韓米が予想より早く高高度防衛ミサイル(THAAD)体系の韓半島展開に出たのは理解できる。韓国国防部が昨日、迅速な展開の背景を説明したように、北朝鮮の核ミサイル脅威が高度化・加速化しているのは異論の余地がない客観的事実だ。北朝鮮が国連安全保障理事会決議を無視し、先月12日に続いて見せかけるようにミサイル4発を相次ぎ発射したのが一昨日のことだった。そのうえ、小型化に成功した核爆弾をミサイルに搭載する日がカウントダウンに入ったとのことも明らかな現実だ。
このように国の安保が百尺竿頭に一歩を進むように防御用兵器を早く配備しようとするのは極めて合理的な判断だ。国の一方では中国の反対などを理由にTHAADの配備に反対する声がある。だが、国家の安全危険は何ものにも代え難い絶対的価値だ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の奇襲攻撃で全ての山川が廃墟と化した後になって後悔しても仕方ないだろう。
THAADの早期配備が既成事実なら、この時を国論分裂を一つにする契機にするのが賢明な姿勢だ。そうすれば、大統領選が行われてもTHAADをめぐる非生産的論争は避けることができる。次期政府でも混乱を煽る大きな荷を一つ下ろせるわけだ。だから政界でもこれ以上、是非を論じてはならない。
ただし、懸念されるのはTHAAD配備に反対してきた中国の報復がより激しくなるということだ。中国外務省は「韓米のTHAAD配備を決然と反対し、必要な措置を取る」として「これに対し発生するすべてのツケは韓国と米国に回るだろう」と発表した。報復に出ると直接的に明らかにしたことに他ならない。中国メディアは「韓国がTHAAD配備を事前に通知しなかった」と非難しているが、これは横車に過ぎない。どの国がいつ、どこに兵器を配備すると隣国に知らせるだろうか。
一昨日、中国当局は、大型店舗からロッテ製菓の製品を撤去するように指示したことに続き、韓国産ゲームの輸入を妨げているという。大国らしくない処置だ。中国が韓国に対する報復を繰り返せば、結局自身にも莫大な損をもたらすことを忘れてはならない。実際、中国当局による遊客(中国人観光客)の訪韓禁止措置以降、訪中韓国人観光客も急減したという。
韓半島に戦術核を再導入すべきだという声が出ているのも中国の間違った対応がもたらした結果であることを習近平政権は肝に銘じなければならない。中国が北朝鮮の核脅威にしっかりと対応できたなら、戦術核はもちろんTHAAD配備の話も当初からなかっただろう。
いくら韓国や米国が説得しても、今後、確かに中国の報復津波が押し寄せてくるだろう。それでも後日のツケを最小限にとどめるために、韓国政府は20日ごろに予定されたレックス・ティラーソン米国務長官の韓日中3カ国の歴訪を絶好の機会として生かすべきだ。ティラーソン氏の訪中の目的は4月に予定された米中首脳会談のための議題調整と知られているが、両側間でTHAAD問題が議論される公算が大きい。米国は韓国に対する中国の報復を中断させるべきだ。受け止め難い真実だが、中国をなだめて阻止できるのは米国だけだ。
このように国の安保が百尺竿頭に一歩を進むように防御用兵器を早く配備しようとするのは極めて合理的な判断だ。国の一方では中国の反対などを理由にTHAADの配備に反対する声がある。だが、国家の安全危険は何ものにも代え難い絶対的価値だ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の奇襲攻撃で全ての山川が廃墟と化した後になって後悔しても仕方ないだろう。
THAADの早期配備が既成事実なら、この時を国論分裂を一つにする契機にするのが賢明な姿勢だ。そうすれば、大統領選が行われてもTHAADをめぐる非生産的論争は避けることができる。次期政府でも混乱を煽る大きな荷を一つ下ろせるわけだ。だから政界でもこれ以上、是非を論じてはならない。
ただし、懸念されるのはTHAAD配備に反対してきた中国の報復がより激しくなるということだ。中国外務省は「韓米のTHAAD配備を決然と反対し、必要な措置を取る」として「これに対し発生するすべてのツケは韓国と米国に回るだろう」と発表した。報復に出ると直接的に明らかにしたことに他ならない。中国メディアは「韓国がTHAAD配備を事前に通知しなかった」と非難しているが、これは横車に過ぎない。どの国がいつ、どこに兵器を配備すると隣国に知らせるだろうか。
一昨日、中国当局は、大型店舗からロッテ製菓の製品を撤去するように指示したことに続き、韓国産ゲームの輸入を妨げているという。大国らしくない処置だ。中国が韓国に対する報復を繰り返せば、結局自身にも莫大な損をもたらすことを忘れてはならない。実際、中国当局による遊客(中国人観光客)の訪韓禁止措置以降、訪中韓国人観光客も急減したという。
韓半島に戦術核を再導入すべきだという声が出ているのも中国の間違った対応がもたらした結果であることを習近平政権は肝に銘じなければならない。中国が北朝鮮の核脅威にしっかりと対応できたなら、戦術核はもちろんTHAAD配備の話も当初からなかっただろう。
いくら韓国や米国が説得しても、今後、確かに中国の報復津波が押し寄せてくるだろう。それでも後日のツケを最小限にとどめるために、韓国政府は20日ごろに予定されたレックス・ティラーソン米国務長官の韓日中3カ国の歴訪を絶好の機会として生かすべきだ。ティラーソン氏の訪中の目的は4月に予定された米中首脳会談のための議題調整と知られているが、両側間でTHAAD問題が議論される公算が大きい。米国は韓国に対する中国の報復を中断させるべきだ。受け止め難い真実だが、中国をなだめて阻止できるのは米国だけだ。
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