観客を裏切らない折り紙付きの演技派であり、毎回予想を覆す変身で観客を驚かせる俳優。ソル・キョング(50)をこのように紹介してもいいのではないだろうか。配役によっては30キロ近く体重を増やしたり減らしたりする。今回はソル・ギョングが演じられる顔の中でも、最も乾燥し背筋が寒くなるような姿を演じている。7日に公開される映画『殺人者の記憶法』(キム・ヨンハ原作、ウォン・シニョン監督)だ。記憶を失った連続殺人犯の姿を描いている。
ソル・ギョングが演じたキム・ビョンスはアルツハイマーを患う老人で、17年前に足を洗った連続殺人犯だ。ソル・ギョングは特殊メークも施さず、10キロの減量と乾いた表情で老人の顔を表現してみせた。そのため、映画が始まると同時に白くなった頭と軽く顔面けいれんを起こして登場する彼の姿に釘付けになる。試写会でも「本当にソル・キョングなのか」と感嘆する声があちこちから上がった。
30日、ソウル八判洞(パルパンドン)で会ったソル・キョングは「老人の扮装をしなかったら分からなかっただろうが、わずか数年前に演じたものを再びやることはできないと判断した」と話した。『私の独裁者』(2014)で毎日5時間の特殊メークを通じて70歳の金日成(キム・イルソン)の代役を演じ、18キロを減量した『オアシス』(2002)から28キロを増量した『力道山』(2004)まで、からだ作りでフィルモグラフィーを築いてきた彼らしく「今度は老いてみる」と豪語した。
彼は毎日撮影直前の2時間は縄跳びをして炭水化物はもちろん水分まで調節しながらビョンスになりきっていった。「『オアシス』以降、ずっと縄跳びをしている」というソル・ギョングは「天気や場所に縛られることなく狭い部屋の中でもできる運動で、今朝もしてきた。カンヌやヴェネツィア映画祭に行く時も縄跳びを持っていく」として縄跳び礼賛論を繰り広げた。
今回の映画で彼が自分自身を極限に追い詰めたのには2つの理由があった。一つはキム・ヨンハの原作小説に描かれたビョンスの姿だった。
「本当は原作を読まないでおこうと思っていました。でもシナリオを見て気になって我慢できなくなったんです。一気に読了しましたが、監督はビョンスを50代後半に設定しました。でも、最近なら50代はまだ青年でしょう。それで少なくとも60歳以上には見えなければならないと考えました。快感のために殺人をする原作のキャラクターと死んで当然な人を一掃するという名分で殺人をする映画の中のキャラクターは全くの別人に近かったですが、相通じる感じを与えたかったんです」。
もう一つは激しさへの回復だった。数年前まで、俳優ソン・ガンホと累積観客数 1・2位を争っていたソル・ギョングは『公共の敵2013』以降、これといった興行作を出せずにいる。ソル・ギョングは「オ・ダルスさんは俳優が悩み苦しむ時、観客はもっと楽しみ、立体的に感じるようだと話していたのを聞いて、あっと思った」とし「しばらくの間、これといった悩みも持たずに作品に臨んでいたが、悩みに終わりはないという事実に今一度気がついた」と明らかにした。虚しさとマンネリズムに陥っていた時に会った作品を通じて、もう一度大きな山を越えるのに成功したのだ。
娘のウニ(ソリョン扮)、警察のミン・テジュ(キム・ナムギル扮)、アン刑事(オ・ダルス扮)ら主要登場人物は原作をモチーフに映画のために新たに作られたキャラクターだ。ソル・キョングは彼らをうまくひとつにまとめる。日記形式のナレーションはソル・キョング特有の低音ボイスと重なり「小説に最も近くて最も遠い映画として作りたい」という監督の意図を効果的に体現している。
ソル・キョングは「アルツハイマーを実際に体験した人の証言を聞くことはできない状況だったので、主にドキュメンタリーなどを参考にしてすべての場面を実際だと考えて臨んだ」とし「結末に対する正解はないが、映画を見終わった後も話がずっと続き、余韻が残るような作品になっていたらと思う」と付け加えた。
ソル・ギョングが演じたキム・ビョンスはアルツハイマーを患う老人で、17年前に足を洗った連続殺人犯だ。ソル・ギョングは特殊メークも施さず、10キロの減量と乾いた表情で老人の顔を表現してみせた。そのため、映画が始まると同時に白くなった頭と軽く顔面けいれんを起こして登場する彼の姿に釘付けになる。試写会でも「本当にソル・キョングなのか」と感嘆する声があちこちから上がった。
30日、ソウル八判洞(パルパンドン)で会ったソル・キョングは「老人の扮装をしなかったら分からなかっただろうが、わずか数年前に演じたものを再びやることはできないと判断した」と話した。『私の独裁者』(2014)で毎日5時間の特殊メークを通じて70歳の金日成(キム・イルソン)の代役を演じ、18キロを減量した『オアシス』(2002)から28キロを増量した『力道山』(2004)まで、からだ作りでフィルモグラフィーを築いてきた彼らしく「今度は老いてみる」と豪語した。
彼は毎日撮影直前の2時間は縄跳びをして炭水化物はもちろん水分まで調節しながらビョンスになりきっていった。「『オアシス』以降、ずっと縄跳びをしている」というソル・ギョングは「天気や場所に縛られることなく狭い部屋の中でもできる運動で、今朝もしてきた。カンヌやヴェネツィア映画祭に行く時も縄跳びを持っていく」として縄跳び礼賛論を繰り広げた。
今回の映画で彼が自分自身を極限に追い詰めたのには2つの理由があった。一つはキム・ヨンハの原作小説に描かれたビョンスの姿だった。
「本当は原作を読まないでおこうと思っていました。でもシナリオを見て気になって我慢できなくなったんです。一気に読了しましたが、監督はビョンスを50代後半に設定しました。でも、最近なら50代はまだ青年でしょう。それで少なくとも60歳以上には見えなければならないと考えました。快感のために殺人をする原作のキャラクターと死んで当然な人を一掃するという名分で殺人をする映画の中のキャラクターは全くの別人に近かったですが、相通じる感じを与えたかったんです」。
もう一つは激しさへの回復だった。数年前まで、俳優ソン・ガンホと累積観客数 1・2位を争っていたソル・ギョングは『公共の敵2013』以降、これといった興行作を出せずにいる。ソル・ギョングは「オ・ダルスさんは俳優が悩み苦しむ時、観客はもっと楽しみ、立体的に感じるようだと話していたのを聞いて、あっと思った」とし「しばらくの間、これといった悩みも持たずに作品に臨んでいたが、悩みに終わりはないという事実に今一度気がついた」と明らかにした。虚しさとマンネリズムに陥っていた時に会った作品を通じて、もう一度大きな山を越えるのに成功したのだ。
娘のウニ(ソリョン扮)、警察のミン・テジュ(キム・ナムギル扮)、アン刑事(オ・ダルス扮)ら主要登場人物は原作をモチーフに映画のために新たに作られたキャラクターだ。ソル・キョングは彼らをうまくひとつにまとめる。日記形式のナレーションはソル・キョング特有の低音ボイスと重なり「小説に最も近くて最も遠い映画として作りたい」という監督の意図を効果的に体現している。
ソル・キョングは「アルツハイマーを実際に体験した人の証言を聞くことはできない状況だったので、主にドキュメンタリーなどを参考にしてすべての場面を実際だと考えて臨んだ」とし「結末に対する正解はないが、映画を見終わった後も話がずっと続き、余韻が残るような作品になっていたらと思う」と付け加えた。
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