京畿道利川市夫鉢邑にあるSKハイニックス利川キャンパス。サッカー場7.5個分の面積に相当する5万3000平方メートル(1万6000坪)規模の最先端生産ライン「M14」の灯りは夜になっても消えることはなかった。
SKハイニックスの事例はちょっと違う。企業の実績が良くなり、雇用が増えて周辺商圏が賑やかになり、地方自治体の財布まで分厚くなった。SKハイニックスの過去、現在、未来を現場で検証してみた。SKハイニックス利川(イチョン)キャンパスの夜は昼と格別な違いはなかった。2015年に稼働を始めた最先端半導体生産ラインM14の灯りが煌々と光を放っていた。ラインは4組3交代制で年中無休24時間稼働している。午前7時、午後3時、午後11時、生産職の交代組が入れ替わるたびに「幸せの門」と呼ばれる利川キャンパスの正門周辺は職員でごった返す。
24日午後6時、京畿道(キョンギド)利川市夫鉢邑(プバルウプ)のハイニックス前の商店街にはハイニックスの人々が怒涛のように流れ込んだ。焼肉店「ハナムデジチプ」のシン・ソンスン社長はまだ夕方が始まったばかりなのに炭火起こしに忙しかった。次々と入店する客をさばくのに全神経を向けているシンさんがやっと一言口にした。「ここの商圏はハイニックスが絶対的なんです」。
商店街周辺にはオフィステルとアパートが立ち並んでいた。ハイニックスがSKグループに編入された2012年以降、国内雇用が2653人増えた。SKハイニックスPRチームのチョン・ヒョンジェ責任は「数年前は周辺には田畑しかなかったが、今ではアパートがあちこち立ち並ぶようになった」と話した。
最近、SKハイニックスの雰囲気は本当に良い。4-6月期の売上は7兆ウォン(約6980億円)に迫り、営業利益は史上初めて3兆ウォンを超えた。営業利益率が歴代最高水準の46%、半導体を売って半分を利潤として残した。市場では年間営業利益が15兆ウォンに達するという見通しまで出てきた。2012年SKグループがハイニックスを買収した後、設備投資を前年比10%増やした攻撃的な投資のおかげだった。当時は半導体の業況が落ち込み、世界の半導体メーカーは施設投資を減らしていた時だった。
実績が好転し、会社設立以降、1995年法人税を一度だけ納めたハイニックスが19年ぶりの2014年、2度目の法人税を納めた。2014年から3年間でSKハイニックスが納めた法人税は2兆3000億ウォンに達した。利川にも同じ期間、1580億ウォンの地方法人税が入った。利川市地域開発局のユ・ムンソン局長は「ハイニックスは利川に生命線のような企業」と話した。利川商工会議所はSKハイニックスのおかげで昨年地域を潤した金額が、地方の税収と工事・資材発注額合わせて3000億ウォンに達すると分析した。利川商工会議所は利川で生活している職員や家族、建設作業員、入居社職員などによる地域消費の推定額3000億ウォンを含むと、ハイニックスによる昨年の落水効果は6000億ウォン以上なると推算した。
【コラム】SKハイニックス周辺には6000億ウォンの超好況の“落水”(2)
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