「中国は放置している」。
中国・東南アジア専門インバウンド(訪韓外国人対象の観光サービス)旅行会社のある役員の言葉だ。この役員は「中国現地の旅行会社が旅行客を募集しないのでどうすることもできない。昨年の冬から中国の代わりにベトナムに集中している」と話した。この旅行会社は中国当局が昨年末に団体観光を認めた「限韓令解除地域」の山東省から来る船舶団体観光も受けていない。「1000元(約17万ウォン)の商品を受け入れても儲けはない」ためという。オフシーズンの冬にはこの団体観光商品の価格が300-500元(約5万-8万ウォン)だった。
先月30日に楊潔チ共産党政治局員が青瓦台(チョンワデ、大統領府)を訪問し、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の関心事項はすぐに可視的な成果が表れるはず。信じてほしい」と述べてから2週間が過ぎた。楊委員が話した文大統領の関心事項とは、韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備後に消えた中国人団体観光、ロッテマートの売却と瀋陽ロッテワールドプロジェクトの再開などだ。しかし旅行会社・ホテル・免税店など韓国の内需に影響を及ぼす中国人団体観光は変化の兆しが全くない。チョン・グンヒ韓国観光公社次長は「支社を通じて中国の情報を受けているが、変わったものはない」と述べた。中国大手旅行会社のある関係者は「韓国団体観光はいつも敏感な事案なので(中国当局の指針がなければ)むやみに動くことはできない。変化はない」と話した。
楊潔チ政治局員の発言後、アモーレパシフィックなど中国関連株は期待感から値上がりしたが、その後は横ばいだ。「限韓令」以降、観光インフラには亀裂が生じている。廃業した中国専門旅行会社は25%近い。中華東南亜旅行業協会の関係者は「1、2月に121カ所の会員業者を対象に調査した結果、30カ所が廃業したり代表と連絡が取れない状態」と述べた。倒産した旅行会社も少なくないことが分かった。一部の旅行会社は苦肉の策として東南アジアや日本に支社を置いて中国人を誘致している。韓国の旅行会社が中国人を対象に東南アジアで旅行サービスを提供するという形態だ。
中国インバウンドは事実上「免税店送客業」に変わった。業界によると、従来の中国インバウンドは「代購旅行会社」と「一般旅行会社」に分かれる。代購旅行会社とは代理買い付け商人を専門的に扱う旅行会社だ。旅行会社はこうした商人を免税店に送り、免税店から手数料を受ける。多くの収益がここから生じるため旅行サービスより代購の誘致が目的だ。購買力が高い代購を誘致するために大きな費用を投じるが、中国現地旅行会社にチップを渡して中国人を誘致する「人頭税」がその代表的な例だ。
現在はこうした流れが一般旅行客対象の旅行会社にまで広がった。A旅行会社は冬まで個別旅行客を扱っていたが、春からは「代購旅行会社」に転換した。旅行会社の職員Bは「結局、収益は免税店で生じるが、代購を誘致すれば手数料が一般旅行客の倍になるため」と話した。匿名を求めた業界関係者Cは「公式的な送客手数料のほかにも、売り上げが多い旅行会社に限り年末に支給するインセンティブなどリベートも問題」とし「免税店ショッピングだけに集中して観光はない悪循環が続くしかない構造」と話した。続いて「毎月30万人水準の中国人入国者数が維持されるのも1カ月に何度も入ってくる代購商人のため」と話した。
2月の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)期間中に誘致した中国人団体観光客2万人からも利益は生じなかった。五輪期間中に中国人団体観光客1500人を誘致した旅行会社代表Dは「旅行目的ではなく5年間の韓国ビザを受けに来た人たち」とし「弁当を持ってくる旅行客もいた」と話した。これに先立ち政府は五輪期間中に「20万ウォン(約2万円)のチケット」を所持する中国人に対してノービザ入国を認め、5年間のマルチビザを発給した。
イ・ヨンテク漢陽大観光学部教授は「団体旅行客を誘致するよりも、観光業界の慣行を改善するなど内部を省みるのが先だ」と述べた。
中国・東南アジア専門インバウンド(訪韓外国人対象の観光サービス)旅行会社のある役員の言葉だ。この役員は「中国現地の旅行会社が旅行客を募集しないのでどうすることもできない。昨年の冬から中国の代わりにベトナムに集中している」と話した。この旅行会社は中国当局が昨年末に団体観光を認めた「限韓令解除地域」の山東省から来る船舶団体観光も受けていない。「1000元(約17万ウォン)の商品を受け入れても儲けはない」ためという。オフシーズンの冬にはこの団体観光商品の価格が300-500元(約5万-8万ウォン)だった。
先月30日に楊潔チ共産党政治局員が青瓦台(チョンワデ、大統領府)を訪問し、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の関心事項はすぐに可視的な成果が表れるはず。信じてほしい」と述べてから2週間が過ぎた。楊委員が話した文大統領の関心事項とは、韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備後に消えた中国人団体観光、ロッテマートの売却と瀋陽ロッテワールドプロジェクトの再開などだ。しかし旅行会社・ホテル・免税店など韓国の内需に影響を及ぼす中国人団体観光は変化の兆しが全くない。チョン・グンヒ韓国観光公社次長は「支社を通じて中国の情報を受けているが、変わったものはない」と述べた。中国大手旅行会社のある関係者は「韓国団体観光はいつも敏感な事案なので(中国当局の指針がなければ)むやみに動くことはできない。変化はない」と話した。
楊潔チ政治局員の発言後、アモーレパシフィックなど中国関連株は期待感から値上がりしたが、その後は横ばいだ。「限韓令」以降、観光インフラには亀裂が生じている。廃業した中国専門旅行会社は25%近い。中華東南亜旅行業協会の関係者は「1、2月に121カ所の会員業者を対象に調査した結果、30カ所が廃業したり代表と連絡が取れない状態」と述べた。倒産した旅行会社も少なくないことが分かった。一部の旅行会社は苦肉の策として東南アジアや日本に支社を置いて中国人を誘致している。韓国の旅行会社が中国人を対象に東南アジアで旅行サービスを提供するという形態だ。
中国インバウンドは事実上「免税店送客業」に変わった。業界によると、従来の中国インバウンドは「代購旅行会社」と「一般旅行会社」に分かれる。代購旅行会社とは代理買い付け商人を専門的に扱う旅行会社だ。旅行会社はこうした商人を免税店に送り、免税店から手数料を受ける。多くの収益がここから生じるため旅行サービスより代購の誘致が目的だ。購買力が高い代購を誘致するために大きな費用を投じるが、中国現地旅行会社にチップを渡して中国人を誘致する「人頭税」がその代表的な例だ。
現在はこうした流れが一般旅行客対象の旅行会社にまで広がった。A旅行会社は冬まで個別旅行客を扱っていたが、春からは「代購旅行会社」に転換した。旅行会社の職員Bは「結局、収益は免税店で生じるが、代購を誘致すれば手数料が一般旅行客の倍になるため」と話した。匿名を求めた業界関係者Cは「公式的な送客手数料のほかにも、売り上げが多い旅行会社に限り年末に支給するインセンティブなどリベートも問題」とし「免税店ショッピングだけに集中して観光はない悪循環が続くしかない構造」と話した。続いて「毎月30万人水準の中国人入国者数が維持されるのも1カ月に何度も入ってくる代購商人のため」と話した。
2月の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)期間中に誘致した中国人団体観光客2万人からも利益は生じなかった。五輪期間中に中国人団体観光客1500人を誘致した旅行会社代表Dは「旅行目的ではなく5年間の韓国ビザを受けに来た人たち」とし「弁当を持ってくる旅行客もいた」と話した。これに先立ち政府は五輪期間中に「20万ウォン(約2万円)のチケット」を所持する中国人に対してノービザ入国を認め、5年間のマルチビザを発給した。
イ・ヨンテク漢陽大観光学部教授は「団体旅行客を誘致するよりも、観光業界の慣行を改善するなど内部を省みるのが先だ」と述べた。
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