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【社説】文大統領の訪中が外交惨事として記録されないためには

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日の中国北京大学での演説で、「中国と韓国は近代史の苦難を共に経験して克服した同志」とし「今回の中国訪問がこうした同志的信義を基礎に両国関係を一次元さらに発展させていく出発点になることを希望する」と述べた。続いて「韓中両国は北の核保有をいかなる場合も容認せず、北の挑発を防ぐために強力な制裁と圧力が必要だという確固たる立場を共有している」と話した。

しかし習近平国家主席との首脳会談をはじめとする訪中の成果をみると、果たして文大統領が考えるように中国は韓国を同志と見ているのか、北朝鮮の核挑発に対して両国が同じ考えをしているのか、疑問を抱かざるを得ない。青瓦台(チョンワデ、大統領府)が出した首脳会談の結果としての「4大原則」合意を見てもそうだ。4大原則のうち韓半島戦争不用と韓半島非核化、対話による平和的解決の3つは1993年の北朝鮮の「核拡散防止条約(NPT)脱退で浮上した北核危機以降、中国が助詞一つ変えずに主張してきている内容だ。ここに南北関係改善が韓半島問題の解決に寄与するという、宣言してもそれほど意味のない条項が追加されただけだ。さらに中国側の発表によると、この4大原則がともに習主席が「強調」する内容として紹介されている。それが事実なら、習主席が「訓示」する内容を文大統領が書き取って「4大原則」として発表したとも言えそうだ。こうした解釈は青瓦台としては悔しく思うかもしれないが、首脳会談で我々が新しく得たものが何かを一つも提示できない状況では弁解の余地がない。

少なくとも文大統領としては、中国人民日報の姉妹紙・環球時報が指摘したように北朝鮮核兵器の1次目標は韓国であるため、韓半島非核化のために中国が対北朝鮮圧力により積極的に取り組むことを要請するべきだった。しかし中国に堂々と要求するべき原油供給中断など具体的な対北朝鮮制裁については一言も言及しなかった。むしろ我々が対話テーブルに上がらないことを強く望んだ高高度防衛ミサイル(THAAD)問題に習主席がまた言及し、「適切に処理しなさい」という要求を聞いただけだ。


両国の首脳会談に関する発表内容を見ると、中国は国連安保理レベルの制裁以上の独自制裁はする意向がなく、THAAD問題は決して終わっていないという点を明確にしている。一方の韓国は、北朝鮮が核武力完成を宣言した状況で、韓半島非核化に向けた中国の具体的協力の約束もなく韓半島戦争不用だけを強調したということだ。我々の今後の選択幅を狭める結果をもたらしただけだ。特に、北朝鮮の核放棄のために軍事的オプションを排除せず、一部ではその期間が3カ月しか残っていないという分析まで出している同盟国の米国との連携がさらに揺れるという負担まで抱えることになった。

こうした状況をみると、習主席が次期冬季オリンピック(五輪)開催国の首班として平昌(ピョンチャン)五輪に出席してほしいという韓国側の要請に中国が答えなかったことや、中国が国賓として訪問した文大統領を冷遇した状況などはむしろ些細なことなのかもしれない。にもかかわらず内容のない首脳会談の結果より、そのような「冷遇論」ばかり気にして強く否認する青瓦台の態度は、問題の軽重を判断できない愚を冒している。

青瓦台は大統領夫妻の食事について中国の国民に近づく姿を見せるためのものだと説明するが、どう見ても大統領が中国でする10回の食事のうち中国側とする食事が2回しかないというのは問題がある。国内でよく通用している「感性政治」が国際舞台でも同じように「感性外交」として通用すると判断しているのなら大きな誤算だ。それが意図的に企画したものなら、大統領をそれほど暇な人物と認識した関係者の厳重な問責がなければいけない。

さらに重要なのは、今からでも中国に対する幻想と期待を捨てなければいけないという点だ。中国の内心を知った今、我々が北核に対処できる方法は米国との確実な連携だけだ。文大統領がそれを学んで帰ってくれば、今回の訪中はなぜ行ったのかも分からない「外交惨事」として記録されないだろう。



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