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【コラム】「ロングパス」サッカーの誘惑=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ウリ・シュティーリケ監督が結局、更迭となった。ファンはシュティーリケ戦術の特徴をよく覚えていない。個人突破はいつも止められ、セットプレーは主に空キックで終わった。ゴール前で敵方に圧迫され、大きく前に蹴り出してなんとかクリアするその場しのぎの「ロングパス」サッカーでもしていたらどうだっただろうか。しかし、そういったサッカーは下手がする「がむしゃら攻撃」で、懐かしい名将ヒディンクにはそのような単語はない。

韓国政治にはこのロングパスサッカーが主流だ。ひとまずボールを蹴り出しておいてゴールに向かって殺到する。幸い、長身FWの頭に当たってゴールが決まれば良いが、そのような場合は珍しい。野党がウォールを作り、抵抗集団が立ち並ぶ鉄桶守備を、対策のない空中ボールが突き抜けるわけがない。政治地形が不利なほど、ロングパスサッカーの誘惑はより一層強くなる。実現できるものがないためだ。

李明博(イ・ミョンバク)政権の「747公約」はロングパスサッカーの信号弾だった。経済成長率7%、一人当たりの国民所得4万ドル、7大先進国入りという華やかな空中ボールは、BSE(牛海綿状脳症)のろうそくデモでめちゃくちゃになった。すると「コソヨン内閣」(高麗大学・ソマン教会・嶺南出身の偏重内閣)を前方に布陣させて強行したが、突然の金融危機が政権の初期の勢いがくじかれた。焦った政権は4大河と資源外交に出た。一人のスタープレーヤーに依存した典型的なロングパスサッカーだった。朴槿恵(パク・クネ)政権? 「国民幸福時代」という素晴らしい空中ボールは、国家情報院選挙介入とセウォル号惨事で最初からアウトとなった。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は官僚・将軍・法律家を取り囲んだ強大な守備軍団だった。ロングパスサッカーでも、切実な時にここぞとボールを蹴った。それが国定教科書とTHAAD電撃導入で、改憲提案はあきれた自殺ゴールだった。ロングパスサッカーで10年を浪費してしまったので、監督の電撃交替は必至だった。


新任監督の人気が天を衝くほどの勢いだ。野党も守備勢力も支離滅裂になっているため、ゴールが煌々と見えている。分別のないでたらめな北朝鮮挑発を除けば、政治地形図はそれなりに順風だ。こういう時こそ気を付けなければならない。名将ヒディンクならどうしただろうか。個人突破? 三角パス? チームプレー? 考えるに、セットプレーを敷かない限り空中ボールを蹴り出すようなことはなかっただろう。



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