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【中央時評】高齢者の貧困と自殺を放置する韓国社会(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国で最も代表的な福祉死角地帯はどこかと尋ねると、多くの専門家は高齢者の貧困と自殺を挙げるだろう。

経済協力開発機構(OECD)平均の3倍以上となる48%水準の高齢者貧困率、そして55歳を超えれば年齢が高まるほど急上昇する自殺率はすでに広く知られた事実だ。若い頃に熱心に働いて「漢江(ハンガン)の奇跡」を成し遂げた主役が、高齢になると生計を心配して自ら命を絶つのが今日の韓国社会の現状だ。本当に悲しいことだ。

こうした悲劇的な現実がマスコミの報道を通じて広く知られたにもかかわらず、政府や政界はこれを解決するための努力をしていない。例えば与野党は5月29日、公務員年金法改正案を処理し、「公的年金の強化と老後貧困の解消のための特別委員会」と同じ目的の「社会的機構」構成および運営に関する規則案まで通過させた。今年10月31日となっている社会的機構の期間にもかかわらず、まだ構成に関する与野党間の議論さえも行われていない。結局、老後貧困問題を解決しようという意志より、公務員年金法改正内容に対する批判を鎮めるための臨時方便にすぎなかったのだ。特別委員会と社会的機構の構成が深刻な高齢者貧困と自殺問題を解決できる契機になると期待した人たちには大きな失望だ。


1990年代半ばにすでに先進国に仲間入りし、今では世界10大経済大国に浮上した韓国が、先進国のうち最悪の高齢者貧困問題を抱えている理由は、公的年金の歴史が浅いからだ。多くの先進国、さらに南米の国もすでに20世紀初めに公的年金制度を導入したため、今はほとんどすべての高齢者が年金の恩恵を受けている。しかし韓国の場合、公的年金はこれらの国に比べて相対的に遅く始まった。公務員年金が60年に最初に始まり、続いて63年に軍人年金が、そして73年には私立学校教員年金ができたが、一般国民を対象とする国民年金は88年に初めて実施された。職場勤労者を対象に始まった国民年金は95年に農漁村地域で、そして99年には都市自営業者に拡大した。このように公的年金体系が遅く構築されたため、2014年現在、60歳以上の人口のうち老齢年金受給者の比率は35.3%、平均年金額も月33万ウォン(約3万3000円)にすぎない。



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