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【社説】朴大統領の崔順実国基紊乱釈明、納得できない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領が昨日、崔順実(チェ・スンシル)疑惑について国民向けの謝罪をした。「秘線」という崔順実氏に大統領の演説文と国務会議の発言資料、青瓦台(チョンワデ、大統領府)人事案などが流出したという事実を認めたのだ。しかし大統領の釈明は一方的で不十分なうえ、常識のラインで納得できない。ひどくこじれている国政が、収拾がつくどころかむしろ霧の中に向かう状況だ。

まず朴大統領は「就任後の一定期間、一部の資料について意見を聞いたこともあるが、青瓦台(チョンワデ、大統領府)および補佐体制が完備した後はしていない」と述べた。JTBCの報道によると、崔氏が発表の前日に受けたことが明らかになった「ドレスデン宣言」は2014年3月28日のことだ。青瓦台および補佐体制が完備するのに1年以上もかかったということだ。さらに別の報道では「崔氏が国政全般を議論する秘線の会合を運営し、会合のテーマの10%はミル・Kスポーツ財団関連だが、、残りの90%は開城(ケソン)工業団地閉鎖など政府の政策に関連するものがほとんどだった」という証言も出てきた。両財団が設立されたのはわずか半年前のことだ。政界では「崔氏の青瓦台人事案事前検討、利権介入説」が広まっている。野党は「崔順実ゲートではなく『崔順実摂政事態』」とし「崔順実が権力序列1位」と規定する状況だ。

証言と疑惑が事実なら、深刻なレベルを越える国家基本紊乱だ。実定法違反であり、政治的・法律的な責任が朴大統領に向かうこともある問題だ。いかなる公職もない崔氏が国政に、それも最も内密な国の懸案に介入した状況と証拠になるためだ。しかし範囲を狭めて朴大統領が認めた青瓦台の文書がまるごと流出したという事実だけでも、憲政史上見たことも聞いたこともない国政壟断だ。大統領は「純粋な心でしたこと」というが、最高の国政行為が青瓦台の外の民間人の手で仕上げられたという意味であるからだ。


崔氏らが挙がっている朴大統領周辺の秘線ミステリーと雑音はその間、政界で何度も提起されてきた。しかしそのたびに朴大統領は「根拠もなく国を揺るがす」と主張してきた。崔氏の側近が先日「崔氏が唯一うまくするのが大統領演説文を修正すること」と語ったという報道があった時、青瓦台は「話にならない」と激しく反論した。李元鐘(イ・ウォンジョン)秘書室長は「正常な人なら誰が信じるのか。封建時代にもありえない話がどうやって広まるのか嘆かわしい」と語った。ふたを開けてみると、封建時代にもありえないことが実際に起きていたということだ。これと同時に李室長までが核心から外れていた事実も明らかになったということだ。

朴大統領は国民に正直に詳しく釈明しなければいけない。崔順実問題はもう、一人の民間人の不正腐敗レベルを越えている。青瓦台の国政運営システムが崩れたという点で、民主主義の存立を脅かす重大な挑戦だ。朴大統領はいったい崔氏とどんな関係であって崔氏がそのような絶対的な権力を振りかざすことができたのか、国民の常識で納得できるように明らかにする必要がある。大韓民国は大統領と近いという理由だけで隠れた権力が入り込むそのようなお粗末な後進国ではない。崔氏を保護した青瓦台と政府の関係者が誰か、この人たちが結託して果たしてどんな国政壟断をしたかを、すべて明らかにしなければいけない。結果的に嘘をついた李元鐘秘書室長と大統領の周囲の管理責任がある禹柄宇民情首席秘書官など青瓦台参謀陣は大統領補佐に対する責任を取って総辞職するべきだ。

国は経済と安保の複合危機にある。国家的な危機で最も必要なのは危機突破のための国政最高責任者のリーダーシップだ。しかし朴大統領の国政支持率は就任後の最低値を更新しながら崩れている。全国が崔順実氏の家族の権力型不正疑惑で騒々しいが、常識のラインで納得させることができないのは国民を無視することだ。危機の状況で危機感を感じないのは本当に大きな危機だ。ただ真実だけが信頼を築き、信頼が生じてこそ危機を突破するエネルギーが集まる。憤怒する国民の前で短く立場を発表し、質疑応答もせずに、国論結集と国民団結、超党派的国政協力を要請するのは理解できない。朴大統領は今、決心しなければいけない。多くの時間は残っていない。



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