「おもちゃを買って与えればそれでいいのか。かわいい服を着せればそれでいいのか」。誰でも一度くらいは聞いたことがある童謡『大人たちは知らない』の歌詞だ。大人は子どもが望むものを知らないという内容を軽快なメロディーにのせた歌だ。この歌は最近、子どもたちの間で人気だ。
2017年の韓国の子どもの心理状態はこの歌詞とほぼ一致している。児童保護団体「セーブ・ザ・チルドレン」とソウル大社会福祉研究所の調査によると、韓国の子どもの幸福感は比較対象16カ国のうち14番目だった。アルジェリアや南アフリカよりも低かった。絶対貧困に苦しむエチオピア(15番目)、大地震の余波が残るネパール(16番目)だけが韓国より低い。皮肉にも服・インターネット・携帯電話など物質的欲求を満たす側面では、韓国は16カ国のうち最上位圏だった。こうした中、家族・友人と一緒に遊ぶ時間がない(16番目)、大人が自分の話を聞かない(13番目)と語った。
チョロクウサン子ども財団が全国8600人の小中高生にした質問の結果もこれと似ている。教育時間を減らしてほしいという要求が1085件で最も多かった。私教育の縮小(741件)、試験の縮小(716件)、倫理体育授業の拡大(630件)が最も望む教育政策だった。国際連合児童基金(ユニセフ)が29カ国を対象にした調査では韓国の子どもの学業ストレスが最も大きかった。
こうした状況でも大人は子どもの声に耳を傾ける考えはないようだ。次期大統領候補の児童政策公約も「子どもがいる大人」に対する物質的支援が中心となっている。育児休職給与の引き上げ、児童手当の新設、放課後教室の拡大などだ。子どもがこれほど望んでいる、勉強のストレスを減らす案はあまり見えない。子どもに投票権があれば事情は違っていただろう。
どこか間違っているというのは、こうした数値を見なくても我々はみんな知っている。あちこちの塾を転々とする小学生の表情からも感じることができる。こうした競争が4次産業を話すこの時代に無意味になっていることも知っている。「自分の子どもがヘル朝鮮で生き残るためにはやむを得ない」とし、この悪循環を断つのにみんなが躊躇しているだけだ。
「大人たちは知らない。つらくてそうなのに。いつも一人で孤独な私たちを温かく包み込んでほしい」。『大人たちは知らない』の歌詞は母親が集まるインターネットコミュニティーでもよく共有される。この歌詞が親の胸にも響くということだ。「ご飯を食べさせ、着替えさせ、塾に送りながら親の役割をしていると思い込んでいるのではないのか…」。このように胸が痛む反応も多い。我々みんなが情緒的虐待の共犯にならないでおこうという良心に耳を傾けてみよう。きょう一日だけでも。
ハン・ヨンイク/社会2部記者
2017年の韓国の子どもの心理状態はこの歌詞とほぼ一致している。児童保護団体「セーブ・ザ・チルドレン」とソウル大社会福祉研究所の調査によると、韓国の子どもの幸福感は比較対象16カ国のうち14番目だった。アルジェリアや南アフリカよりも低かった。絶対貧困に苦しむエチオピア(15番目)、大地震の余波が残るネパール(16番目)だけが韓国より低い。皮肉にも服・インターネット・携帯電話など物質的欲求を満たす側面では、韓国は16カ国のうち最上位圏だった。こうした中、家族・友人と一緒に遊ぶ時間がない(16番目)、大人が自分の話を聞かない(13番目)と語った。
チョロクウサン子ども財団が全国8600人の小中高生にした質問の結果もこれと似ている。教育時間を減らしてほしいという要求が1085件で最も多かった。私教育の縮小(741件)、試験の縮小(716件)、倫理体育授業の拡大(630件)が最も望む教育政策だった。国際連合児童基金(ユニセフ)が29カ国を対象にした調査では韓国の子どもの学業ストレスが最も大きかった。
こうした状況でも大人は子どもの声に耳を傾ける考えはないようだ。次期大統領候補の児童政策公約も「子どもがいる大人」に対する物質的支援が中心となっている。育児休職給与の引き上げ、児童手当の新設、放課後教室の拡大などだ。子どもがこれほど望んでいる、勉強のストレスを減らす案はあまり見えない。子どもに投票権があれば事情は違っていただろう。
どこか間違っているというのは、こうした数値を見なくても我々はみんな知っている。あちこちの塾を転々とする小学生の表情からも感じることができる。こうした競争が4次産業を話すこの時代に無意味になっていることも知っている。「自分の子どもがヘル朝鮮で生き残るためにはやむを得ない」とし、この悪循環を断つのにみんなが躊躇しているだけだ。
「大人たちは知らない。つらくてそうなのに。いつも一人で孤独な私たちを温かく包み込んでほしい」。『大人たちは知らない』の歌詞は母親が集まるインターネットコミュニティーでもよく共有される。この歌詞が親の胸にも響くということだ。「ご飯を食べさせ、着替えさせ、塾に送りながら親の役割をしていると思い込んでいるのではないのか…」。このように胸が痛む反応も多い。我々みんなが情緒的虐待の共犯にならないでおこうという良心に耳を傾けてみよう。きょう一日だけでも。
ハン・ヨンイク/社会2部記者
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