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韓経:【コラム】韓半島の運転席にだれが座っているのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「北朝鮮の決定に両手を挙げて言いなりになる姿を見てあきれるばかりだ」。

哨戒艦爆沈主犯の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党統一戦線部長の訪韓に対し千英宇(チョン・ヨンウ)元青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官が自身のフェイスブックに上げた文だ。あきれているのは彼だけだろうか。哨戒艦46勇士の遺族らは「遺族の胸を引き裂くもの」と怒りをあらわにした。保守野党は「戦犯の訪韓を受け入れることはできない」として京畿道坡州(キョンギド・パジュ)の統一大橋で肉弾阻止闘争に乗り出した。こうした議論にも金英哲一行は25日に韓国政府が用意した迂回軍事道路を通じソウルに入ってきた。

◇哨戒艦遺族に事前了承得るべき


韓国政府が金英哲の訪韓を文句なく受け入れることを決めた時、こうした議論を予想しただろう。それでも統一部は北朝鮮の通知文を受け取ってから3~4時間後に「受け入れる予定」とし、すぐに青瓦台は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が金英哲に会うだろう」と念を押した。国民疎通を重視してきた文大統領の国政哲学を考慮すれば政府は最小限哨戒艦遺族らには事前了解を求めるのが道理だった。遺族らは「子どもを死に追いやった者が来るのに政府は遺族らに通知でもするのが礼儀ではないのか」と糾弾した。女子アイスホッケー南北合同チーム構成の時に議論となった選手らとのコミュニケーション不足問題が再演されたのだ。

文大統領は朴槿恵(パク・クネ)政権の韓日慰安婦合意を事実上無効化しこのように話した。「内容と手続きすべて誤った。何より被害当事者と国民が排除された政治的合意だったという点で非常に心が痛い」。そんな文大統領が哨戒艦遺族らの理由ある抗弁をどのように癒やしてくれるのか気になる。

文大統領の迅速な決断を理解できないのではない。北朝鮮を非核化対話に引き出すよりもさらに緊急なことがどこにあるだろうか。韓半島(朝鮮半島)4月危機説が広がっているいまが準戦時状況であるとみるならさらにそうだ。だが韓国政府が北朝鮮に「金英哲以外に派遣する幹部はいないか」と尋ねたのかはわからないが、韓国があまりに言いなりになっているという感を消すことはできない。よほどでなければ「金正恩(キム・ジョンウン)が韓半島の運転席に座った」という話が出てくるだろうか。

◇危険に見える文大統領の運転台

米国の視線も好ましくない。米国務省は「金英哲が哨戒艦記念館に行くことを望む」と話した。24日に文大統領とトランプ米大統領の長女のイバンカ大統領補佐官の青瓦台での夕食会でも温度差が感知された。文大統領は「せっかくつかんだこの対話の機会をうまく生かしていこう」と述べた。イバンカ補佐官は南北対話には一言も言及せず「北朝鮮への圧力が効果を上げた。韓国の対北朝鮮制裁努力を支持する」とだけ述べた。骨のある発言だった。

数時間後にトランプ大統領は娘に調子を合わせるかのように追加北朝鮮制裁を発表した。まだ北朝鮮に非核化の意志がないとみたためだ。南北対話を活用して制裁基調を無力化し韓米同盟の亀裂を助長しようとする金正恩に「むだなあがきはやめろ」という警告だった。トランプ大統領は「今回の制裁に効果がなければ第2段階に進まなければならないだろう。第2段階はとても厳しいものになる可能性があり、全世界に非常に不幸になるかもしれない」とした。「厳しい第2段階」とは対北朝鮮軍事オプションと解釈される。

文大統領は対話を、トランプ大統領は圧力をかけることで役割分担がなされたとすれば幸いだが、そうでないならば文大統領の運転台は危険に見える。文大統領が南北対話で北朝鮮に譲歩を引き出すことができなければ運転席から降りなければならないかもしれない。国論はさらに分裂し韓米同盟も大きく損なわれたままだからだ。





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