グローバル大手化粧品メーカーの役員職を辞めて、韓国でもあまり知られていない化粧品を米国市場に売り始めた。オンラインストアで始めた「Kビューティー」の広報は、米国最大コスメセレクトショップ「SEPHORA(セフォラ)」へ、香港プレミアムデパート「Lane Crawford(レーン・クロフォード)」へ広がっていった。ロレアルUSA理事出身で、Kビューティー流通会社「GLOW RECIPE(グロー・レシピ)」を立ち上げたサラ・リー(韓国名イ・スンヒョン)共同代表の話だ。セフォラのバイヤーとともに韓国を訪れたサラ・リー氏に、今月初め、ソウルで会った。
サラ・リー氏が有名になったのは、2015年1月スタートアップを対象にした米国ABC放送の投資誘致オーディション番組『Shark Tank(シャーク・タンク)』に出演してからだ。
サラ・リーとクリスティーン・チャン。この30代の韓国人女性二人は、韓国化粧品の優秀性をアピールするプレゼンテーションで審査委員の好奇心を引き出したところ、42万5000ドル(約4700万円)の投資を受けることができた。番組が放送されるや否や、会社ホームページへのアクセス数があっという間に数十万件に達し、ダウンするほどだった。
「投資額が大きかったこともありましたが、グロー・レシピは放送前からすでに黒字会社でした。2014年にクリスティーンとともに各自2万5000ドルずつ出して会社を立ち上げましたが、3カ月で黒字となったんです。シャーク・タンクの出演で得られたのは実は知名度でした」
その後、グロー・レシピに対し、「米国市場とKビューティーを熟知した上で商品を紹介する会社」という認識が固まった。2014年からはセフォラの依頼で韓国のスキンケアトレンドの報告書を作っている。
「米国では『ファッションを知るためにはパリへ、ビューティーを知るためにはソウルへ行け』という言葉が自然と出てくるほどです。米国のビューティー記者なら、誰もがソウルに行って皮膚科の施術やサウナを経験してみたいと思います。セフォラが当社にトレンドの紹介を依頼したのもそうした背景があります」
セフォラがグロー・レシピの報告書を公開すると、新しいコスメラインが誕生するほど反応が良かった。肌になめらかにフィットする韓国のジェリーパックを紹介した「メーキャップ・グリッパー(make-up gripper)」もその一つだ。
「米国人はべたべたし化粧品があまり好きではありません。 韓国人にはもっちりした感触が人気ですが、米国人にとってはホコリがつきやすくて使いづらいと思います。もしも、ジェリーパックをそのまま米国市場に発売していたらあまり売れなかったでしょう。そのため、次に乗せる化粧品のつきがよくなるという強みに集中しました。しっとりしたテクスチャーが肌になじみ、すぐれた密着力で自然な肌を演出することができる、これをアピールするために別称をメーキャップ・グリッパーと名付けたところ、米国人から反応が出始めたんです」
その後、セフォラの店内にメーキャップ・グリッパーという新しい品目ができ、下地やメーキャップベースのような製品があわせて紹介された。サラ・リー氏に韓国ブランドの化粧品がいつも米国進出に成功できない理由が何かと尋ねた。
「ジェリーパックとメーキャップ・グリッパーの差だと思います。実際、品質では韓国の化粧品が優位にあります。ですが、米国人に対するアプローチ法にはまだまだ改善の余地はあると思います。韓国化粧品は可愛いパッケージや成分を強調する場合が多いですが、米国では効能と使いやすさをより重視する傾向があります。米国人に、これまで使っていたシャネルやディオールのようなスキンケア製品の代わりに、なぜ韓国の化粧品に変える必要があるのか、理由を作らなければなりません。『これは本当にいい化粧品だよ』でなく『これを塗れば化粧ノリが本当によくなるよ』といったようなことです」
サラ・リー氏が有名になったのは、2015年1月スタートアップを対象にした米国ABC放送の投資誘致オーディション番組『Shark Tank(シャーク・タンク)』に出演してからだ。
サラ・リーとクリスティーン・チャン。この30代の韓国人女性二人は、韓国化粧品の優秀性をアピールするプレゼンテーションで審査委員の好奇心を引き出したところ、42万5000ドル(約4700万円)の投資を受けることができた。番組が放送されるや否や、会社ホームページへのアクセス数があっという間に数十万件に達し、ダウンするほどだった。
「投資額が大きかったこともありましたが、グロー・レシピは放送前からすでに黒字会社でした。2014年にクリスティーンとともに各自2万5000ドルずつ出して会社を立ち上げましたが、3カ月で黒字となったんです。シャーク・タンクの出演で得られたのは実は知名度でした」
その後、グロー・レシピに対し、「米国市場とKビューティーを熟知した上で商品を紹介する会社」という認識が固まった。2014年からはセフォラの依頼で韓国のスキンケアトレンドの報告書を作っている。
「米国では『ファッションを知るためにはパリへ、ビューティーを知るためにはソウルへ行け』という言葉が自然と出てくるほどです。米国のビューティー記者なら、誰もがソウルに行って皮膚科の施術やサウナを経験してみたいと思います。セフォラが当社にトレンドの紹介を依頼したのもそうした背景があります」
セフォラがグロー・レシピの報告書を公開すると、新しいコスメラインが誕生するほど反応が良かった。肌になめらかにフィットする韓国のジェリーパックを紹介した「メーキャップ・グリッパー(make-up gripper)」もその一つだ。
「米国人はべたべたし化粧品があまり好きではありません。 韓国人にはもっちりした感触が人気ですが、米国人にとってはホコリがつきやすくて使いづらいと思います。もしも、ジェリーパックをそのまま米国市場に発売していたらあまり売れなかったでしょう。そのため、次に乗せる化粧品のつきがよくなるという強みに集中しました。しっとりしたテクスチャーが肌になじみ、すぐれた密着力で自然な肌を演出することができる、これをアピールするために別称をメーキャップ・グリッパーと名付けたところ、米国人から反応が出始めたんです」
その後、セフォラの店内にメーキャップ・グリッパーという新しい品目ができ、下地やメーキャップベースのような製品があわせて紹介された。サラ・リー氏に韓国ブランドの化粧品がいつも米国進出に成功できない理由が何かと尋ねた。
「ジェリーパックとメーキャップ・グリッパーの差だと思います。実際、品質では韓国の化粧品が優位にあります。ですが、米国人に対するアプローチ法にはまだまだ改善の余地はあると思います。韓国化粧品は可愛いパッケージや成分を強調する場合が多いですが、米国では効能と使いやすさをより重視する傾向があります。米国人に、これまで使っていたシャネルやディオールのようなスキンケア製品の代わりに、なぜ韓国の化粧品に変える必要があるのか、理由を作らなければなりません。『これは本当にいい化粧品だよ』でなく『これを塗れば化粧ノリが本当によくなるよ』といったようなことです」
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