ドナルド・トランプはなぜオバマ以来のアジア太平洋戦略を拡大・修正してインド太平洋戦略の旗を掲げるのか。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は韓国もトランプが掲げた旗についていく意思があるとのニュアンスの話をしたが、それは果たして正しい路線なのか。
トランプの中国封鎖戦略に新たに編入されるインドの戦略的位置をまず見てみよう。人口13億2000万人の大国インドを中心に、東・西南アジア地図を見ると、東にはベンガル湾を間に置いて東南アジア国家であるミャンマーと向かい合っている。インド北東部4州はミャンマー北西部のラカイン州と国境を接している。地図上で特に目を引くのは、インド東部マ二プール州モレ(Moreh)がベンガル湾を越えてインドシナ半島の西部に位置していることだ。
インドの北側では緩衝地帯の役割を果たせないネパールとブータンの向こう側で人口13億8000万の大国・中国がインドの首根っこを抑えている。ヒマラヤ山地では二つの大国の国境が触れ合う部分もあり、常に緊張している。北西側には宗教・領土をめぐって血みどろの争いを繰り広げているパキスタンがある。南に広がったインド洋からマレー半島南部とスマトラ島の間の狭い水路マラッカ海峡を過ぎれば太平洋が現れる。インド洋の珊瑚島ディエゴガルシアには米国の衛星利用測位システム(GPS)通信基地5カ所のうち一つと海軍基地がある。戦略核兵器が秘密裏に配備されたことでも知られている。
中国広州→南シナ海→マラッカ海峡→インド洋→東アフリカと紅海のスエズ運河→地中海を経て欧州につながる習近平の一帯一路のうち、海上シルクロードはインドとインド洋を避けて通ることはできない。このように中国の海上シルクロードにおいてインドとインド洋が占める戦略的比重が大きいため、米国と中国と日本の間でインドを抱き込もうとする争いが激しさを増している。
21世紀前半が過ぎる前に、中国は遠く米国より、国境を隣り合わせていて2022年に世界最大の人口国となり、高齢人口がはるかに少ないインドとユーラシア大陸の覇権を争わなければならない境遇に陥るだろう。インドのMITと言われる4校のインド工大(IIT)は、米国シリコンバレーに進出する最高の科学・技術人材を輩出している。インドの事情に明るい韓国専門家の言葉通り、インドが長期的に中国の脅威に不安がる理由がない。中国はインドの抱き込み競争から一旦退き、ミャンマーとパキスタンに対する集中投資でインドを包囲する戦略に転換した。
中国はミャンマーに36億ドル(約4052億円)規模のミトソネ水力発電所を建設中だ。生産される電力の90%を中国が買い取るという計画だ。現地少数民族や環境団体の反対で工事が日程通り進んでいないが、中国は発電所建設をあきらめないだろう。昨年3月、ティン・チョー大統領の訪中時は、ミャンマー西部のマディ島から中国雲南省に達する全長771キロのパイプラインの建設にも合意した。中国はまた、73億ドルという工事費がかかるシットウェ~チャウピュ港湾建設に弾みをつけている。
米国のインド太平洋戦略、中印の文明衝突を予告…韓国は?(2)
トランプの中国封鎖戦略に新たに編入されるインドの戦略的位置をまず見てみよう。人口13億2000万人の大国インドを中心に、東・西南アジア地図を見ると、東にはベンガル湾を間に置いて東南アジア国家であるミャンマーと向かい合っている。インド北東部4州はミャンマー北西部のラカイン州と国境を接している。地図上で特に目を引くのは、インド東部マ二プール州モレ(Moreh)がベンガル湾を越えてインドシナ半島の西部に位置していることだ。
インドの北側では緩衝地帯の役割を果たせないネパールとブータンの向こう側で人口13億8000万の大国・中国がインドの首根っこを抑えている。ヒマラヤ山地では二つの大国の国境が触れ合う部分もあり、常に緊張している。北西側には宗教・領土をめぐって血みどろの争いを繰り広げているパキスタンがある。南に広がったインド洋からマレー半島南部とスマトラ島の間の狭い水路マラッカ海峡を過ぎれば太平洋が現れる。インド洋の珊瑚島ディエゴガルシアには米国の衛星利用測位システム(GPS)通信基地5カ所のうち一つと海軍基地がある。戦略核兵器が秘密裏に配備されたことでも知られている。
中国広州→南シナ海→マラッカ海峡→インド洋→東アフリカと紅海のスエズ運河→地中海を経て欧州につながる習近平の一帯一路のうち、海上シルクロードはインドとインド洋を避けて通ることはできない。このように中国の海上シルクロードにおいてインドとインド洋が占める戦略的比重が大きいため、米国と中国と日本の間でインドを抱き込もうとする争いが激しさを増している。
21世紀前半が過ぎる前に、中国は遠く米国より、国境を隣り合わせていて2022年に世界最大の人口国となり、高齢人口がはるかに少ないインドとユーラシア大陸の覇権を争わなければならない境遇に陥るだろう。インドのMITと言われる4校のインド工大(IIT)は、米国シリコンバレーに進出する最高の科学・技術人材を輩出している。インドの事情に明るい韓国専門家の言葉通り、インドが長期的に中国の脅威に不安がる理由がない。中国はインドの抱き込み競争から一旦退き、ミャンマーとパキスタンに対する集中投資でインドを包囲する戦略に転換した。
中国はミャンマーに36億ドル(約4052億円)規模のミトソネ水力発電所を建設中だ。生産される電力の90%を中国が買い取るという計画だ。現地少数民族や環境団体の反対で工事が日程通り進んでいないが、中国は発電所建設をあきらめないだろう。昨年3月、ティン・チョー大統領の訪中時は、ミャンマー西部のマディ島から中国雲南省に達する全長771キロのパイプラインの建設にも合意した。中国はまた、73億ドルという工事費がかかるシットウェ~チャウピュ港湾建設に弾みをつけている。
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