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【取材日記】<韓国#MeToo>国民はばかではない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政界が#MeToo(ハッシュタグミートゥー)運動に対する態度が佳境に入ろうとしている。野党の自由韓国党(以下、韓国党)は最近、進歩陣営からセクハラス・キャンダルが登場するたびに論評を出している。11日、張済元(チャン・ジェウォン)韓国党首席報道官は「国民は文在寅(ムン・ジェイン)政権と秋美愛(チュ・ミエ)代表の民主党を(セクハラ・スキャンダルを意味する「性醜聞(ソンチュムン)」と大統領と党代表の姓を用いた「性秋文(ソンチュムン)」を引っ掛けた)『ソンチュムン民主党』、『チュムン党』と呼んでいる」と批判した。閔丙ドゥ(ミン・ビョンドゥ)民主党議員がある女性事業家のセクハラ暴露に「私の分からないような誤りであっても議員職を辞す」と明らかにした翌日だった。

先週一週間は「民主党残酷史」と言っても過言ではない。安熙正(アン・ヒジョン)前忠清南道(チュンチョンナムド)知事の政務秘書キム・ジウンさんが安氏から性暴行を受けたと暴露したことに続き、ソウル市長出馬意思を表明していた鄭鳳株(チョン・ボンジュ)前議員や閔議員に至るまで、次々とスキャンダルが浮上した。「(#MeToo運動を)もう少しヒートアップさせて左派がもっとつまずけば良いのに」という洪準杓(ホン・ジュンピョ)韓国党代表の願いがかなえられたかのような話だ。

問題はこのような陣営論理のために、性暴力を受けた被害者の本当に声が埋もれてしまう可能性があるという点だ。韓国党議員のある女性補佐陣は「保守陣営が#MeTooに真心を持って参加すれば自然と民主党の勢いを削ぐ機会も生まれるはずなのに、むしろ陣営論理を強調してそれをつぶしてしまったという話が出ている」とし「#MeTooを選挙に利用しようとする勢力のせいで、被害者はまた口を閉じてしまう」と懸念を示した。


#MeTooを陣営論理に適用させたのは民主党も同じだった。民主党は今年1月、徐志賢(ソ・ジヒョン)検事が過去の強制わいせつ被害を暴露した時、韓国党に厳しく詰め寄った。当時、検事長として安兌根(アン・テグン)検察局長の強制わいせつ事実を隠蔽したという疑惑が持たれていた崔教一(チェ・ギョイル)韓国党議員に向かって「言い逃れだけしている崔議員は非常に卑怯だ」〔金玄(キム・ヒョン)報道官〕と畳み掛けた。民主党がこのように強く出るほど、徐検事の暴露は政治的な意図があるのではないかという疑惑を持たざるをえなくなった。民主党もこれまで、韓国党の前身であるセヌリ党について、わいせつ疑惑や性暴行が絶えないことと引っ掛けて「性(ソン)ヌリ党」と率先して非難しており、結局、政界は何も変わっていないという指摘がある。

#MeToo局面で政界が本当にするべきことが何かについて、誰もが皆知っている。性暴力被害者が二重三重の苦痛を受けないように制度の改善に全力を注いでもまだ足りない時に「誰がやましくないか競ってみよう」というのは、とても情けない話ではないか。理念を離れ、性別を離れて、このような事態になるまで放置していたことだけでもやましくない人などいない。どの政党が真心を持って解決法を模索するのか、また、どの政党が選挙の有利・不利を計算しようと汲々としていたかは、国民がちゃんと判断するだろう。国民はばかではない。

キム・ギョンヒ/政治部記者



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