米国大統領選挙の時、金正恩が大陸間弾道ロケットの試験発射準備事業が最終段階に達したと宣言すると、ドナルド・トランプは「そんなことは起きるはずがない(It won’t happen)」と鼻で一蹴した。金正恩が言う大陸間弾道ミサイル(ICBM)は最大射程距離1万2000キロで、ニューヨークやワシントンのような米国東部地域まで打撃を加えることのできるKN-08やKN-14のことだ。金正恩に残されているのはICBMの大気圏再進入技術の確保だ。それも2~3年内に完了するものと予想されている。
このような背景で発足したトランプ政府は、先制打撃論と政権交代論、金正恩暗殺論まで政策オプションとして視野に入れているようだ。昨日訪韓したジェームズ・マティス国防長官を含め、ジョージ・W・ブッシュ政府のネオコン以上に強硬な安保思想を有する人物が、トランプ政府の安保戦略を立案して推進する要職を占めているのもこのような背景からだ。彼らにとっては金正恩が有難い存在でもある。米国はアラスカと太平洋上のイージス艦に配備されたその多くの迎撃ミサイルを一度も実戦に使用することができないでいる。彼らは北朝鮮の中・長距離ミサイルを相手に米国が言葉だけで誇ってきた“ミサイルを捕まえるミサイル”のテストをしたがっている。国防長官のマティスが就任後初めての訪問国として韓国を選んだのも、単にTHAAD(高高度ミサイル防衛)体系の早期配備と韓米間ですでに合意した米国戦略資産の韓半島展開だけを再確認するためのものではないと思われる。核・ミサイルの実戦配備を目前にしている北朝鮮問題を、両国の新政府がどのように根本的に解決するかを探索する動きではないかと見る。
【コラム】金正恩のトランプジレンマ(2)
このような背景で発足したトランプ政府は、先制打撃論と政権交代論、金正恩暗殺論まで政策オプションとして視野に入れているようだ。昨日訪韓したジェームズ・マティス国防長官を含め、ジョージ・W・ブッシュ政府のネオコン以上に強硬な安保思想を有する人物が、トランプ政府の安保戦略を立案して推進する要職を占めているのもこのような背景からだ。彼らにとっては金正恩が有難い存在でもある。米国はアラスカと太平洋上のイージス艦に配備されたその多くの迎撃ミサイルを一度も実戦に使用することができないでいる。彼らは北朝鮮の中・長距離ミサイルを相手に米国が言葉だけで誇ってきた“ミサイルを捕まえるミサイル”のテストをしたがっている。国防長官のマティスが就任後初めての訪問国として韓国を選んだのも、単にTHAAD(高高度ミサイル防衛)体系の早期配備と韓米間ですでに合意した米国戦略資産の韓半島展開だけを再確認するためのものではないと思われる。核・ミサイルの実戦配備を目前にしている北朝鮮問題を、両国の新政府がどのように根本的に解決するかを探索する動きではないかと見る。
【コラム】金正恩のトランプジレンマ(2)
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