に終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換する」(3条3項)と明示している。期間にまで釘を刺した。外交部でも4・27南北首脳会談以降、終戦宣言と平和協定の法的な意味と内容の検討に着手した。
ただ、米国とは温度差がある。青瓦台は22日(現地時間)の韓米首脳会談で、米朝首脳会談後に韓米朝3カ国が終戦宣言を共にする案を議論したと明らかにした。しかしこれに関するトランプ米大統領の発言や反応は公開しなかった。外交筋は「米国側から見ると、終戦・平和体制は『非核化』という大きな車輪に合わせて回る小さな車輪だが、韓国政府は大きな車輪2つ(平和体制・非核化)を回していると見ればよい」と説明した。
非核化交渉に集中することを望む米国の立場では、終戦宣言をしてしまえば軍事オプションカードがなくなるという負担がある。平和体制の議論が本格化すれば、非核化交渉をブラックホールのように吸い込んでしまうという懸念も出てくる。27日(現地時間)、欧州を歴訪中の李洛淵(イ・ナギョン)首相は英ロンドンで記者らに対し「(米朝首脳会談で)南北終戦宣言までは進まないだろう」という見方を示した。
2007年にも盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が終戦宣言を主張すると、米国は「平和条約と米朝関係の正常化は北朝鮮が非核化合意を履行するかにかかっている」という立場を固守し、進展がなかった。
当時、外交部韓半島平和交渉本部長を務めた千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島未来フォーラム理事長は「平和協定は非核化の見返りの核心であるため、協定の発効時点は非核化完了が検証される時点と連係しなければいけない」と指摘した。続いて「法的な終戦は平和協定によってのみ可能であり、終戦宣言は平和協定を締結しようという政治的な宣言にすぎないが、なぜ終戦宣言が必要なのか米国を理解させるのは難しいだろう」と述べた。
終戦宣言では中国が抜ける可能性がある。青瓦台が最近、南北と米国の3者宣言に言及しているからだ。これに関し政府筋は「終戦宣言は南北と米国で可能だが、平和協定は戦争状態を終わらせるという公式的な終結の意味が含まれるため(停戦協定当事国の)中国が含まれるのが正しい」と述べた。
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