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【社説】予断を許さない北朝鮮の残虐性に徹底した警戒を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
衝撃と恐怖、そのものだ。北朝鮮政権の好戦性は十分に分かっているが、今回の金正男(キム・ジョンナム)氏を暗殺したように、外国でそれも人々が混雑している空港で、夜中でもなく昼間にテロを行う金正恩(キム・ジョンウン)体制の残虐性に対し、われわれは大きく驚き深い懸念を示さざるを得ない。事件の真相はマレーシア警察の捜査を見守る必要があるが、今までの状況から見て北朝鮮の仕業である可能性が低くない。なぜ、この時点に金正男氏を除去したのかに関しては様々な見方が出ている。金正男氏の韓国亡命の可能性を遮断するためか、金正恩委員長の目にとまるための北朝鮮偵察総局による過剰忠誠のせいかという分析などが多い。

しかし、より重要な理由は、金正男氏が金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男という身分が持つ存在感そのものが金正恩委員長にとっては核よりも恐ろしい対象だったということだ。北朝鮮政権は首領唯一体制という特殊な構造となっているため、金正恩委員長としてはいつでも機会さえあれば、金日成(キム・イルソン)主席の初孫である金正男氏を除去する必要があったのだ。そのように機会をうかがっていたところ、ついに新型中距離弾道ミサイル発射の成功で北朝鮮に注目が集まった翌日、金正男氏まで殺害する大型事故を起こした。このように、自身の政権の安寧のためには血縁まで無惨に処断する北朝鮮の野蛮性を見ながら、われわれは北朝鮮に対する態度や覚悟を徹底して改めなければならない。

まず、北朝鮮の金正恩政権はどんなことでもできるという点を改めて認知する必要がある。日に日に激しさを増す北朝鮮の核とミサイル脅威が単なる恐喝に終わらず、実質的な脅迫になり得るという点に気付き、徹底した対策を立てることが求められる。高高度防衛ミサイル体系(THAAD)の配備など韓国の安保を強化する措置をめぐって国論が分かれてはならないだろう。それから、金正男氏暗殺の真相が正確に明らかになれるように、マレーシア当局と緊密に協力しなければならない。国際社会の目を無視して反倫理的蛮行をはばからない北朝鮮の残虐性をそのまま明らかにすべきだ。そうすれば、中国も慣性的な北朝鮮ひいきをやめ、韓国が直面した脅威をきちんと認識して北朝鮮の核を除去するためにより建設的な歩みに出るだろう。中国国民は2013年末、金正恩委員長が叔母の夫である張成沢(チャン・ソンテク)氏を公開処刑した非人間的行為に驚いたことがある。今回、再び腹違いの兄を殺害したことまで事実と明るみに出る場合、このような北朝鮮政権を戦略的資産と擁護する必要があるかと、深刻な懐疑に陥るだろう。


最後に、北朝鮮による他のテロへの可能性を想定して万全を期しなければならない。北朝鮮の人権運動を行っている韓国の要人らはもちろん、脱北した人々も北朝鮮のテロのターゲットになっているだけに、彼らの身辺に異常がないように最大限の保護措置を講じなければならない。ラクビーのボールのようにどこへ跳ねるか分からない、若くて手強くい指導者が治める北朝鮮が、今度はどんなことを行うか予断を許さない。そのような金正恩委員長の手に完成された核兵器が握られるというのは想像もしたくない悪夢だ。中国に対して強く訴えることで、国外では対北制裁に対する共助体制を強化する一方で、国内では少なくとも韓国の安保に関しては意見を一つにするように一丸となって北朝鮮政権の残虐性に立ち向かうべき時だ。



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