トランプ米大統領が慶尚北道星州(ソンジュ)に配備された高高度防衛ミサイル(THAAD)の費用10億ドル(約1100億円)を韓国が支払うようにすると述べ、波紋を呼んでいる。トランプ大統領就任100日を迎えてロイター通信が行ったインタビューでだ。26日に星州に配備されたTHAADは、北朝鮮の弾道ミサイルから在韓米軍を保護するのが基本任務だ。しかしTHAADの防御面積が広いため、同盟国である韓国もともに保護できる。そのTHAADの費用を韓国が負担しろということだ。
ロイターが伝えたトランプ大統領の発言は「THAAD費用を韓国が支払うことを望むが、THAADの価格は10億ドル」という内容だ。この内容では、韓国がTHAADの装備費と運営費を含むすべての費用を支払うのか、それとも一部かはまだ不明だ。もちろんメディアがそれぞれの解釈をするよう誘導したトランプ大統領のインタビューの問題点も指摘せざるを得ない。北朝鮮の核武装という深刻な状況を控えて韓米が結束するべきところに局面を壊すような言葉であるからだ。
実際、韓国がTHAAD費用を負担するのは構造的にも容易でない。在韓米軍に配備されたTHAADは米軍の資産だ。その運営費は米国が負担することになっている。韓米は昨年、THAAD配備に関連し、THAAD展開および運営費は米国が負担し、韓国は場所を提供することで合意している。このため韓国政府は星州ロッテゴルフ場の一部(30万平方メートル、公示価格91億ウォン=約9億円)を20日に米国に供与した。ところが突然、国家間の合意を無視して韓国に追加負担を要求した。
THAADのために防衛費分担金を増額するのも限界がある。韓米が合意した2014-2018年の防衛費分担金は2014年基準で9200億ウォンだ。毎年4%以内で増額することになっている。昨年は9441億ウォンだった。2019年から新たに適用される分担金もこうした基準を大きく抜け出さないという予想だ。また、THAAD運営にかかる建設費や労務者人件費、輸送費など追加費用はこの分担金内に抑えることになっている。おそらくトランプ大統領の内心は分担金の大幅引き上げを望んでいるようだ。したがって今年末に始まる防衛費分担金交渉で相当な増額は避けられない見通しだ。
韓国政界はトランプ大統領の発言に対して「THAAD配備中断、次期政権に」(共に民主党)、「国会が批准するべき」(国民の党)、「左派政権を憂慮した発言」(自由韓国党)など「五党五色」の反応を見せ、大統領選挙政局の新たな変数になっている。
北核解決のための1994年ジュネーブ合意でも似た経験がある。当時、韓日米が合意したが、北朝鮮に建設する軽水炉工事費の70%を韓国が負担した。米国は北朝鮮に提供した重油費だけを負担した。こうした過去の経験から、韓米はTHAADをめぐる破裂音を出すより、緊急な北核問題解決によりいっそう慎重に知恵を集めて協力するべき時だ。政界も政略的に破裂音をあおる過ちを犯してはいけない。
ロイターが伝えたトランプ大統領の発言は「THAAD費用を韓国が支払うことを望むが、THAADの価格は10億ドル」という内容だ。この内容では、韓国がTHAADの装備費と運営費を含むすべての費用を支払うのか、それとも一部かはまだ不明だ。もちろんメディアがそれぞれの解釈をするよう誘導したトランプ大統領のインタビューの問題点も指摘せざるを得ない。北朝鮮の核武装という深刻な状況を控えて韓米が結束するべきところに局面を壊すような言葉であるからだ。
実際、韓国がTHAAD費用を負担するのは構造的にも容易でない。在韓米軍に配備されたTHAADは米軍の資産だ。その運営費は米国が負担することになっている。韓米は昨年、THAAD配備に関連し、THAAD展開および運営費は米国が負担し、韓国は場所を提供することで合意している。このため韓国政府は星州ロッテゴルフ場の一部(30万平方メートル、公示価格91億ウォン=約9億円)を20日に米国に供与した。ところが突然、国家間の合意を無視して韓国に追加負担を要求した。
THAADのために防衛費分担金を増額するのも限界がある。韓米が合意した2014-2018年の防衛費分担金は2014年基準で9200億ウォンだ。毎年4%以内で増額することになっている。昨年は9441億ウォンだった。2019年から新たに適用される分担金もこうした基準を大きく抜け出さないという予想だ。また、THAAD運営にかかる建設費や労務者人件費、輸送費など追加費用はこの分担金内に抑えることになっている。おそらくトランプ大統領の内心は分担金の大幅引き上げを望んでいるようだ。したがって今年末に始まる防衛費分担金交渉で相当な増額は避けられない見通しだ。
韓国政界はトランプ大統領の発言に対して「THAAD配備中断、次期政権に」(共に民主党)、「国会が批准するべき」(国民の党)、「左派政権を憂慮した発言」(自由韓国党)など「五党五色」の反応を見せ、大統領選挙政局の新たな変数になっている。
北核解決のための1994年ジュネーブ合意でも似た経験がある。当時、韓日米が合意したが、北朝鮮に建設する軽水炉工事費の70%を韓国が負担した。米国は北朝鮮に提供した重油費だけを負担した。こうした過去の経験から、韓米はTHAADをめぐる破裂音を出すより、緊急な北核問題解決によりいっそう慎重に知恵を集めて協力するべき時だ。政界も政略的に破裂音をあおる過ちを犯してはいけない。
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