高高度防衛ミサイル(THAAD)配備費用を韓国側が負担するべきだというトランプ米大統領の発言の後、青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室と国防部は公式の立場を除いて対応を自制している。しかし内部では当惑しているようだ。政府消息筋は2日、「トランプ政権が新たに決めた対北政策の核心である『最高水準の圧力と関与(Maximum pressure and engagement)』を北だけでなく同盟と友邦にも適用しているという話が出てくるほど」と内部の雰囲気を伝えた。
就任直後、トランプ大統領は中国に対し「一つの中国(One China)原則を破棄することもある」「為替操作国に指定する」と圧力を加えた後、これを突然覆したが、THAAD費用圧力はこれよりも深刻という指摘だ。THAADは在韓米軍地位協定(SOFA)に基づき配備が決定した。SOFAの正式名称は「韓米相互防衛条約4条による施設と区域及び在韓米軍の地位に関する協定」だ。
政府関係者は「韓米相互防衛条約は同盟の根幹であるだけでなく法律と同じ効力を持つ。SOFA規定に基づき米側がTHAAD費用を出すことで約定を結んだが、突然、我々に費用を出せというのはSOFA規定違反であり、事実上の違法だ」と述べた。トランプ大統領の発言直後、ソーシャルネットワークサービス(SNS)では「持ち帰れ」「これが同盟か」など不満の声が出ている。
専門家らは「トランプ式の貸借対照表」に目を向けている。外交・安保・通商など分野に関係なくすべての懸案を一つのテーブルに載せ、経済的な利益が出る有利な交渉カードなら使うという説明だ。キム・ヒョンウク国立外交院教授は「トランプ大統領はイシューを結びつける傾向が非常に強い」とし「今はTHAAD費用と韓米自由貿易協定(FTA)を話すが、防衛費分担金の大幅引き上げや空母配備など戦略資産展開費用を要求する可能性もある」と懸念を表した。
チェ・ガン峨山政策研究院副院長は「このような形の韓国刺激は反米の雰囲気を形成し、決して米国にもプラスにならない」とし「同盟をお金だけで計算すれば相互共有してきた価値が損なわれる」と述べた。続いて「自由民主主義秩序を守護する『世界警察』でなく『傭兵』のようにお金ばかり計算すれば信頼が崩れることもあると米国に話すべきだ」と指摘した。
米国の突出行動による同盟・友好国の信頼低下は結局、米国の外交的費用になるという指摘だ。先月29日にフィリピンで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明には、米中の対立事案である南シナ海の領有権に関して露骨に中国側の意を反映した言葉が入った。外交消息筋は「オバマ政権のアジア再均衡政策に頼っていたASEAN国家が、トランプ政権の発足後、米国の意志が弱まったとみて中国側に傾いている」と伝えた。トランプ大統領は翌日の30日(現地時間)、急いでタイとシンガポールの首脳に電話をし、米国招請の意思を明らかにして収拾に動いた。
ナムグンヨン韓国外大政治外交学科教授は「米国は韓国の反米情緒と対米信頼喪失が長期的には大きな損害という点を忘れてはならず、韓国も今回のTHAAD費用問題を過度に感情的に受け止めたり韓米同盟の問題に拡大解釈するべきではない」と助言した。また「同盟国の間でも国益は異なることがあるという前題で、新政権は韓米協力関係の構築に重点を置かなければいけない」と述べた。
一方、THAAD配備費用問題と関連し、「昨年末トランプ大統領の政権移行チーム側が文書で韓国政府にTHAAD配備費用分担を議論しようという意を伝え、これを受けた金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長が韓民求(ハン・ミング)国防部長官に『THAAD費用を我々が負担することになる可能性もある』と伝えた」という韓国日報の報道について、金寛鎮国家安保室長は「全くの事実無根」と反論した。金室長はこの日、韓国日報を相手取り言論仲裁委員会の調停を申請した。
就任直後、トランプ大統領は中国に対し「一つの中国(One China)原則を破棄することもある」「為替操作国に指定する」と圧力を加えた後、これを突然覆したが、THAAD費用圧力はこれよりも深刻という指摘だ。THAADは在韓米軍地位協定(SOFA)に基づき配備が決定した。SOFAの正式名称は「韓米相互防衛条約4条による施設と区域及び在韓米軍の地位に関する協定」だ。
政府関係者は「韓米相互防衛条約は同盟の根幹であるだけでなく法律と同じ効力を持つ。SOFA規定に基づき米側がTHAAD費用を出すことで約定を結んだが、突然、我々に費用を出せというのはSOFA規定違反であり、事実上の違法だ」と述べた。トランプ大統領の発言直後、ソーシャルネットワークサービス(SNS)では「持ち帰れ」「これが同盟か」など不満の声が出ている。
専門家らは「トランプ式の貸借対照表」に目を向けている。外交・安保・通商など分野に関係なくすべての懸案を一つのテーブルに載せ、経済的な利益が出る有利な交渉カードなら使うという説明だ。キム・ヒョンウク国立外交院教授は「トランプ大統領はイシューを結びつける傾向が非常に強い」とし「今はTHAAD費用と韓米自由貿易協定(FTA)を話すが、防衛費分担金の大幅引き上げや空母配備など戦略資産展開費用を要求する可能性もある」と懸念を表した。
チェ・ガン峨山政策研究院副院長は「このような形の韓国刺激は反米の雰囲気を形成し、決して米国にもプラスにならない」とし「同盟をお金だけで計算すれば相互共有してきた価値が損なわれる」と述べた。続いて「自由民主主義秩序を守護する『世界警察』でなく『傭兵』のようにお金ばかり計算すれば信頼が崩れることもあると米国に話すべきだ」と指摘した。
米国の突出行動による同盟・友好国の信頼低下は結局、米国の外交的費用になるという指摘だ。先月29日にフィリピンで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明には、米中の対立事案である南シナ海の領有権に関して露骨に中国側の意を反映した言葉が入った。外交消息筋は「オバマ政権のアジア再均衡政策に頼っていたASEAN国家が、トランプ政権の発足後、米国の意志が弱まったとみて中国側に傾いている」と伝えた。トランプ大統領は翌日の30日(現地時間)、急いでタイとシンガポールの首脳に電話をし、米国招請の意思を明らかにして収拾に動いた。
ナムグンヨン韓国外大政治外交学科教授は「米国は韓国の反米情緒と対米信頼喪失が長期的には大きな損害という点を忘れてはならず、韓国も今回のTHAAD費用問題を過度に感情的に受け止めたり韓米同盟の問題に拡大解釈するべきではない」と助言した。また「同盟国の間でも国益は異なることがあるという前題で、新政権は韓米協力関係の構築に重点を置かなければいけない」と述べた。
一方、THAAD配備費用問題と関連し、「昨年末トランプ大統領の政権移行チーム側が文書で韓国政府にTHAAD配備費用分担を議論しようという意を伝え、これを受けた金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長が韓民求(ハン・ミング)国防部長官に『THAAD費用を我々が負担することになる可能性もある』と伝えた」という韓国日報の報道について、金寛鎮国家安保室長は「全くの事実無根」と反論した。金室長はこの日、韓国日報を相手取り言論仲裁委員会の調停を申請した。
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