「2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)が終われば、江陵(カンヌン)スピードスケート競技場を冷凍物流倉庫として使用したい」。
今年2月、物流団地造成会社はこのような内容の提案書を江原道(カンウォンド)に送った。事業費として総額1264億ウォン(約126億円)を投入した五輪施設に東海(トンヘ、日本名・日本海)産水産物を保管するというあきれる提案だった。ハプニングで終わったが、事後活用案がない五輪競技場の現実を克明に見せる場面だ。
平昌五輪開幕を約200日後に控えた18日、中央日報取材チームは江原道江陵市浦南洞(ポナムドン)にある江陵スピードスケート競技場を訪れた。地上2階・地下2階の競技場は400メートルのトラックに観客席が8000席。柱がない国内最大規模の競技場は華麗で堂々たる姿をしていた。ここで「スピードスケート女帝」イ・サンファ(28)が五輪スピードスケート女子500メートル種目で3連覇に挑戦する。しかし半月間の大会が終わればこの競技場は「白いゾウ(white elephant)」(大規模な費用が投入されたが使い道がない施設)に転落する可能性がある。
江陵スピードスケート競技場は当初、五輪が終われば撤去する計画だった。しかし撤去と維持をめぐり2度も決定を翻した末、昨年4月に維持することで最終決定した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の「陰の人物」だった崔順実(チェ・スンシル)被告のめいのチャン・シホ氏が設立した冬季スポーツ英才センターが、この競技場の運営権を狙って維持する方向に決まったという疑惑が提起された。
五輪開幕は近づくが、依然として江陵スピードスケート競技場の事後活用案は決まっていない。最近民間に分譲してコンベンションセンターやウォーターパークとして活用する案が提示された。日本の札幌ドームのように室内サッカー場に改造し、プロサッカー江原(カンウォン)FCのホーム球場として使用しようというアイデアも出てきた。泰陵(テルン)スケートリンクの代わりに国家代表の練習場として活用しようという意見もあったが、運営費の負担とソウルとの距離が問題に指摘された。
韓国産業戦略研究院が2月に発表した報告書によると、江陵スピードスケート競技場を五輪以降に正常運営する場合、年間32億5400万ウォンの費用がかかる。一方、期待できる収入は年間10億ウォン程度だ。毎年20億ウォン以上も赤字が累積していく構造となる。ホン・ソンチャン江陵市民行動事務局長は「人口22万人の江陵にスケート競技場を3つも新しく建設するという発想自体が間違っていた。崔順実の影が見える江陵スピードスケート競技場は歴史の悲劇として残る可能性が高い」と述べた。
江陵スピードスケート競技場から徒歩5分の距離にある江陵ホッケーセンターも同じ状況だ。八角形のグレーの建物には五輪規格のアイスリンク(長さ60メートル、幅30メートル)と1万席の観客席がある。1064億ウォンの建設費がかかったが、五輪が終われば使い道がない状況だ。
アイスホッケーは当初、ソウル分散開催や原州(ウォンジュ)開催が議論されていたが、江陵での開催が決定したことで、五輪後に競技場を解体して原州に移す案が浮上した。しかし経済性の問題のため結局そのまま維持することが昨年決まった。匿名を求めたアイスホッケーの関係者は「国際オリンピック委員会(IOC)が2014年に「アジェンダ2020」を発表し、五輪競技の一部を他の都市または他国で分散開催できるようにした。平昌五輪アイスホッケー競技をソウルで開催すれば施設の事後活用・興行など、あらゆる面でメリットが多かった。しかし当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領と江原道(カンウォンド)の反対で実現しなかった」と話した。
「崔順実ゲート」の影は江陵ホッケーセンターにもあった。昨年、金鍾(キム・ジョン)前文化体育観光部次官は実業アイスホッケーチームを運営するデミョングループに江陵ホッケーセンターの事後管理を要請した。デミョンは江原道と5年間競技場を運営することで了解覚書を締結した。ところが金前次官がこれに関連し、デミョンに不当な圧力を加えたという疑惑が浮上した。デミョンは崔順実被告と関係があるという否定的なイメージと5年間で100億ウォンにのぼる運営費負担のため運営代行を放棄した。
ホ・ビョンギュ江原道庁オリンピック運営国課長は「今年4月にデミョン側が協約取り消しを決めた。しかし変動の余地があり、はっきりと話すことはできない状況」と述べた。ホン・ソンチャン局長は「五輪が終わればこれらすべてが市民の負担になるしかない」と懸念を表した。
126億円の平昌五輪スケート競技場、大会後は冷凍倉庫?(2)
今年2月、物流団地造成会社はこのような内容の提案書を江原道(カンウォンド)に送った。事業費として総額1264億ウォン(約126億円)を投入した五輪施設に東海(トンヘ、日本名・日本海)産水産物を保管するというあきれる提案だった。ハプニングで終わったが、事後活用案がない五輪競技場の現実を克明に見せる場面だ。
平昌五輪開幕を約200日後に控えた18日、中央日報取材チームは江原道江陵市浦南洞(ポナムドン)にある江陵スピードスケート競技場を訪れた。地上2階・地下2階の競技場は400メートルのトラックに観客席が8000席。柱がない国内最大規模の競技場は華麗で堂々たる姿をしていた。ここで「スピードスケート女帝」イ・サンファ(28)が五輪スピードスケート女子500メートル種目で3連覇に挑戦する。しかし半月間の大会が終わればこの競技場は「白いゾウ(white elephant)」(大規模な費用が投入されたが使い道がない施設)に転落する可能性がある。
江陵スピードスケート競技場は当初、五輪が終われば撤去する計画だった。しかし撤去と維持をめぐり2度も決定を翻した末、昨年4月に維持することで最終決定した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の「陰の人物」だった崔順実(チェ・スンシル)被告のめいのチャン・シホ氏が設立した冬季スポーツ英才センターが、この競技場の運営権を狙って維持する方向に決まったという疑惑が提起された。
五輪開幕は近づくが、依然として江陵スピードスケート競技場の事後活用案は決まっていない。最近民間に分譲してコンベンションセンターやウォーターパークとして活用する案が提示された。日本の札幌ドームのように室内サッカー場に改造し、プロサッカー江原(カンウォン)FCのホーム球場として使用しようというアイデアも出てきた。泰陵(テルン)スケートリンクの代わりに国家代表の練習場として活用しようという意見もあったが、運営費の負担とソウルとの距離が問題に指摘された。
韓国産業戦略研究院が2月に発表した報告書によると、江陵スピードスケート競技場を五輪以降に正常運営する場合、年間32億5400万ウォンの費用がかかる。一方、期待できる収入は年間10億ウォン程度だ。毎年20億ウォン以上も赤字が累積していく構造となる。ホン・ソンチャン江陵市民行動事務局長は「人口22万人の江陵にスケート競技場を3つも新しく建設するという発想自体が間違っていた。崔順実の影が見える江陵スピードスケート競技場は歴史の悲劇として残る可能性が高い」と述べた。
江陵スピードスケート競技場から徒歩5分の距離にある江陵ホッケーセンターも同じ状況だ。八角形のグレーの建物には五輪規格のアイスリンク(長さ60メートル、幅30メートル)と1万席の観客席がある。1064億ウォンの建設費がかかったが、五輪が終われば使い道がない状況だ。
アイスホッケーは当初、ソウル分散開催や原州(ウォンジュ)開催が議論されていたが、江陵での開催が決定したことで、五輪後に競技場を解体して原州に移す案が浮上した。しかし経済性の問題のため結局そのまま維持することが昨年決まった。匿名を求めたアイスホッケーの関係者は「国際オリンピック委員会(IOC)が2014年に「アジェンダ2020」を発表し、五輪競技の一部を他の都市または他国で分散開催できるようにした。平昌五輪アイスホッケー競技をソウルで開催すれば施設の事後活用・興行など、あらゆる面でメリットが多かった。しかし当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領と江原道(カンウォンド)の反対で実現しなかった」と話した。
「崔順実ゲート」の影は江陵ホッケーセンターにもあった。昨年、金鍾(キム・ジョン)前文化体育観光部次官は実業アイスホッケーチームを運営するデミョングループに江陵ホッケーセンターの事後管理を要請した。デミョンは江原道と5年間競技場を運営することで了解覚書を締結した。ところが金前次官がこれに関連し、デミョンに不当な圧力を加えたという疑惑が浮上した。デミョンは崔順実被告と関係があるという否定的なイメージと5年間で100億ウォンにのぼる運営費負担のため運営代行を放棄した。
ホ・ビョンギュ江原道庁オリンピック運営国課長は「今年4月にデミョン側が協約取り消しを決めた。しかし変動の余地があり、はっきりと話すことはできない状況」と述べた。ホン・ソンチャン局長は「五輪が終わればこれらすべてが市民の負担になるしかない」と懸念を表した。
126億円の平昌五輪スケート競技場、大会後は冷凍倉庫?(2)
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