エフエヌガイドのキム・グンホ社長は「韓国経済は『サムスンの呪い』にかかっている」と述べた。エフエヌガイドは韓国企業を数字で分析する会社だ。キム社長は30年以上もこのような仕事を続けてきた。そのキム社長が韓国トップ企業のサムスンを呪いだと表現した。どういうことか。キム社長はサムスンの呪いが「韓国、韓国経済に3つの『間違った目(視)』を持たせた」と話した。
「錯視が1つ目だ。半導体輸出のようなものが代表的だ。サムスンだけが好調だが、韓国経済が好調だという幻想に陥っている。サムスンのおかげで大きな数字が良いので油断する。浮かれて構造調整や改革・挑戦のような言葉を忘れる。そして半導体景気が急落すれば韓国経済も大きな打撃を受ける。1997年の通貨危機がそうだ。こういうことは一度で十分だが、すでに何度か繰り返している。だから呪いというしかない」。
--呪いは逆説的な表現だという意味で理解する。残りの2つは何か。
「サムスン電子の今年の平均賃金は1億700万ウォン(約1130万円)だ。製造業の平均4300万ウォンの倍を超える。ここで2つ目の呪い、『嫉視』が生じる。韓国人は空腹は我慢できても妬みは我慢できない。自分もサムスンと同じくらい受けなければいけない。しかしそれは現実的に不可能だ。このためサムスンを非難して引き下ろす。サムスン電子が入社したい企業1位でありながら非難を浴びる企業1位である理由だ。3つ目は『斜視』、ゆがんだ目だ。サムスンの好調が自分と何の関係があるのか。サムスン一人が満腹で結構なことだ。こういうゆがんだ視線が財閥全体に広がる。結局『一人勝ちする財閥はなくなればよい』にまで発展する。ねじれた心と反感も長く積もれば国民感情となる。このような呪いを解くことができなければ韓国に、韓国経済に明日はない」。
韓国経済の明日が気になった。来年はどうなるのか。サムスンの呪いから解き放たれる元年になるのだろうか。容易ではなさそうだ。しかしすでに変化は始まった。国内外の政治・経済・通商・外交・安保地形がすべて変わっている。来年のサムスンの姿は今年とはかなり違うはずだ。サムスンの来年はまさに険しい道だ。全方向の課題がサムスンの前にある。中では古い支配構造問題と構造調整課題、労治の時代にぶつかり、外では米国の法人税引き下げ、中国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復にも対抗しなければいけない。サムスンだけでなく韓国経済の課題でもある。どれ一つ容易なことではない。乗り越えればサムスンの呪いを解いて韓国経済が慢性病から抜け出す契機になるだろう。果たして来年の韓国経済には治癒と希望が芽生えるだろうか。サムスンの当面の課題を通じて2018年の韓国経済を診断してみた。分析と展望はユアンタ証券リサーチセンターのサポートを受けた。
◆錯視の目、半導体
半導体錯視の出発はサムスン電子だ。サムスン電子の年間売上高は200兆ウォン、営業利益は30兆ウォンを超える。サムスン電子がなければKOSPI(韓国総合株価指数)の時価総額の21%が消え、雇用16万件、法人税7%(2016年、3兆2000億ウォン)もなくなる。輸出はさらに致命的だ。昨年の韓国の輸出の5分の1(1033億ドル)がサムスン電子で生じた。
今年は特に半導体錯視が目立った。SKハイニックスの善戦までが重なり、先月まで全体輸出のうち半導体が16.8%を占めた。このおかげで525の上場企業の営業利益も9月まで26兆ウォン増えた。株価は2500を超え、過去最高値となった。しかしサムスン電子とSKハイニックスを除いた数字は良くない。上場企業523社の営業利益は1000億ウォン増にすぎない。株価は1800にかろうじて達するレベルだ。
韓国銀行(韓銀)は韓国経済が今年3%、来年も3%前後の成長が可能だと予想した。政府は来年初めに1人あたりの所得が3万ドルを超えると予想した。こうした数字を作り出したのも半導体の好況だ。半導体を除いた韓国経済の本当に体力はみすぼらしい。半導体の好況に油断して予期せぬ危機を迎えないか心配される。すでに前歴がある。1993-95年の前代未聞の半導体好況が終わった後、韓国経済は97年に通貨危機を迎えた。2002-2004年のDRAM好況が過ぎると、2008年に金融危機が訪れた。半導体の好況の中、産業構造改革と斜陽産業の構造調整を先延ばしにして迎えた危機だ。
来年の状況もそれほど変わらないだろう。2-3年周期の半導体好況は来年まで続く見通しだ。今年の世界DRAM市場は供給不足が目立った。人工知能(AI)、自動運転車、ビッグデータのような第4次産業革命に備え、グローバル情報技術(IT)企業がサーバー関連の投資を積極的に増やしたからだ。さらにサムスン電子が一部のDRAMラインをシステムLSIに転換し、供給不足が深刻になった。こうした状況はサムスン電子が供給を増やし始める来年4-6月期まで続くだろう。ユアンタ証券企業分析チームはサムスン電子の2018年の売上高・営業利益をそれぞれ270兆ウォン・68兆ウォンと予想した。DRAMの営業利益は24兆ウォン(前年比16%↑)、NAND部門は16兆ウォン(前年比23%↑)増えると予想した。
半導体周期で見ると来年が好況のピークと考えられる。来年が「錯視の目」を正す最後の時間という意味でもある。半導体錯視のため造船・鉄鋼・建設・石油化学など脆弱産業の構造調整をまた先送りする場合、韓国経済の未来はない。サムスンの呪いも終わらないだろう。
「サムスンの呪い」を解いてこそ韓国経済に希望がある(2)
「錯視が1つ目だ。半導体輸出のようなものが代表的だ。サムスンだけが好調だが、韓国経済が好調だという幻想に陥っている。サムスンのおかげで大きな数字が良いので油断する。浮かれて構造調整や改革・挑戦のような言葉を忘れる。そして半導体景気が急落すれば韓国経済も大きな打撃を受ける。1997年の通貨危機がそうだ。こういうことは一度で十分だが、すでに何度か繰り返している。だから呪いというしかない」。
--呪いは逆説的な表現だという意味で理解する。残りの2つは何か。
「サムスン電子の今年の平均賃金は1億700万ウォン(約1130万円)だ。製造業の平均4300万ウォンの倍を超える。ここで2つ目の呪い、『嫉視』が生じる。韓国人は空腹は我慢できても妬みは我慢できない。自分もサムスンと同じくらい受けなければいけない。しかしそれは現実的に不可能だ。このためサムスンを非難して引き下ろす。サムスン電子が入社したい企業1位でありながら非難を浴びる企業1位である理由だ。3つ目は『斜視』、ゆがんだ目だ。サムスンの好調が自分と何の関係があるのか。サムスン一人が満腹で結構なことだ。こういうゆがんだ視線が財閥全体に広がる。結局『一人勝ちする財閥はなくなればよい』にまで発展する。ねじれた心と反感も長く積もれば国民感情となる。このような呪いを解くことができなければ韓国に、韓国経済に明日はない」。
韓国経済の明日が気になった。来年はどうなるのか。サムスンの呪いから解き放たれる元年になるのだろうか。容易ではなさそうだ。しかしすでに変化は始まった。国内外の政治・経済・通商・外交・安保地形がすべて変わっている。来年のサムスンの姿は今年とはかなり違うはずだ。サムスンの来年はまさに険しい道だ。全方向の課題がサムスンの前にある。中では古い支配構造問題と構造調整課題、労治の時代にぶつかり、外では米国の法人税引き下げ、中国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復にも対抗しなければいけない。サムスンだけでなく韓国経済の課題でもある。どれ一つ容易なことではない。乗り越えればサムスンの呪いを解いて韓国経済が慢性病から抜け出す契機になるだろう。果たして来年の韓国経済には治癒と希望が芽生えるだろうか。サムスンの当面の課題を通じて2018年の韓国経済を診断してみた。分析と展望はユアンタ証券リサーチセンターのサポートを受けた。
◆錯視の目、半導体
半導体錯視の出発はサムスン電子だ。サムスン電子の年間売上高は200兆ウォン、営業利益は30兆ウォンを超える。サムスン電子がなければKOSPI(韓国総合株価指数)の時価総額の21%が消え、雇用16万件、法人税7%(2016年、3兆2000億ウォン)もなくなる。輸出はさらに致命的だ。昨年の韓国の輸出の5分の1(1033億ドル)がサムスン電子で生じた。
今年は特に半導体錯視が目立った。SKハイニックスの善戦までが重なり、先月まで全体輸出のうち半導体が16.8%を占めた。このおかげで525の上場企業の営業利益も9月まで26兆ウォン増えた。株価は2500を超え、過去最高値となった。しかしサムスン電子とSKハイニックスを除いた数字は良くない。上場企業523社の営業利益は1000億ウォン増にすぎない。株価は1800にかろうじて達するレベルだ。
韓国銀行(韓銀)は韓国経済が今年3%、来年も3%前後の成長が可能だと予想した。政府は来年初めに1人あたりの所得が3万ドルを超えると予想した。こうした数字を作り出したのも半導体の好況だ。半導体を除いた韓国経済の本当に体力はみすぼらしい。半導体の好況に油断して予期せぬ危機を迎えないか心配される。すでに前歴がある。1993-95年の前代未聞の半導体好況が終わった後、韓国経済は97年に通貨危機を迎えた。2002-2004年のDRAM好況が過ぎると、2008年に金融危機が訪れた。半導体の好況の中、産業構造改革と斜陽産業の構造調整を先延ばしにして迎えた危機だ。
来年の状況もそれほど変わらないだろう。2-3年周期の半導体好況は来年まで続く見通しだ。今年の世界DRAM市場は供給不足が目立った。人工知能(AI)、自動運転車、ビッグデータのような第4次産業革命に備え、グローバル情報技術(IT)企業がサーバー関連の投資を積極的に増やしたからだ。さらにサムスン電子が一部のDRAMラインをシステムLSIに転換し、供給不足が深刻になった。こうした状況はサムスン電子が供給を増やし始める来年4-6月期まで続くだろう。ユアンタ証券企業分析チームはサムスン電子の2018年の売上高・営業利益をそれぞれ270兆ウォン・68兆ウォンと予想した。DRAMの営業利益は24兆ウォン(前年比16%↑)、NAND部門は16兆ウォン(前年比23%↑)増えると予想した。
半導体周期で見ると来年が好況のピークと考えられる。来年が「錯視の目」を正す最後の時間という意味でもある。半導体錯視のため造船・鉄鋼・建設・石油化学など脆弱産業の構造調整をまた先送りする場合、韓国経済の未来はない。サムスンの呪いも終わらないだろう。
「サムスンの呪い」を解いてこそ韓国経済に希望がある(2)
この記事を読んで…